【ひまわり・ウクライナの風景】50年前の映画を再上映する理由が悲しい

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ひまわり再上映

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は50年前にリリースされた名作『ひまわり』について書きます。

とても懐かしいです。

銀座のガスホールで行われた試写会へ行った記憶があります。

ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの持つあたたかい雰囲気にすぐ引き込まれてしまいました。

イタリア人の持つ天真爛漫な陽気さがスクリーンにはじけていたのです。

それ以上に美しかったのが、広大なひまわり畑でした。

おそらくこの映画にとって、最大の造形だったに違いありません。

後に戦争へ行って帰ってこない夫を探し回るシーンは、切なかったです。

それだけでなく、あまりにも美しかった。

若い頃の彼女が、やがて年齢を重ね、夫をウクライナの地まで訪ねていくのです。

狂ったようにひまわり畑を歩く彼女の姿は、戦争の悲惨さそのものです。

メッセージを声高に訴えていないだけに、かえって心に沁みてくるのです。

こんなに広い畑にひまわりを植えるんだというのが、その時の率直な感想でした。

それから10年ほどして、ヨーロッパを旅した時、車窓からはじめて本物のひまわり畑をみました。

きれいでしたね。

これがヨーロッパなんだなと感じたことを今でもはっきり覚えています。

大きな花が太陽の方向に向かって花を広げている風景は、壮観そのものでした。

この映画のストーリーは、それほど難しいものではありません。

だれが見てもすぐに理解できます。

戦争に行く夫を送り出す妻の気持ちは、全く同じに違いありません。

ただ無事を祈るだけです。

そのことが悲しいですね。

夫の足跡

終戦後、夫が戦場から戻ってこない時、もう待ってはいられずに探したくなる気持ちもよくわかります。

年老いた彼女はなりふり構わずに、旧ソ連に向かうのです。

そして、ひまわり畑の向こうに見たものは何だったのか。

若い女性と楽しそうに暮らしている夫の姿でした。

リュドミラ・サベリーエワという女優の名前を知っていますか。

ソ連を代表する俳優です。

この映画の数年前に『戦争と平和』の主役ナターシャを演じました。

ぼくは偶然この映画も見ていたのです。

確か、学校の映画鑑賞で見た記憶があります。

非常に清楚で美しい人でした。

その彼女が、子供をあやしながら、かつての夫と楽しそうに暮らしている様子を彼女は垣間見てしまったのです。

この状況をみたら、もう何も言えないでしょう。

似たようなことは日本にもたくさんありました。

兄が戦死したと思い、仕方なく弟と結婚させられたケースもたくさんあります。

そこへ死んだはずの兄が戻ってくるなどという悲劇もありました。

森本薫の名作『女の一生』もまさにそうしたものの1つです。

あるいは幼い子供を連れて再婚した人も数多いです。

戦争は当たり前の人々の暮らしを一変させてしまいます。

そんなつもりはなかったといっても、それは詭弁に過ぎません。

名画座を中心に

当時のソ連は、自国で活躍している人気女優まで参加させて映画を撮ったんですね。

東西冷戦当時にヨーロッパの国がソ連で映画を撮影をすることは珍しいことでした。

なぜソ連は積極的に撮影に協力したのか。

その政治的な背景を考えるだけでも興味深いものがあります。

この映画の成功には俳優だけでなく、音楽も大きく貢献しています。

ヘンリー・マンシーニの名曲は今でもよく耳にしますね。

もう定番の曲目のようです。

最初の音の入り方が独特で、悲しみをこらえながら、次第に気持ちを高めていく役割を果たしています。

『ティファニーで朝食を』の中で歌われる「ムーン・リバー」と並び称されるでしょう。

しかしこのテーマの基本はやはり戦争です。

特に今年に入ってからウクライナへの侵攻が本格化して以来、この映画を上映する機運が高まっています。

東京では新宿武蔵野館が3月の末から5月末まで。

その他、あちこちの名画座が5月に入ってから熱心に取り組んでいます。

さらに多くのの自治体が上映会を催しています。

この流れは日本中に広まっているのです。

ウクライナから日本にやってきた人たちも既に1000人を超えました。

彼らを支援するために行政も動いています。

これだけの名画でも、オリジナルのフィルムが既になくなっているとか。

ポジフィルムから最新技術で再現したと聞きました。

いい映画はやはり多くの人に見てもらいたいですね。

監督のヴットリオ・デシーカはこんな風な形で再上映を望んだワケではないでしょう。

しかしそれが現実のものになってしまいました。

悲しいことです。

戦争を憎む

多くの人に見てもらいたいと思います。

よくある話だと受け止めることも可能です。

あるいは男女の愛情をアッという間に壊してしまう戦争を憎むこともできます。

人間はどうして戦うのか。

歴史はいつも戦争に彩られています。

特に西側と東側にはさまれた国々は、いつも戦争の惨禍に晒されています。

どうしようもないことなのかどうか。

いろいろなことを考えながら、ぜひ鑑賞してください。

素直な気持ちで見ればみるほど、人間の愚かさに気づくはずです。

ウクライナの難民の人たちに、この映画を見てくださいとはとてもいえません。

それくらい、現実はもっと厳しいのです。

戦争犯罪という言葉があります。

今後も裁判が続くでしょう。

ジェノサイドとして裁くことが可能なのかどうか。

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それも含めて、人道支援の輪が広がればいいと心から思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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