【チャレンジスクール】不登校や長欠の生徒も適性を生かせる高校

学び

チャレンジスクール

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回はいつもと全く違うテーマを取り扱います。

こういう内容の記事を書くのははじめてです。

東京都は現在、チャレンジスクールを5校設置しています。

令和7年には立川地区にさらに1校が新設される予定です。

あなたはチャレンジスクールという名前を御存知ですか。

その特徴はいくつかに分かれます。

基本は4年間で卒業するシステムの高校です。

しかし少し多めに単位をとれば3年間でも卒業できるのです。

基本的な学習をていねいに小人数で行うことで、基礎教育に特化した学びができます。

学力検査や調査書によらない入試というのが、今の時代に必要だと考えた結果です。

かつて都立高校にあった3部制をとっています。

午前、午後、夜間のどれかをメインに選んで入学するのです。

わかりやすく言えば、昼夜間の定時制、総合制、単位制ともいえます。

専門的な学習もしやすいように細かい選択科目を配置しています。

いわゆる普通科の高校でもなく、実業系でもありません。

総合科と考えてください。

学校選びが最近は難しくなっています。

これは東京に学校があまりにも多いのが理由の1つでしょう。

私立高校を受験する生徒に対して、授業料相当分を援助するシステムが今では完全に定着しました。

そのために工業、商業などへの志願者も減少しています。

普通科志向

普通科志向が圧倒的に強く前面に出ているのです。

私学は助成金の支給が保護者や生徒のニーズにあったことを熟知しています。

生徒募集にも勢いがありますね。

授業の指導などでも特性を出す努力を続けています。

この補助金の存在がボディブローのように都立高校の実力の差をあぶりだしました。

不人気校と人気校の差が歴然としてきたのです。

ここ数年、その流れはより顕著になっています。

都立高の中で普通科の枠に入りながら、総合科的要素のあるチャレンジスクールなどへの志望者がこれからどうなるのか。

注目していかなければなりません。

当初の頃より志願者は明らかに減っています。

通信制高校の台頭なども理由の1つに考えられますね。

以前より学校数も増えています。

登校の義務がなくなり、自由な学びができると好評な学校も出現しているのです。

やはり4年間、通学するのは避けたいという考えもあるのでしょう。

都の教育委員会も検討を続けた結果、チャレンジスクールを生み出したというのが実情に近いのかもしれません。

これらの学校は出願に際して調査書が不必要なのです。

したがって中学校を終えれば、誰でも出願できます。

当たり前のことですが、中学校までは義務教育です。

一定の年齢に達すれば、誰でも卒業が認定されます。

入試は志願書、面接、作文のみです。

他には何もありません。

中学校時代の成績を問われることがないのです。

調査書が不必要ですから、ある意味、書くこと、話すことがきちんとできれば入学が可能なのです。

志願者がやや低迷

チャレンジ校は開校当初は人気もあり、倍率も高くなりました。

しかしここ数年はやや低迷しています。

理由はさきほど述べた通りです。

総合科の難しさもあるでしょう。

高校で何をしたいのかがはっきりしていないと、科目を選ぶのに苦労するのです。

都立高校にはもう1つエンカレッジスクールというのがあります。

チャレンジスクールと同じような考え方の高校です。

現在、6校あります。

授業の形態も個人が次々と問題を自分の進度にあわせて解いていくという形です。

担任の指導も2人態勢で手厚いです。

学力が今一歩の場合はエンカレッジスクールに向いているかもしれません。

しかし中学時代に不登校などを経験しているケースでは、卒業まで辿り着くのは容易なことではありません。

全ては本人の確固たる意志がなければ難しいでしょうね。

担当の先生がいくらていねいに教えてくれても、それを先に伸ばそうという意志がなければ、学業の継続は難しいです。

近年は定時制高校が次々と閉校しています。

立川地区にチャレンジスクールを作るのも、現在ある立川高校の定時制を廃止するのが決定しているからです。

各地区にほんのわずかの定時制を残して、あとは全てなくなっていきます。

中高一貫や小中校一貫の学校などもでき、その構造は複雑です。

私立高校との三つ巴になっています。

今後の成り行きがますます注目されますね。

世田谷泉高校の入試問題

それではチャレンジスクールとして開校された世田谷泉高校の過去問を紹介します。

ぜひ、自分で解いてみてください。

問題の傾向は毎年それほどかわっていません。

きちんと練習さえしておけば十分入学は可能です。

平成31年度

課題 次の「ことば」を読んで、問いに答えなさい。

1番難しいのは行動しようと腹をくくること。あとはただ粘り強さの問題だ。

この「ことば」を踏まえ、次の3点についてあなたが考えたことを600字程度で具体的に説明しなさい。

① これまでの体験を踏まえた高校生活の課題
② 世田谷泉高校の特色を活用して取り組みたいこと
③ 将来の目標や進路希望

令和2年度

課題 次の「ことば」を読んで、問いに答えなさい。

前方に道が見えたら、じっと眺めているのではなく歩き出そう。

この「ことば」を踏まえ、次の2点についてあなたが考えたことを600字程度で具体的に説明しなさい。

① これまでの体験と、世田谷泉高校の特色を踏まえた上で高校生活で取り組みたいこと。
② 将来の目標や進路希望

令和3年度

課題 次の「ことば」を読んで、問いに答えなさい。

「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。

この「ことば」を踏まえ、次の2点についてあなたが考えたことを600字程度で具体的に説明しなさい。

① これまでの体験と世田谷泉高校の特色を踏まえた上で高校生活で取り組みたいこと。
② 将来の目標や進路希望

ここ3年間の問題を見てどのような印象を持ちましたか。

問いの仕方は全く同じです。

ポイントは課題文が違うということだけです。

共通しているのは全てにわたって「実行」「実践」することの意義を語っていることです。

つまり高校に入学して今までやろうとしてできなかったことを、新たな気持ちで進めてもらいたいという希望のあらわれでしょう。

自分自身の過去、現在、未来を冷静に分析し書けば十分に通用する内容です。

ことさらに美辞麗句で修飾を重ねる必要はありません。

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自分が何を高校で何を学び、それを将来にどう生かしたいのかがわかっていれば書ききれると思います。

今回は少し違う角度からチャレンジスクールを扱ってみました。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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