文を書くのは難しい
みなさん、こんにちは。
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回はどうしたら文章が書けるようになるのかを考えましょう。
それでなくても文を書くのは大変なことです。
喋るだけならなんとかなります。
少しぐらい間違えたって、一瞬のことです。
次々と話が先に進んでいきます。
しかし文章は残りますからね。
これが1番厄介です。
文法が間違っていたりすると、後で指摘されることにもなります。
元々、文を書くということは大変なことなんです。
それをまず頭に刻んでおきましょう。
だからいつもはあんまり書きたくない。
それが普通です。
しかし試験となればそんなことも言ってられません。
だいたい書くことを仕事にしているワけではないのです。
どうしても文章を書かざるを得なくてやっているんです。
そんなにうまくできたら、なんの苦労もしません。
ではどうればいいのか。
とにかくつらくないように進んでいくしかありません。
ハードルを下げるのです。
何も特別なことをやってるワケじゃないというスタンスをとりましょう。
通常、新しいことを覚える時はどうしますか。
先生につきますよね。
テンプレート優先
唐突ですが舞妓さんはどんなお稽古をするか知ってますか。
踊り、三味線、お茶、お花…。
みんな先生がいて、舞妓さんのための学校に教えに来てくれます。
祇園にありますね。
それぞれの先生は最初にまず型を教えるのです。
踊りだったら、まず歩き方。
少しお尻をさげて歩くのがすごく難しいのです。
お尻のことを京都では「おいど」と言います。
おいどをもう少し下げてなどと言われながら、ひたすら歩く稽古をするのです。
そのうちに腰がふらつかなくなります。
小論文もこれと同じ。
難しくいえば「テンプレート」の習得ですね。
このパターン学習というのは、どんな人にも有効です。
自由に書きなさいと言われると、全くダメな人でも、テンプレート型のワザを覚えればそれほどに苦しくはありません。
最初、少しだけ時間がかかります。
それだけは覚悟してください。
しかし書くことを専門にしているプロではないのですから、焦る必要はありません。
練習を繰り返していると次第に文章らしくなっていきます。
あれもこれも同時にやろうとしてはダメ。
やはりメモやチャートを書きながら、自分の考えをまとめていく必要があります。
名前をつけるとすればクラウド式ですかね。
なんとなくモヤモヤしたものを、形にしてみるのです。
言葉でも絵でもなんでもいいです。
まず目に見えるようにすることが大切です。
この段階で、自分が言いたいことのエッセンスが見えてきます。
クラウドに呟く
ツイッターをご存知ですね。
やっている方も多いことでしょう。
あれはほんとのわずかな文字数の中に自分の言いたいことを呟く作業です。
最初はあの感覚です。
まず呟いてみましょう。
ツイッターは日本語だったら140字が最高です。
この数字はほんの僅かですが、400字詰め原稿用紙にすると3行半です。
初心者は短文にしなさいとぼくはいつも言っています。
できたら2行80字以内にしろと指導しているのです。
140字で1つの文章だったら、もうかなりのものです。
あとはそれを続けて呟けばいいのです。
難しく考えちゃダメ。
小さなグループにして、クラウド状態の世界の中にしまう。
このイメージがわかりますか。
あとはテンプレートを使えばいいのです。
基本は序論、本論、結論です。
問題にあたる対立、矛盾を探してそれに対する解決法を考えます。
その理由を示します。
きちんと根拠を提示するのです。
解決への糸口を
嘘だと思ったら、ここにある順番でテーマを掘り下げてみてください。
最初のクラウド式のところが大切ですよ。
自分の頭の中に浮かぶイメージをことごとく可視化するのです。
見えると何か書きたくなります。
そこに構造が見えてくるからです。
問題の矛盾点もみえます。
筆者が言わなかったことにまで視野がひろがるのです。
そうしたらもうこちらのもの。
あとはひたすら解決への糸口を探していくのです。
ここが1番分析力の差がでるところですね。
採点者はこの部分を中心にみます。
そこがうまくクリアできれば、もうしめたものです。
結論までまっしぐら。
最初の段階で何も出てこない時、おしゃべりをしましょう。
自分の頭の中で、呟き続けるのです。
2人の人物を想定し、それぞれがやり取りをするように言葉を重ねていくのです。
そうすると、必ずそこは違うとか、自分ならこう思うという論点が仄かにみえてきます。
その僅かな違いに着目していけば、実りのある文章がかけるはずです。
どうしても文が書きにくいという人は、ツイッターの呟きでかまいません。
それを積み重ねる訓練をしてください。
そうすると、必ず言いたいことがでてきます。
自然に後は文章が続くのです。
書くことがあまり苦にはならなくなります。
試してみてください。
書けるという感じを掴めれば最高です。
そのためにハードルを下げましょう。
個性が発揮できるようになるまでには練習が大切です。
めげずに勉強を続けてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました。