【全国初・公立小中高一貫校誕生】立川国際はどう変貌するのか

学び

公立小中高一貫校誕生

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

都の教育委員会は次々と新しい施策を発表していますね。

ぼんやりしていると時代に乗り遅れてしまいそうです。

2022年4月から立川市に小学校を新設するのです。

この小学校は35人2クラス制です。

6年後には420人規模に成長するのでしょう。

既に入学する児童の選抜は終わっています。

何が新しいのかといえば、既にある立川国際中等教育学校に繋がる小学校になるのです。

つまりこの小学校に入学した児童は6年後にはこの立川国際に入学することが決まっています。

都は1989年、駒場に国際高校を設立しました。

海外から戻ってくる現地校と日本人学校の生徒と在京外国人。

さらに国内での入試に合格した生徒を同じ坩堝の中で教育するという斬新な考え方を取り入れたのです。

互いの文化の多様性から新たな方向を切り開き、グローバル社会で活躍する人材を発掘するというのが設立主旨でした。

国際バカロレア(IB)の大学入学資格が得られるディプロマプログラム(DP)認定校でもあります。

都の進学指導特別推進校にも指定されているのです。

幸い、この学校は大変な成功を収めました。

全国から多くの視察団がつねに訪れています。

この結果を見て、都は第2国際高校を計画しました。

それが立川中等国際教育学校なのです。

近年の流れにあわせて、中高一貫校にしました。

保護者の期待に応えて、生徒も順調に学業を続けています。

大学進学実績もすばらしいものです。

新国際高校

都はこの成功に気をよくして次の国際高校も予定しています。

港区白金に予定されている新国際高校(仮称)がそれです。

最寄り駅から徒歩2分の旧東京都職員白金住宅地(港区)に、単位制の国際教養学科を設ける心づもりのようです。

1学年6学級(240人)という国際高校と同規模の学校が設立される計画です。

しかし開校がいつになるのか、現在のところは未定です。

2020年代半ば以降となりそうなのです。

そこでそれに先んじて計画されたのが、今回の小学校新設でした。

今まで構想だけはあったものの、どこにそれを設置するのかというのは、決まっていなかったのです。

しかし「東京グローバル10」という海外大学等進学への道筋とあわせて、立川国際に繋ぎ合わせることになりました。

時代はまさにグローバルな段階に達しています。

SDGsの解決などをふくめて、地球規模でものを考えられる人材が必要になっているのです。

そのためにはまず語学の習得が大切です。

そこで進路選択の可能性を広げることを目指した都立10校のうちにある同校に、白羽の矢がたったというワケです。

ちなみにどのような高校が指定されているのでしょうか。

都立日比谷高校、都立深川高校、都立西高校、都立国際高校、都立飛鳥高校

都立千早高校、都立小平高校、都立小石川中等教育学校、都立三鷹中等教育学校

都立立川国際中等教育学校です。

海外大学等進学の進路選択の可能性を広げるための情報発信を行うとしています。

今後、受験情報を他の学校以上に協力に推し進めるようです。

都が目指している新しい方向にうまく合致しました。

その一環として、小学校の児童のうちから、外国を強くイメージした授業を行うことをメインにしたのです。

12年間の教育

当然、この学校新設のニュースは保護者にとっても関心をひいたことでしょう。

立川は多摩地域の中核都市です。

中央線だけでなく、多摩地域からもモノレールなどでアクセスできます。

非常に通学しやすいエリアであることに間違いはありません。

いわゆる「お受験」をイメージしている人にとって恰好のターゲットになったのは十分に想像がつきます。

当然、学校説明会にも多くの保護者が集まりました。

どのような教育をメインにして実施するのか。

校舎の設備はもちろん、校庭をふくめて、内外の環境はどのようなものなのか。

教員の配置からカリキュラムまで、あらゆる質問がとびかったようです。

私立の受験と公立まの受験では自ずと形が異なるでしょう。

そうした細かなところにまで、質問が寄せられました。

さらにいえば、募集対象の年齢以前の子どもを持つ親にとっても関心の的だったのです。

学費の問題も当然あります。

公立ですから、基本的に小中は全て無料です。

通学費用や給食費は必要ですが、極端なことをいえば、塾代を他のお稽古ごとに振り返ることもできます。

あるいは意中の塾へ通わせることも当然可能でしょう。

このあたりは本音が垣間見えるところです。

具体的にこの小学校はどのような授業を展開していくのでしょうか。

校長には国際高校の前副校長が就任するそうです。

手厚いバックアップがあると考えられますね。

当然、他の公立の小中学校よりも英語を中心とした外国語学習の時間が多いのです。

小中の9年間で通常より、約1000時間以上学ぶという点に端的に表れています。

言語能力

都が考えている基本はPISAにも通用する論理的な概念を構築できる生徒です。

高い言語能力を持ち、多様性のある社会の中で生き抜ける人材です。

当然そのための授業が行われます。

よく言われるインタラクティブな学びです。

先生が一方的に指導するというのではありません。

児童生徒が自発的に問題を探り当て、さらにそれに対する解決策を探していくのです。

そのためにICTの設備も完備していなくてはなりません。

それを背後で支えるのが「語学力とそれを支える言語能力」です。

小1から英語が教科として週4コマ設定されているのです。

一般的な公立の小学校では、小3・小4で外国語活動、小5・小6で教科として英語を学びます。

しかし立川の小学校課程ではその約4倍の時間数が英語に充てられています。

当然のことながらテキストも都で作らなければなりません。

相当な配慮がなされているということがこれだけでもよくわかるのではないでしょうか。

期待度が高い所以です。

さらに中学に入ると、第二外国語の設定もなされます。

一般的な中学校の約2倍の授業時間が外国語の授業に設定されるのです。

さらには学校行事にも工夫がなされています。

小学校の段階から「TOKYO GLOBAL GATEWAY」(江東区青海)を訪れることも想定されています。

ここでは英語で学習をするというスタイルが貫かれているのです。

さらに小6で海外姉妹校訪問、高校段階では海外研修旅行も予定されています。

コスパを考えたら、保護者の多くが入学の可能性を探りたいと考えても不思議ではありません。

途中から生徒を募集する可能性を含めて、問題点はこれから探っていくことになるでしょう。

全く同じ生徒だけで12年間を過ごすという選択肢にはならないようです。

問題は毎日の通学ですね。

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新しい選択肢が増えたということは、それだけで十分検討の対象になることと思います。

詳細は同校のHPをご覧ください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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