書ける身体になる
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回は小論文のトリセツにまで入り込んでしまいます。
最終的にどうしたら上達するのかというのがテーマです。
難しいと言っているだけでは、書けるようにはなりません。
文章を書くことに、身体を慣れさせることが1番大切なのです。
どういうことかわかりますか。
小論文は公式を暗記して、それと同じ答えを書くような試験ではありません。
どこまでいってもオリジナリティがなければダメなのです。
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他の受験科目とは全く性質が違います。
自分の頭で理解したような気になっていてはNGです。
チャイムが鳴って試験が始まったら、もう小論文を書く態勢に入れなければいけないのです。
そのための身体をつくるとでもいえばいいのでしようか。
だいたいの受験科目は、知識を暗記すれば、ある程度の点数を獲得することができます。
しかし小論文にその手は使えません。
パーフェクトな形で、書き方を教えてくれる先生を探すのは大変です。
文章の間違いなどは指摘してくれる人もいるでしょう。
ところが全体の構成から、内容まできちんと指導できる先生の数はそれほど多くありません。
ある程度経験を積んだ人でないと、どこまで添削したらいいのかわからないのです。
近年、小論文を必要とする受験生は増えてきました。
しかしそれでも全体からみれば、まだまだ少ないのです。
さらに指導者自身がよほど多くの問題に触れていないと、解答が思うように書けません。
結局、自分でやらなくてはならないということになるのです。
過去問が命
そこで必要になるのが過去問です。
これこそが現在のあなたにとって、最も必要なものです。
とにかく同じ大学や高校の過去問を集めましょう。
きちんと閉じ込んで、自分のファイルを作ってください。
過去問はどこにあるのか。
最近ではネットが主流です。
それぞれ、自分の受験する学校のHPを検索してください。
過去問がPDFになっているところもあります。
ほとんど印刷が可能です。
どうしても見つからなければ、問題集や、その学校に問い合わせる方法もあります。
学校の進路担当の先生に訊いてください。
過去問を保管しているケースもあります。
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それを同じ大きさの用紙にプリントし、大切にまとめてください。
そこまでが第1段階です。
これを決められた時間と制限字数を意識しててまとめてみるのです。
10年分やると、学校の出題傾向がわかってきます。
これが非常に大切です。
無鉄砲に小論文の問題集にあたるより、ずっと有効です。
なぜそうするのか。
大学などが欲しがっている生徒の資質がわかるからです。
問題文のなかに、はっきりとそれが書いてある大学などもあります。
本学では自己研鑽のできる、未来志向の生徒を募集しているなどと示されていたりします。
正解でなくてもいいから、自分の意見をしっかり書いて欲しい、などという希望を綴ってある設問もあります。
小論文は同じ大学であっても、学部学科によって全く違うことがあります。
それだけにピンポイントで打破する方策を考えなければなりません。
一般論が通用しないのです。
明確な姿勢で
小論文は個人の感想を書くものではありません。
問題点に対する主張を示すものです。
もちろん、無鉄砲な理屈をこねてもムダです。
あくまでも理由をきちんと説明し、なぜこの方法論が結論になるのかを論理的に解説しなければなりません。
つまり読者を説得しなければならないのです。
それも感覚的にこう思うからというのではダメです。
そのためには筆者の論点を整理し、自分の進むべき方向をはっきりさせなければなりません。
しかし多くの受験生は、この作業に慣れていないのです。
なぜか。
学校では指導されたことがないからです。
国語の授業でも、基本は主人公の気持ちをどう感じたかに主眼が置かれています。
その時、どのように思ったのかという感情を中心に論点を絞り込みます。
評論文を扱う段階で、少しだけ、論点を追う作業をします。
しかしそれほどに複雑な文章を扱うワケではありません。
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なんとなくどう感じたかで、お茶を濁すことになってしまっているのです。
だからこそ、過去問が大切なのです。
どのような傾向の問題が多く出ているのかをよみとってください。
グラフや、図表が多く出ているのなら、今年も同じです。
似た傾向の問題をたくさん解いてください。
制限字数のワナ
あなたが受験する学校の問題は制限字数が何文字ですか。
縦書きですか、横書きですか。
どのような原稿用紙を使っていますか。
そこまで調べてください。
それと全く同じものを何枚もコピーしましょう。
文章には段落があります。
原稿用紙によって、どこで段落を切るのかは微妙に違ってきます。
普通の縦型400字詰めの用紙を使うところは、むしろ少ないです。
横書きの場合はかなり見た時の印象が違います。
必ず同じ型にすること。
どんなに長くても1000字です。
最近では500~800字ぐらいが多いですね
採点者も数多く読まなければならないので、あるラインで切っています。
それだけに読みやすいものにすることが大切です。
印象的な最初の導入から、結論に至るまで、読めばすぐに頭に入る文を書くことです。
それには長文は不向きです。
1つのセンテンスが80字を超えると、1度読んだだけでは理解できない複文になっていきます。
これは絶対に避けましょう。
全体の文章にあなたの主張があることと、論拠が絶対に必要です。
それがない小論文は、合格答案になりません。
段落を繋げて1つの流れをつくってください。
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これを実際にやりきるためには、練習が必要です。
1人ではなかな上手になりません。
誰かにみてもらう必要があります。
そういう人があなたの周囲にいますか。
信頼できる人をみつけられるかどうかも、大きなポイントです。
言葉を添削するだけではダメなのです。
構成から、論理まで全て見通せる人を探してください。
これこそが難問中の難問かもしれませんね。
必ずいます。
いい先生に巡り会えたら、それだけであなたは幸せなのです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。