【小論文】課題文の意味がどうしても読み取れない時の処方箋はコレ

学び

課題文の意味

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は実際、試験に臨んだ時のとまどいについて考えます。

小論文を書こうとして1番困るのは、課題文の意味が読み取れない場合です。

そんなことが現実にあるのでしょうか。

断言しておきます。

確実にあるのです。

模擬試験を何度か受けた人なら、実感をもって「あります」と答えられるはずです。

どのようなテーマにでも、すぐに取りかかれる人は、それほど多くありません。

時間の制限がある中で文章を書ききらなければならないというのは、想像以上のプレッシャーです。

課題文が難しくて読み取れない時にはどうしたらいいのか。

様々にジャンルの問題に関心を持ち、ある程度理解していれば、なんとか解決の方法はあるでしょう。

しかし最近はよく練られた設問が多いです。

逆にいえば、大変に難しいのです。

このサイトでもお勧めしている『新小論文ノート」(代ゼミ編)を一読してもらえば、それがよくわかるはずです。

全く聞いたことのない表現なども出てきます。

今年の慶応大学SFCで出題された「トレードオフ」に関する長文などは、大変複雑な内容の問題でした。

経済学の基礎をある程度知らないと、解けないかもしれません。

毎年の新しい入試問題を必ずチェックしていますが、どのように答えたらいいのか、途方にくれてしまう設問もかなりあります。

内容が自分の実力に比べて高度な場合は本当にお手上げになります。

テーマ型は減少傾向

特に人文系の学部を受験する生徒の場合、社会科学的な内容のグラフ読み取りなどとからめた問題が出ると苦しくなります。

「あなたが学習を続けていくうえで最も大切にしたいものとは何か」といったようなテーマ型の小論文は極めて少なくなりました。

国語の読解力を同時に試したいという大学側の思いが、問題に反映しているのです。

課題文が読み取れない時はどうしたらいいのでしょうか。

なんとかして内容を整理し、最初の問題提起までもっていかなければなりません。

そこから小論文が始まるといってもいいのです。

ポイントは何かということを、短い時間で読み取らなければなりません。

この場合、1番大切なのはキーワードです。

その文章の中に何度も出てくる表現はなんでしょうか。

キーワードを探すとき、例示の部分は省いて大丈夫です。

これは理解を先に進めるために用意されたものです。

気にすることはありません。

大切なのは抽象論の中で何度も使われる表現です。

小論文の課題文は二項対立で描かれたものが多いです。

いくつかの言葉が対立して使われているケースが圧倒的なのです。

肯定的な表現と、否定的な表現が交互に出てくる場合もあります。

最初に文章を読んだとき、なぜこうした構成になっているのかを読み解いてください。

小論文の課題は、一般的に世間で通用している思考パターンを、最初に示すケースが圧倒的です。

その後、しかし私はそうは思わないと自分の論点を述べる構造になっています。

「なぜなら~だからだ」という図式なのです。

逆にいえば、対立する構図さえ、読み取れれば、ある程度自分の知らない内容であっても、文脈から類推することが可能になります。

マークをして探せ

1番わかりやすい方法は、肯定的なポイントを最初に○で囲むことです。

次にその反対の視点を△でマークするのです。

どちらの数が多いか、すぐに目に見えるはずです。

筆者はどの路線で進もうとしていますか。

基本的に、世間がよくいう一般論に対して、反論しているパターンが多いです。

そうでなければ、新機軸が打ち出せないからです。

としたら、そこがねらい目ですね。

筆者は何に反対しているのか。

それだけを考えましょう。

いくつもの視点から文章を書く必要はありません。

その論点だけに集中すれば、それほど大きくはずすということはないのです。

それでもダメな時はどうすればいいのでしょう。

何の考えも浮かばない時があるものです。

こういう時が1番苦しいですね。

緊張します。

脂汗が出てきます。

時間が限られているからです。

やっとのことでキーワードらしきものににたどりついたとしましょう。

それでも内容がよく理解できない時もあります。

そこにあるのは新しい言葉ばかり。

あなたの知っている世界の外にある表現ばかりです。

自分の知っている世界とかけ離れていると感じることもあるでしょう。

けっしてないワケではありません。

ここで希望を1つだけ言わせてもらえるなら、もっと学んでおいてほしかったということだけです。

新聞とネットの利用

新聞やネットを読み、最新のニュースに常に触れることが大切です。

さらにわからない内容は、すぐにネットで調べておきます。

そうした日常の作業がどうしても必要になるのです。

小論文を書くということは、まさに学習への積極的な態度をどの程度持っているのかということを判断してもらうことと同義なのです。

課題文の内容が全く見えない時、最終的にはどうしたらいいのか。

何も書かないのは論外です。

なんの評価もされません。

不合格へ一直線です。

それならば、自分の知っている知識で、もっともその課題文に近い、キーワードを散りばめた文を書きましょう。

ただし筆者の文を追いかけないことです。

これは何も書かないのと同じです。

筆者の論点を繰り返されても、迷惑なだけです。

採点者は課題文を細かく読み込んで、どの視点からまとめた文章が最も評価を高くできるのかをあらかじめチェックしています。

だからこそ、同じことを書かれるのは大変迷惑なのです。

それならばいっそ、内容に説明を加えるというやり方を試みたらどうでしょうか。

geralt / Pixabay

少しでも新鮮な視点を加えたという態度が見えれば、悪い印象にはならないです。

言い方は悪いですが、ここまで来てしまったら、もう覚悟を決めてください。

どんな文章でも採点者は読んでくれます。

自分がひっかかったポイントを、深く書き込むという手もありますね。

だからといって完全に論点をはずすということはないでしょう。

少しでも肉迫できた視点があれば、必ず評価してくれるはずです。

筆者は基本的に今のままでいいという立場では書いていません。

必ず変革への意思を持っています。

それだけにその後の世界や、社会がどのように変化し、未来像がどういう姿になるかに関心があるのです。

希望や理想をある程度、自分の言葉で書くというのも1つの方法でしょう。

いずれにしても小論文を書くには、圧倒的な知識が必要です。

小論文だけで、国語の試験を課さない大学があるくらいです。

それだけで読解力をチェックすることができるからです。

甘くみてはいけません。

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あなたの持っている時間を上手に使って、文章の練習を続けてください。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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