負の遺産
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回はSDGsに対する基本的な考え方について論じます。
目標年は2030年です。
しかしあたりまえのことですが、そこで終わりではないのです。
SDGsは官民、営利、非営利を問わず今や全世界的なテーマです。
2030年が具体的な期限として設定されていますが、それはあくまでも仮の目標に過ぎません。
しかし多くの人はそこで一段落するのではないかという気持ちを持っているのではないでしょうか。
考えようによっては今日問題になっていることがらの多くは全て過去の負の遺産です。
資本主義が広がって500年。
さらに産業革命がおこり250年が過ぎようとしています。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2020/12/undraw_Segmentation_re_gduq.png)
確かに目標は2030年に1度終結します。
よく考えてみてください。
500年の結果をわずかな時間で回復するなどということは夢物語なのです。
絶対に不可能です。
特にコロナが蔓延して以来、その達成へのメドは遠くへ去ってしまったといっても過言ではありません。
つまり賞味期限のない目標をずっと目の前に並べたまま、私たちは走り出しているワケです。
全ての難題が一挙に解決するなどということは考えられないのです。
この認識を基本的に持つことが1番大切です。
現在のSDGsはともするとトレンドの1つになる危険性をも持っています。
「サスティナブル」という表現を使えば、それだけで広告や宣伝の言葉になるという考え方ではとてもこの難しいテーマを解決することはできないでしょう。
難しいテーマ
小論文においてもそれは同じです。
17の目標のどれを扱うにせよ、その内容に対する基本的な知識もないままに、テーマを振りかざすと、とんでもなく無意味なものになる怖れがあるのです。
目標をかかげながら、そこまでの行動様式をイメージできない場合、机の上で言葉をもてあそんだという印象しか残りません。
SDGsにはこれが最適だという方法がないのです。
それだけに自分の見聞や経験を上手に文章にもりこめば、最強の小論文になる可能性があります。
元より個人の力には限界があるでしょう。
それだからこそ、1つの組織や単位を見る目にも真剣さがなくてはなりません。
口先だけで実行が伴わないのを冷静な目で見て取るという力も必要です。
基本は具体的な行動の1つだけをすればよいという考え方を捨てることです。
17の目標は全て有機的な関連性を持っています。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2021/10/polar-bear-5906016__480.jpg)
それだけに行動の実践にも相互の関連性が必要になるのです。
その複雑な内容のすべてをわずかな受験の期間に学ぶのは無理です。
自分がもっとも関心を持つテーマをチェックし、そこに特化するという方法もあるでしょう。
当然のこととして、飢餓、貧困の撲滅も1つの大きな目標になります。
環境問題の中で地球温暖化をテーマとして選ぶだけで、その周辺にたくさんの事実があることを知ることができます。
その結果、誰1人も取り残さないという現実との接点を知るのです。
この方法ならばここまでいく。
しかしこれでは多数の人が取り残される。
としたら、その次に打つべき手はなんであるのか。
順番に1つ1つのプロセスを考えていくのが最もいい方法でしょう。
行動の可能性
何もしないのではなく、何かをすることで世界がどのように動くのかを、冷静に考えていくことです。
その気持ちが文章の端々から感じられれば、多くの読者の心を動かすことができます。
難しい言葉を使って論理的にまとめればいいと考えている受験生が多いかもしれません。
しかしそれは表層的な発想に過ぎません。
より深く採点者の心に訴えるにはどうしたらいいのか。
自分の失敗談が含まれていてもかまわないのです。
制限字数の条件の中で、何を書けば最も効果的な文章になるのか。
新しい視点を提供できるのか。
それをじっくりと考えてください。
しかし言うのは簡単だけれど、現実にタテマエが先行してしまうという意見も当然あるでしょう。
特にこうした難しい問題は簡単に論じることはできません。
よりホンネで攻めていくという姿勢が必要でしょうね。
試験場を出たら後は知らないという態度では、言葉に熱がこもりません。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2021/10/warming-5404875__480.jpg)
言葉は生きています。
強い言葉ではなくても相手の心を打つことはできます。
むしろその方が小論文のワクを超えて評価されることが多いです。
よくあるのが失敗を乗り越えてここまでになったという物語です。
これも1つの方法ですね。
あるのは共感です。
ともすれば、そうした内容を無理にでも捏造してしまう受験生がいるかもしれません。
それは無駄です。
人間の感性は真実とウソを見破る力を持っています。
文章を読み終わった後、よかったと感じてくれる小論文を書きましょう。
合格した後も
もちろん目の前の合格が目標であることに間違いはありません。
しかしあなたの人生はその後も続くのです。
そのための一歩だと考えれば、今の勉強も苦しくはないと考えられます。
まずSDGsの目標を全て読み込んでください。
ぼくのサイトにも解説があります。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2021/10/fire-4505349__480.jpg)
最後にリンクを貼っておきます。
必ず読んでください。
その中でどれが1番自分にピッタリくるのか。
それがあなたの現在の関心事なのです。
そこからアタックしましょう。
そうすれば必ず道が開けます。
さらに時間があったら、その目標に付属するいくつものターゲットについても学んでください。
ほぼ世界の問題が網羅されています。
そしてどれもいまだに解決していません。
どこから手をつけるのが最も効果的なのか。
グラミン銀行などの設立に努力したバングラデシュの経済学者、ムハマド・ユヌスを知っていますか。
彼の実践したことの意味からSDGsの問題を解決していくための糸口を探ることも可能です。
あらゆる角度から学んでください。
それを文章にすることです。
今回も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/07/s256_f_object_29_0bg-160x90.png)
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/10/f_f_health_24_s256_f_health_24_0bg-160x90.png)