【小論文・書き出しと結論】つねにセットで書く練習を心がける【推敲】

学び

書き出しと結論

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は初心者向けの記事です。

まだ5月です。

受験生のあなた、来年まで時間はたっぷりあるなんて考えてませんか。

とんでもありません。

小論文を中心とした推薦入試は9月から始まります。

今年の入試結果をみればわかります。

今や大学合格者数の半分はAO入試、一般推薦、指定校推薦によるものなのです。

50%という数字は重いです。

多くの受験生が内申書、エントリーカード、小論文、面接で合格しているのです。

そんなのは狡いなどと言っている場合ではありません。

11月の末頃までには決まってしまうのです。

AOや指定校推薦の願書受付ははやいところで9月から始まります。

その後にすぐ試験のあるところもあるのです。

つまり推薦入試を考えている人にとって、小論文の練習は先に伸ばせません。

とはいえ、学校の試験もありますね。

一般入試も同時に視野に入れておかなければならないのです。

時間はそれほどにはありません。

まもなく定期テストも始まります。

3年の1学期は大切ですからね。

そういう流れのなかで小論文の勉強をしていくのです。

のんびりはしていられません。

短い文から

文章のカギはまさに最初と終わりです。

小論文を最初から800字書くというのは、なかなかに苦しいです。

やったことのない人にとっては、どうまとめたらいいのかわかりません。

ただ文章を書くだけならなんとかなります。

しかし合格答案にしなくてはなりません。

体裁だけを整えてもダメなのです。

最初は短い文章から始めましょう。

書き出しだけを練習するという方法もあります。

1行20字です。

1文を何字までにしますか。

最高4行までですね。

しかしこれでは少し長すぎます。

通常は2行。

無理だったら3行までにしてください。

MorganK / Pixabay

初心者の場合は特に文章が長いと、文脈が乱れて主旨がわかりにくくなります。

長い間、添削していて最も感じることの1つです。

初心者はあれも書きたい、これも書きたいのです。

つまり1つの文の中に全部つめこもうとします。

これは最悪のパターンです。

書き出しは水先案内の役割だと考えてください。

この小論文はこちらの方向に向かって進みます、ということを宣言するのです。

最初がフラフラしていると、内容がまとまりません。

水先案内

課題文がある場合はごく短くまとめる手もあります。

たとえば、こういうタイプの書き出しはどうでしょうか。

—————————–

課題文によれば~である。

確かにそのような傾向があるかもしれない。

しかし私はむしろ~と考える。

実際、自分の経験にも~のようなものがあった。

以下にその理由を書く。

—————————–

問題提起の部分が簡単にしめされています。

どの方向に行くのかということもよくわかりますね。

これが水先案内ということの意味なのです。

自分がどの方向へ向かって進んでいきたいのかという指針を、ここで示すのです。

つまり手の中のネタを相手にさらすことで、読者を自分の方へ引っ張ります。

これが書き出しの極意なのです。

ということは課題文の内容が正確に把握できていないと、無理ですね。

書き出しがうまくできたら、結論はほぼ見えています。

あとは決められた線の上をひたすら歩いていけば、ゴールに辿り着きます。

600~800字程度の文章ではあちこちに内容が飛んではいけません。

1本だけに絞ってください。

こういう考え方もある。

もう1つはこういう論点だという書き方をすると、読んでいる人は迷ってしまいます。

たった1つの方向を愚直に進むというのが1番いいでしょう。

論点の中心

書き出しの練習をある程度つづけていくうちに、自分の方向性を示せることができるようになったらどうすればいいのか。

いよいよ内容を膨らませます。

実はこの部分を採点者は重視しています。

体験談や見聞などが、その証明に使われることもあるでしょう。

あるいはどこかの本で読んだという記憶も大切です。

いずれにしても、書き出しの内容を肉付けするのです。

ここに実力が集約されるといっても間違いはありません。

とにかく練習をしてください。

前後で字数を使っていますので、その残りを全部ここに集中します。

起承転結でいえば、「承」の部分です。

小論文では「転」はいりません。

長くなるようだったら「承」を2つに分けてもかまいません。

とにかくここに全力を傾けてください。

「理由」「根拠」の2文字を常に思い浮かべて下さいね。

この内容が入っていないかぎり、いくら名文でもダメです。

少し長めに書いてみてください。

あとでカットすればいいのです。

推敲です。

もちろん、実際の試験ではできません。

何度も練習していると、長さの感覚が身体に沁み込んできます。

最悪の場合、事実そのままでなくてもかまいません。

多少の脚色は許されます。

登場人物、時期、場所などは応用をきかせてください。

最も効果的な場面を使えばいいのです。

難解な言葉を使う必要はありません。

とにかく練習あるのみ。

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急いでください。

時間はそれほどにはありません。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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