確率統計の時代
みなさん、こんにちは。
ブロガーのすい喬です。
今回は期待値について考えます。
かつて大学で数学を学びました。
高校の頃は数学ばかり勉強していたのです。
きれいな世界ですからね。
いつも理路整然として無駄がありません。
もちろん、無限大などというとんでもない世界が時に顔をのぞかせることもあります。
しかしそれも愛嬌があったのです。
どちらかといえば代数の方が好きでした。
図形には手こずりましたね。
微分積分はいいとして、1番面倒なのが確率統計です。
これは本当に厄介でした。
ところが今、最も使われる数学がこの分野なのです。
先の読めない時代に何かにすがろうとすれば、当然目的達成への確率がどれくらいあるのかを知りたくなります。
もちろん、その前提には正しい統計がなくてはなりません。
きちんとしたリサーチがあれば、ある程度の未来予測はできるのです。
現在もそうですね。
このコロナ禍の中でどの程度の陽性率におさまっていれば、数か月後にはこうなるという数字がきちんと出ます。
かなりの信頼度でそれをマスコミも流します。
つまり確率統計こそが、不確実な時代の羅針盤になりつつあるのです。
しかしこれが難しい。
これから小中学校ではこの方向にシフトしていくでしょうね。
現在でもサイコロを使ったり、いろいろな局面で確率の計算をさせたりしています。
コンピュータとの親和性がとても高いので、確率統計はますます数学の花形になることは間違いありません。
期待値とは
確率、統計の世界には期待値という考え方があります。
単純に言えば300円の宝くじを買うと、それが幾らになって戻るかという額を計算する方法です。
買う回数が多くなればなるほど正確にその数値に近づいていきます。
つまり1度目にもし1億円があたったとすれば、あとは何回買っても2度とあたることはないというのが確率的な結論ということになります。
しかし世の中には面白いことがあるもので、何度も数億円あたる人もいます。
だから賭け事はやめられないのかもしれません。
競馬、競輪、競艇からパチンコ、麻雀にいたるまで、人間はおよそギャンブルから逃れられないもののようです。
やはり当てた時の喜びというのは何にもまさりますからね。
まさに不労所得そのものです。
ドーパミンが一斉に脳内に溢れ出て、幸福感に包まれるのです。
だからいつまでたってもやめられないんですね。
いい時の記憶が頭の隅にこびりついています。
競馬や競輪をやっている人の話をきいていると、いつも大穴をあてているのではないかと思う時さえあります。
しかし事実はまったく逆です。
ほとんど損をし続けているのです。
たまに当たったりすると、それがまた忘れられません。
そして深みにはまっていくということになります。
自分のポケットマネーで程よく遊べる人は本質的にギャンブラーにはなれません。
最後は家も家財道具も売れるものはみんな売ってしまうというのが、この世界の究極の姿なのです。
麻雀放浪記
作家の阿佐田哲也こと色川武大さんは異色の人でした。
『麻雀放浪記』という名作まであるくらいです。
麻雀の名人だったそうです。
冷静に考えれば勝ち続けるなどいうことはありません。
必ず何度かに1回は負けます。
その確率を少し下げるというくらいがいいところでしょう。
しかし高いレートで勝負をし続ける人は、負けるワケにはいきません。
それこそ、財産の全てをギャンブルにつぎ込んでいるのです。
ここで登場するのがまさに期待値計算です。
もっともこんな数字を意識しているような人がギャンブルにのめり込むということはありません。
理論値にすぎないのです。
少しだけ考えてみましょうか。
年末が近くなってくると、宝くじの宣伝にも力が入りますね。
最近は前後賞を合わせて数億円というのが相場です。
ところが宝くじの期待値は非常に低いというのが今や常識です。
期待値とはどうやって計算するのか。
ちょっと試しにやってみましょう。
さいころをふり、6の目が出たら100円、1の目が出たら40円もらえるとします。
その他の目が出たら20円取られるというゲームをしたとしましょう。
このゲームで最終的にもらえる金額はいくらでしょうか。
ちょっと考えてみてください。
計算は簡単です。
100に6分の1をかけ、40にも6分の1をかけて足します。
そこから20に3分の2をかけて引くのです。
答えは10円です。
これが確率の考え方です。
サイコロの回数を重ねれば重ねるほど、この数値に近づきます。
これこそがギャンブルなんです。
ものすごくリアリティがありますよね。
ちなみに宝くじの場合はこんな感じです。
単純に書いてみます。
1枚300円の宝くじの当選確率をかけて足せばいいだけです。
1 等 5億円 × 1 / 1000 万 = 50円
2 等 3000 万円× 1 / 100 万 = 30 円
3 等 100 万円 × 1 / 10 万 = 10 円
4 等 3000 円 × 1 / 100 = 30 円
5 等 300 円 1 / 10 = 30 円
集計結果 150 円
何度もやればやるほど、結果は期待値に近づきます。
宝くじの秘密
ギャンブルには還元率というものがあります。
かけた金額に対して何%戻るのかという数字です。
パチンコ・パチスロ 80~85%
競馬 70~80%
ボートレース 75%
競輪 75%
宝くじ 46%
この還元率が事実上の期待値ということになるのです。
この数値をみると宝くじが効率の悪いギャンブルだと言うことがよくわかりますね。
最近、宝くじはあまり売れないという話をよく聞きます。
消費者が賢くなったのでしょうか。
半分を最初にとられてしまうのです。
掛け金が買い求めた瞬間、半分になるのです。
そこからの出発というワケです。
Youtubeで大量に買った宝くじの当選金がいくらになるのかという動画をみたことのある人も多いでしょう。
まさにあれです。
ならばパチンコや競馬の方がずっと効率がよさそうなものですが、それは甘いのです。
期待値だけならばそういう判断が出てきてもおかしくはありません。
しかし実際は大損している人も存在します。
その答えは「試行回数」の多さなのです。
ものすごい数の試行が繰り返されると、たとえ80%の期待値があるとしても幾何級数的に減っていきます。
考えてみてください。
0.8に0.8をかけ、それにさらに0.8を掛ける。
この繰り返しなのです。
5回繰り返すだけで数字は0.3を切ります。
期待値的には悪くないパチンコでも、何千回と球を打っている間に、損が大きくなっていくのです。
まさに感覚が麻痺してしまうのでしょう。
そのために電飾を派手にし、ボリュウムをあげて音楽を流します。
感覚を麻痺させドーパミンを上げる効果を持つからです。
いずれにしても、これからは確率統計の時代です。
無駄な出費をどう抑えるのかというのも、期待値の勉強にかかっているのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。