上達しにくい理由
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回はあなたの悩みにズバリ答えます。
というより、多くの人が同じ疑問につきあたっているのです。
それは何か。
いくら小論文をたくさん書いてもうまくならないということです。
ずっと添削をしてきた経験から、今頃の時期の悩みそのものと言っていいと断言できます。
もうやめてしまおうかとつい思ったりもするのです。
最初のうちは誰もが小論文を甘くみています。
作文をちょっと難しい言葉でまとめて書けばいいんだろう、と思っていた人はいませんか。
今までにたくさん文章を書いてきましたからね。
そう慌てることはないだろうと、高をくくっていたかもしれません。
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しかしやってみると、とんでもない。
何を書けばいいのか、さっぱり見当がつかないのです。
それらしい言葉を使って、課題文の中にある表現を散りばめてはみたものの、何を言ってるのか自分でもよくわからない。
結論は何が適当だったのか。
途中に挟み込む自分の経験や体験、感想は何がふさわしかったのか。
さっぱり見えてきません。
小論文は誰でも基本的に不得意なものです。
その理由は単純です。
学校ではほとんど習ってこなかったからです。
教えてくれる先生もほとんどいないのが現状です。
添削をお願いしても、あちこちをなおされて結局元の文とは全く違うものになって戻ってきます。
書き直してきなさい、と言われても、さてどこから手をつけたらいいのやら。
途方にくれるばかりです。
参考書を読んでも
小論文の難しさは結局、国語力の問題に突き当たります。
ただ複雑な内容の文を読み取る能力だけではありません。
文章の構成を見破らなくてはならないのです。
課題文になるような文章は、実に厄介な構成で書かれているケースが多いです。
書き出しから問題提起、筆者の意見、その理由、経験、まとめ、結論などと筋道をたどってくれるものばかりではありません。
途中に逆説などが含まれ、一本道をたどって結論に達するものだけではないのです。
文中にでてくるキーワードを掴みながら、先に少しずつ進んでいく作業を意識的に行う必要があります。
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神経をはりめぐらせて、先に進む方法を会得しなければいけません。
最初に文章の構成を見抜くのです。
この分析が小論文の命を決めます。
なんのためにこんな文を書いたのかという筆者の意図をチェックしましょう。
たとえば「コインは決して丸いだけではない」という文があったとします。
誰でも意外に思うかもしれません。
なんのために、その一文があるのか。
つまり視点の変動です。
上から見れば確かにコインは丸いです。
しかし真横からみれば長方形そのものなのです。
つねに同じ角度からしかものをみない人間には、先を見通す視点の変更ができないということを、例をあげて説明しています。
意外性
なるほど、この課題文は角度をかえてみることの重要性を論じているのだということがわかります。
小論文のポイントになる部分は常に一般論の中にあります。
具体例はあくまでもそのための解説に過ぎません。
それでは抽象はどこにあるのか。
そこをすばやく探す。
筆者はそこで何を言おうとしているのか。
いくつかの例から抽象的な内容に帰納する必要があります。
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具体から抽象を導き出すのです。
同じようなことが自分の今までの人生にあったか。
なければ、どこかで読んだ本にでてこなかったか。
見聞にないか。
瞬時に頭脳を回転させて、例話を探ります。
そしてとにかく書く。
どこに結論を持っていくのかを慎重に検討する。
筆者と全く同じ論点ではポイントが下がります。
採点者はつねに新奇なものを探しているのです。
他の人の発想に出てきそうなものはなべく避けること。
新しいものを必死で探しましょう。
あるいは横にではなく、深く潜る。
自分の中に似たような経験はないか。
そこで苦しんだ記憶はないか。
深掘りしていくのです。
脳を最高度に回転させてください。
うまい文をマネする
たくさん書いても、たくさん添削してもらってもうまくならない人には、根本的な欠陥があります。
参考書を読んでもすぐには上手になりません。
文章の構成が身体になじんでこないと、他人の文章は読めないものです。
そのための方法を身に付けられる人は多くありません。
過去問をやってみましょう。
模範解答を写すというのも1つの手です。
どういう展開の仕方をしているのか。
それを身体で覚えるのです。
ここで一冊だけ、参考書を推薦します。
1番よくできた参考書は代ゼミが毎年最新の入試問題を検討して、発行している『新小論文ノート』です。
解説が非常に詳しいです。
ただし非常に難しい。
この本を使いこなせる人はかなり、国語力がある人です。
このくらい徹底的にやらないと習得できません。
普通は実力がなかなか身につきませんね。
文章の構成法になじむというのは、それくらい難しいことなのです。
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一言で言えば苦行です。
いくら添削してもらっても、今後どうしたらより上手く書けるようになるかわからないのです。
何度でも書き直しましょう。
推敲を重ねることで、少しずつ形が整っていきます。
ある程度時間がたったら、使えるフレーズと構成を覚えてしまいましょう。
暗記すればいいのです。
そのためには声に出して読むことをお勧めします。
接続詞の使い方などは、そこでわかります。
小論文を苦手にする受験生は想像以上に多いです
少しずつでも上達しようという強い志をもってください。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。