「課題文をどう解釈して小論文にまとめるのか」字数が少ないほど難しい

小論文

600字でまとめる

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は小論文を実際に書く時の、AからZまでについて考えてみましょう。

今回の課題文は次の通りです。

わずか2行しかありません。

短いですね。

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自分がどこに向かって進んでいるかがわかっていないなら、要注意だ。結局、どこにも到着できない可能性が高い(元米大リーグの名捕手、ヨギ・ベラ)

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この文に続いての設問は次の通りです。

あなたがこの文章を読んで考えたことを600字程度でまとめなさい。

ただし自分の経験や見聞を入れること。

これが全てです。

書きやすいのか、難しいのか。

印刷された文言を読んでいると、いろいろな意味にとれます。

一種の人生論のようですね。

他にもさまざまな解釈が可能です。

それを600字にまとめて書き込めというのです。

一般的にいえることですが、制限字数が少なくなればなるほど、小論文は難しいです。

余計なものを全て切り捨てて、エッセンスだけを書かなければならないからです。

この問題にはもう1つ、条件があります。

経験と見聞がそれです。

具体的なトピックスに全く触れず、一般論だけで終えたら即アウトです。

どんなことがあってもあなたの経験を書き込まなければなりません。

この話題にふさわしい経験がなければ、見聞でもかまわないようです。

しかしできたら自分の体験が欲しいです。

どんなことでも、このテーマに合致したものはないかを探ってみる必要があります。

何を書けばいいのか

制限時間は50分です。

悩みますね。

最初にキーワードをチェックしましょう。

「自分」「出発点」「方向」「どこ」「進む」「要注意」「到着」「できない」「要注意」あたりでしょうか。

この文脈からとれる内容は、それほど多くはありません。

短く整理してしまうと、目的地を見失わないため、人生において目標や方向性を持つことは極めて重要だということです

自分の生き方を論じればいいということがわかります。

自分がなにをしたいのか。

そのためにどうするのか。

どこへ向かって進んでいきたいのか。

それを理解していないと、どこにも到着できない可能性が高いということでしょう。

この警句は、多くの人々にとって深い意味を持ち得ます。

もっとわかりやすくいえば、人生の航海において、羅針盤なしに進むことの危険性を述べています。

まず、目標を持つことの重要性について考えてみましょう。

目標は我々にとっての指針であり、日々の行動の基準となります。

具体的な目標があることで、私たちは優先順位を明確にし、時間やエネルギーを効率的に使うことができるからです

目標がなければ、日々の選択が曖昧になり、結果として努力が散漫になりがちです。

目標を設定する

明確な目標がないと、ただ時間が過ぎるだけで成長や達成感を感じられなくなるかもしれません。

これにより、モチベーションが低下し、自己実現の機会を逃してしまう可能性もあります。

方向性が定まらないと、環境や他人に流されやすくなり、自分の価値観や信念を見失う危険性もあります。

では、どのようにして自分の方向を見つけることができるのか。

その視点をきちんと示す必要があります。

600字しかありませんから、あまりいくつものトピックスに広げない方がいいでしょう。

まず自分自身をよく知ることが大切だというテーマを示すことにします。

自己分析を通じて、自分の強みや弱み、興味や価値観を理解し、それに基づいた目標を設定することが重要だと書くのです。

もちろん、目標は固定されたものではなく、人生のフェーズに応じて見直し、柔軟に対応することが求められます。

さらに、メンターや信頼できる人々からのアドバイスを受けることで、新たな視点や発見を得ることもできます。

定型的に凝り固まったかたちで提出してしまうと、後の文章がかたくなってしまいます。

あくまでも柔軟に、変更はつねにできるけれど、基本はこうだというまとめ方でいくのがいいです。

「自分がどこに向かって進んでいるかがわかっていないなら要注意だ」という言葉は、

どこまでいっても人生における指針の重要性を強調しているのです。

だからこそ、自分の目標は何かということを示したいですね。

しかしこれがやってみると、想像以上に難しいのです。

八方美人的に、他者の意見を取り込むことは厳につつしまなければなりません。

ではどうしたらいいのか。

充実した人生を送るにはどうしたらいいのか。

目標や方向性を持つことによって、私たちは自己成長を遂げる必要があります。

目的地を見失わないよう、常に自分を見つめ直し、航路を確認し続けることが大切なのです。

学業と社会への方向性が必須

これは入試問題ですので、対象は中高の3年生です。

したがって学業の方向を決めるということと、どう人生の目標を設定していくのかということにも言及する必要があります。

長期的なビジョンをどう探るのかということが、難しい時代です。

あまりにも情報化が進み過ぎて、技術の変化が激しすぎます。

単純作業を繰り返すタイプの労働は、急速にその姿を消しつつあります。

創造性に富む、こころの豊かな人生を送るためにも、労働と社会への貢献ということをリンクさせて考えるべきでしょう。

具体的な例として、ボランティア活動をしていたのなら、それをうまく利用する方法を考えてください。

人との交流や社会貢献を通じて、視野が広がり、自分の進むべき道について考える良い機会になったことを150字程度で書き込むことができますか。

それがうまくいくのなら、最も効果的です。

あるいはセミナーや体験学習、フィールドワークで、知り得た情報も有効です。

さらにクラブ活動や委員会活動の中で、自分の性格や特性を理解することができ、

それが将来の研究テーマや職業選択につながったのなら、その視点でまとめることも可能です。

どうしてもなにも出てこない場合は、他人から聞いた話や本で読んだことなどからまとめてもかまいません。

ただし自分の直接的な経験に比べると、インパクトには欠けるでしょうね。

しかし何も書かないよりははるかに高評価が期待できます。

それでは長期的なビジョンを考える上で、どんなことを意識すればよいのか。

自己分析の意味

興味、関心の対象がなんであるのか

趣味や好きな科目が将来の選択肢に繋がることもあります。

自分の得意なことや苦手なことを理解することで、適した進路を見つけやすくなります。

さらに価値観を明確にする必要があります。

人生であなたが1番大切にしたいことは何か。

家族、友情、仕事のやりがい、社会貢献など、自分にとって何が最も重要なのかを考えましょう。

さらにどのような生活を送りたいか。

仕事とプライベートのバランスなどをイメージしてみることも大切です。

それが見えてくれば、 仕事を通じて新しいスキルや知識を学び続ける姿勢を持つことができます。

現在はさまざまな媒体を利用することが可能です。

leovalente / Pixabay

書籍、オンラインコース、ポッドキャスト、YouTubeなど、異なる形式で学ぶことで飽きずに続けられます。

大切なのは学習仲間を見つけることです。

同じ興味を持つ人と一緒に学ぶことで、刺激を受けたり、情報を共有したりできます。

オンラインコミュニティや勉強会に参加するのも可能です。

さらに学んだことや実践したことを振り返り、どのように活かせるかを考える時間を持つことも大切です。

オンラインコースを利用して新しいプログラミング言語を学ぶなどというこもできます。

自分が何をして、どういう幸福な人生を過ごしたいのか。

それを熱く語ってください。

どこをベースにしてどこへ進みたいのか。

常に一段高いところから自分を見つめて、価値観を整理していくことです。

具体例を絶対に忘れてはいけません。

一度、自分で書いてみること。

繰り返しの練習が自信をつけてくれます。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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