仕事探しのヒント
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回は転職の話をします。
ぼくが最初に勤めたのは出版社でした。
本を読むのが好きだったのです。
しかし本を読んでいるだけでは仕事になりません。
その裏側には当然書くという行為があります。
ただ本が好きというのは名詞の世界です。
そこをもう一歩進めると、書きたいという思いがありました。
自分の文章が活字になることの醍醐味は、学生時代から味わっていました。
ある雑誌の編集長と知り合いになれたからです。
好意から、小説のようなものを載せてくれたのです。
本当に嬉しかったですね。
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その後、連載もさせてもらいました。
ところで、活字が好きというのはただたんに名詞の世界です。
もちろん、活字のフォントを作るのが好きというのであれば、別の話です。
レタリングをやりたいというのも1つの仕事です。
さらに文字を書くのが好きだとなると、確実に動詞の世界に昇格します。
名詞の世界だけでは暮らしていけません。
本が好きといっても、その周囲には驚くほどたくさんの仕事があるのです。
取材する、書く、校正する、刷る、装丁する、製本する、営業する。
さらにいえば、広告を作ったり、レイアウトを考えたりという仕事もあります。
とんでもない種類の数の作業が周囲に点在しているのです。
しかしその時はまだ十分に認識していませんでした。
当時はとにかく書くのが好き。
その一点張りでしたね。
動詞の威力
書きたいという気持ちを前面に出して、就職戦線に立ち向かいました。
厳しかったです。
高倍率でしたね。
コネもなんにもありませんでした。
新聞の求人広告に応募したのです。
倍率は50倍でした。
今考えても、よく採用してくれたと思います。
最初の仕事ですからとにかく無手勝流です。
ただ書きたいという気持ちが先行していました。
実際に仕事をしてみると、書くという作業の前にたくさんの人とのコミュニケーションが必要であることを知りました。
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取材活動の前に、人との信頼関係をつくることが大切だったのです。
それでも一生この仕事をしていこうと思いました。
書くのが楽しかったからです。
幸い、いい先輩に囲まれて、楽しかったです。
イヤだと感じることはありませんでした。
毎日が発見の連続でした。
それまで勉強したこともないマーケティングの本もかなり読みました。
インタビューもしました。
その間に考えたことは、もっと他にもやりたいことがあるという直感だったのです。
勉強したい
半年ほどたった頃、もっと勉強したいと思うようになりました。
文学への愛着が以前よりも強くなっていたのです。
と同時に、教えることもしてみたくなりました。
もともと、人と話すことは嫌いではなかったのです。
仕事は名詞ではなく動詞で探した方がいいというのはまさに、このことです。
勉強ができて、人に教えるという動詞の組み合わせです。
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この2つが同時に可能な仕事として、教職が目の前に浮かびました。
とにかく仕事をしながら、教員免許をとろうと思ったのです。
教職教養は少しだけ単位をとっていました。
ただし専門科目に関するものは何も学んでいません。
通信制の大学に聴講生として入学しました。
ものすごい量の教科書が届いた時はさすがに驚きましたね。
これを全てやり終えるのです。
それからは編集記者をやりながらの勉強でした。
しかし少しも苦痛ではありませんでした。
レポートをある程度出すと、試験を受ける権利が生まれます。
それをコツコツと積みかさねていきました。
職業を選ぶというのは本当に難しいものだと感じます。
本当に就職してみないと、仕事の内情というのはわかりません。
ぼくの場合、1番驚いたのは印刷工場へ行って最後の校正をする仕事でした。
いわゆる出張校正と呼ばれるものです。
足りない原稿はその場で書きます。
深夜までかかるのです。
その後、工場の人と、麻雀をしたりもしました。
タクシーチケットで明け方、家に帰るのです。
どこか違うという感覚
「労働政策研究・研修機構」という機関があります。
耳にしたことがありますか。
そこの調査によると、日本にある職種の数は約1万7000種類なのだとか。
その中から、自分にあった職業を見つけ出すのは大変なことです。
自己分析をして、これだと思っても、まだわかっていない部分が多いのです。
ぼく自身は「動詞で仕事を探した」つもりです。
それでも想像と違うことがたくさんありました。
人間関係もそうですね。
そこで必要な作業は過去を振り返ることです。
自分が1番好きなのは何だったのかということです。
必ずこの作業は動詞で探してください。
そうすれば自分にあった仕事がみつけやすくなります。
具体的にやりたいことや人生の目的を重ねるのもいいでしょう。
学生時代、幼少期に自分が夢中になっていたことは何か。
そのひとつがぼくの場合は読書でした。
好きな本を誰にも邪魔されずに読める。
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それが教職に就けば、次の授業に生かせるのです。
自分の時間をどのように使っても、自由です。
知的好奇心を追求できる時間もある程度とれます。
いくつものファクターを並べてみて、高校教師の職に就きました。
出版社に勤めたのは結局1年半でした。
退社した翌日から、すぐに教育実習が始まりました。
翌年には都立高校へ就職したのです。
何が好きかではなく、その好きなものをどうしたいのか。
ひたすら動詞を探してください。
それが転職への最大のヒントです。
今、キャリアをかえることが得策であるのかどうか。
戦略をきちんと立ててください。
この方法はあらゆる場面に役立ちます。
本当に好きなことなら辛いことがあっても、続けられるものです。
動詞を前面にさぐりあててください。
同じ業種の中にも驚くほど、いろいろな種類の仕事があります。
それを探りあててください。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。