小論文の怖さ
みなさん、こんにちは。
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
コロナ禍の中、大変な思いをしながら毎日勉強を続けていることと思います。
いよいよ入試も近くなってきました。
そこで最後にこれだけはというアドバイスをさせてください。
ここまで小論文の問題に挑戦してきて感じたことはありますか。
おそらく、なかなかうまくならないので焦っているのではありませんか。
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自分ではもっと書けると思っていたのに、いざやってみると、とんでもない。
どうまとめたら高い評価が得られるのか、全く見当もつかない。
そういう声をよく聞きます。
小論文には答えがありませんからね。
他の試験とは全く違うのです。
近年、とくに論理性を重視する試験を課す傾向が強くなっています。
グローバル化の時代です。
多くの国の人と対等にうまくやっていくには、日本人的な感性だけではもう十分とはいえなくなってしまいました。
狭い島国の中で、お互いの顔色を見ながら阿吽の呼吸で生きてきた方法では通用しないのです。
日本的な感覚を全て否定するのではありません。
もちろんいいところは残すべきです。
大切なのはその上にさらに自分の論理をきちんと述べる手法を身につけるべきだという事実なのです。
それには小論文が最適です。
テーマを与えて文章を書かせると、すぐに実力がわかります。
ごまかせません。
暗記で乗り越えられるような試験ではないからです。
成功の秘訣
それではどうやって書いたらいいのでしょうか。
もう時間がいくらもありません。
少しでもヒントがあればそれにすがりたいのが人情です。
たくさんのアドバイスはしません。
今、できることは何か。
最も簡単で誰にもできるヒントを1つだけお教えします。
それは文章を短くすることです。
初心者ほど1つのセンテンスが長いです。
これは添削をずっとしてきたのでよくわかります。
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書きたい内容が頭の中で整理されていない。
原因はまさにここにあります。
だから次々と浮かぶ文章を繋いで長くしてしまう傾向があります。
初心者ほどそうですね。
途中に「が」「ので」などを入れると、文はいくらでも伸びます。
このパターンの文章を書く人は国語力が十分にありません。
とにかく思いついた順番で文をまとめようとするのです。
最悪なケースです。
初心者の場合、1つの文章は40字までと決めてください。
原稿用紙でいえば2行です。
それでは文章は書けないという人もいるでしょうね。
長い文はNGです。
途中で切ってください。
接続詞で繋げる
そんなんでいいんですかという受験生もいます。
いいのです。
その方がいいのです。
国語力のない人が長い文を書くとどうなるか。
結果は目に見えています。
文脈がゴチャゴチャになるのです。
どこまでが主語で、どこが述語なのかわかりません。
ひどいのになると、途中で主語が変わったりします。
自分はそんなものは書かないと豪語している生徒にも添削をした結果をみせると、なるほどと納得します。
それくらい文脈のねじれた文章を書く人が多いのです。
内容をきちんと整理して始めなかったからです。
試みに、この文章をここまで読んでみてどう思いましたか。
1つの文が短いと思いませんか。
これでいいのです。
こういうパターンの文章を書いてください。
みなさんは作家になるのではありません。
自分の論理を相手にきちんと伝えることが1番大切なのです。
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どうしても長くなる時は途中で切ること。
そのかわりに接続詞で繋いでください。
ただし接続詞は最低限の分量にすること。
次々と接続詞が出てくる文は大変な悪文になってしまいます。
これだけのルールを守るだけで、文章は蘇るのです。
添削の日々
今も生徒を相手に毎日添削をしています。
内容以前にする作業は何か。
それは文章の形を整えることです。
1番は主語。
「私」でないものは全て書き直しです。
さらに文体。
「である調」以外はダメです。
途中に「です・ます」などが入っていたら全て書き直してもらいます。
次がセンテンスの長さです。
40字を超えていたらアウト。
内容がよければ、少し長めでも良しとする場合もあります。
しかし基本は40字です。
この3つを実行するだけで、文章は蘇ります。
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試みにあなたが書いた文を自分でもう1度チェックしてみてください。
この3つの関門をきちんと潜り抜けていますか。
そんなの当たり前だという人はその次の構成のレベルに進みます。
内容までに至れば、そこからが本当の勉強です。
内容については、このブログにもたくさん書きました。
とりあえず、最初の段階はここに書いた通りのことを実践するのです。
信じられないかもしれませんが、それだけで飛躍的に文章らしくなります。
騙されたと思ってやってみてください。
今頃このようなヒントを書くのはどうかと思いますが、これが最短の小論文必勝法です。
もちろん、ここに示したのは基本の基本にすぎません。
これだけで全てうまくいくワケではありませんよ。
しかし最低限の突破口にはなるはずです。
頑張ってください。
応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。