一太郎ぬれぎぬ
みなさん、こんにちは。
ブロガーのすい喬です。
一太郎を使うなというニュースを読みましたか。
つい数日前です。
今回のニュースは農水省の大チョンボですね。
原則としてマイクロソフト社製のワープロ「ワード」だけを使えなんて無茶です。
国産ワープロソフト「一太郎」の受難これに極まれりというところでしょうか。
民間のテレビが誤報を流したところから、火がつきました。
農水省の法案ミスの原因が一太郎にあるというのです。
そこでワードの使用を原則化するのだとか。
そんなことが本当にあるのかなというのが最初の感想でした。
しかしよく調べてみた結果、ミスは人為的なものだということがわかったのです。
まさかワープロのソフトがダメだから条文にミスが出るなんて、ちょっと信じられません。
それをわざわざお達しにするなんて、ちょっとアナクロですね。
ソフトが悪いワケではなく担当者の確認不足が原因だったとか。
一太郎は日本を代表するソフトです。
かつてはパソコンに最初から入っていました。
一太郎、ロータス123の組み合わせとワード、エクセルが同梱されている2通りのものがあったのです。
そのうち、だんだんロータス123を使う人が少なくなり、やがてマイクロソフトの独壇場になりました。
ワード、エクセルがないと仕事にならなくなってしまったのです。
もちろん、この2つに似たソフトがないワケではありません。
しかしビジネスの最前線でこのソフトを使わないというのは無理です。
かつては買い切りでしたが、今では年間の費用を払って最新版をつねに使うというタイプにかわりつつあります。
ぼくは長い間、国語科教師をしていました。
国語はどうしても一太郎でなければならなかったのです。
しかしそれも時代の流れでしょう。
気がつくと若い先生方はみなワード使いになりつつあります。
国語科だけは
いつの頃からか、パソコンは私物を校内に持ち込んではいけないということになりました。
それまでは勝手に持参し、LANにつないでいたのです。
まだ無線LANが十分に広まっていませんでした。
部屋の隅まで長いケーブルを伸ばして、みんながハブから線をひいていた時代が懐かしいです。
今から15年くらい前でしょうか。
国語科はもちろん全員が一太郎でした。
なぜ一太郎にこだわったのか。
それは簡単です。
日本語のかゆいところまで手が届く仕様だったからです。
行ごとの文字数を完全に同じにしやすいのです。
配置も均一になります。
さらに傍線が実に簡単に引けるのです。
国語の試験は縦書きが原則です。
問題文の傍線という表現をあたりまえのように使えるのがありがたかったです。
もちろん、現在のワードはそれくらいのことなら簡単にやってのけます。
しかし以前のものは横書き用につくられたソフトだけに、あちこちにバグがありました。
もう1つは辞書です。
ATOKの威力
なぜ一太郎を使ったのかといえば、圧倒的に辞書が優秀でした。
国語科はとにかく漢字の他に難解な語句を多く使います。
それらを一瞬で処理してくれる能力はすばらしいものでした。
今でも一太郎はやめたが、ATOKだけは使っているという人もいるくらいです。
やはり日本企業がつくっているソフトを応援したいという気分もありました。
エクセルはマイクロソフトのものでも仕方がない。
しかしワープロソフトは日本製のものを使ってあげたいとする気分があったのです。
だからといって一太郎を別に買うと、予算がかかります。
基本的にワードとエクセルは一対になっています。
それにパワーポイントがあれば完璧でしょう。
余分な予算を一太郎に割くというゆとりが次第に企業から消えていったのも事実です。
学校現場でもそれは同じです。
現在は全員の教師にパソコンが配布されます。
その中に入っているソフトの代表はエクセルとワードです。
国語の教師といえども一太郎がインストールされているというワケではありません。
ただしどうしても必要だという人には数本だけ、一太郎を用意してあります。
年配の先生方の需要が多いようですね。
しかしそれも次第に減りつつあります。
コスト削減の折から、ソフトの値段もばかになりません。
たとえ数台でも使わなくてすむのなら、そうしたいのが本音でしょう。
それは役所も同じことです。
今回のミスで一太郎はとんだトバッチリを受けました。
しかしだから問題は終わったということにはならないと思います。
これを機に
このチャンスに頭を下げてしまったのだから、もっと減らしてしまえという流れにならないとも限らないのです。
ぼく自身は最近一太郎を使っていません。
というのも一太郎で書くと、学校で内容をなおしたい時に適切な方法がないからです。
一太郎からワードにするのは結構厄介です。
そこまで苦労するくらいなら、最初からワードで打ってしまえということになります。
あるいはテキストエディターで文章だけ書き、ワードで成形するという方法をとります。
もう1つのポイントは辞書です。
ATOKはどうもワードでは使いにくい気がします。
そこでWindowsについているMS-IMEを使うようになりました。
時々は、ちょっと首をかしげるような時もありますが、以前のようなトンチンカンな変換はありません。
となると、ますます流れはマイクロソフトへ流れていくことになります。
ただしこのソフトはWindowsとマックだけで通用します。
Linuxにはまだ手が伸びていません。
しかしもしかすると、近々、Linux用のOfficeが出るという噂もあります。
近年、WindowsとLinuxの接近は著しいものがあります。
両者の垣根が低くなりつつあることは間違いありません。
WindowsからLinuxを使えるようになるソフトもあります。
現在、LinuxのデメリットはOfficeソフトを使えないことです。
無料のものはありますが、やはりマイクロソフト製でないとマクロが動かないといった問題もあります。
これからの時代のOSはどこへいくのか。
Googleも黙ってみているワケではありません。
新しいOSを導入したパソコンを安く売りだしています。
一太郎は今回とんだトバッチリを受けました。
しかし現実はもっと底深く新しい潮流の中にあるのです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。