【小論文の秘訣】正解主義から離れ許容解を積み重ねて合格答案にする

学び

正解はない

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元高校国語科教師、すい喬です。

今回は小論文の正解とは何かということについて考えます。

突然ですが、学校の役割とは何でしょうか。

かぞえられないくらいあるでしょう。

友達との人間関係をつくる大切な場所です。

もちろん勉強をするところでもあります。

その1つに正解を学ぶというのがあります。

先生が質問をします。

それに対して、必ず最後に正解が発表される。

試験もそうです。

中間や期末テストの後に正解が配られます。

マルやバツのついた答案が返却され、そこに点数がついているのです

当たり前の風景ですね。

みんながそれを受け入れています。

ぼくも長い間教師をやっていましたので、そのことが実感として身についています。

生徒はいつも答えを欲しがっていました。

その途中のプロセスを丁寧に説明しようとすると、面倒くさがるシーンも多く見られました。

問いも先生から。

答えも先生から。

それも正解だけを。

自分の解答があっているのかどうか。

それだけを生徒は知りたがりました。

しかし今はもうそんな時代じゃありません。

現代の問題にはほとんど正解がないのです

というより答えを簡単に出せません。

これが正解だと言いたいのは山々ですけど、それができない。

難しい局面に入っています。

前提を疑え

数学には定義というものがあります。

ちなみに同じ数字を掛け合わせると、必ずプラスになります。

マイナス同士をかけてもプラスになります。

これは約束です。

そうでないものを考えるということは可能でしょうか。

もちろんできます。

実数だけでなく、虚数を考えればいいのです

ちなみに両方の概念を総合して複素数と呼びます。

虚数は同じものを2度かけると、マイナスになる数です。

実際には見えませんが、あると考えて論じないと不合理が生じます。

これが数学の面白さです。

しかしこれと同じことが私たちの日々の暮らしの中にあるでしょうか。

こういう約束をしよう。

その論理をはみ出してしまうものは別のワク組みに入れてしまおう。

話としては面白いですね。

しかし現実にはあり得ません。

qimono / Pixabay

もしそういう事象が起こったとしたら、それはまぎれもない事実として認識しなければならないのです。

起こったことが全てです。

それを否定することはできません。

つまり前提が違っていたということになります。

経済でも法律でも政治、社会学でもすべてが同じです。

こんなことが起こり得るはずがないということ現実にあったならばの話です。

歴史上にはいくつもそうしたことがありました。

人類の進化もそれによって今日を迎えているのです。

許容解のゆくえ

情報を収集していく中で、普通ならまさかと思われることがあったとしても、それが現実に起こったならば、それはありです。

古代史などの場面では考えられないような事実がいくつもありました。

トロイアの遺跡の発掘などはまさかこんなところにという現実そのものです。

社会には数学的な明晰さはほぼないと考えた方がいいでしょう。

今日の経済学は数学の統計学、確率論などを最大限に利用しています。

しかしそれでもさまざまな事象を完全に解明できているわけではありません。

突然の株の暴落や、今回の新型ウィルスのパンデミックなどもその1つです。

あるいは戦争、地球温暖化、洪水、災害なども同じ範疇のものかもしれません。

単純に何が正解かを教えてくれる人の出現などを期待してはいけないのです。

逆にいえば、そうした内容の小論文を書く時には正解が全くないと考えてください。

katja / Pixabay

それでも何かを書いて文をまとめなくてはいけないのです。

どうしたらいいのか。

もう一般的な解はありません。

許容解を少しずつ積み重ねていき、そこから出せる結論を最上位に持っていく以外にないでしょう。

数年前にはこれで通用したという解があったとします。

しかし現在ではもう過去のコンテンツでしかないのかもしれません。

もちろん、今の状況の中で通用するものはあるでしょう。

だからこそ、許容される限度までのものをギリギリ搔き集めていく以外に方法はありません。

これだけ混沌とした世界を1つの正解で切り取るなどいうことはムチャです。

もしそうしたことができると考えている人がいたら、それはあまりにも楽天的に過ぎるでしょう。

ここまで書いても試験の時はやはり言い古された正解を書いてしまう人がいるかもしれません。

それでは採点者の胸に刺さらないのです。

肉迫すること

前例を疑ってください。

前提を信じないことです。

その上にたって文章をまとめていけば、必ず新しい視点がみえてきます。

新しい時代を切り開くためにはどうしてもその作業が必要です。

医学の進歩をみてください。

現在の医療技術は母親の胎内にいる子供の手術まで可能なものにしています。

出生前の診断は遺伝子レベルまでできます。

こんなことが可能になるなどとは思いもよりませんでした。

そのことにより新たな倫理的問題も起こっています。

つまり正解のない問題が次々とうまれているワケです。

情報を右から左へ移動し処理していくだけの頭脳では、もう対処できません。

新たな思考回路を構築しないと、次の処置もできないのです。

現実はそこまできています。

つねに問題の本質がなんであるのかということを見続けてください。

そのための勉強が欠かせません。

自分で考え判断する能力を持った人間だけが、これからの時代に生き残れるのです。

みんな仲良く同じように生きていけばよかった時代はすでに過去のものです。

国家の形も、個人の形も明らかに変わってしまいました。

そういう時代の小論文です。

難しいのは当然です。

何も書けないなどということがないようにしてください。

ポイントは継続です。

それ以外に道はありません。

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世界はますます多様化と複雑化の一途をたどっています。

なんとしても食いついていくこと。

そこにしか勝機はありません。

勉強を続けてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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