【小論文は格闘技】具体例の後に出てくる抽象論の部分が急所です

学び

読むだけでくたびれちゃう

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は課題文のどこが眼目かについて考えてみましょう。

読むだけで大変だった。

受験生はよくそう言います。

確かにその通り。

課題文を読んですぐに内容が把握できる人は少ないのです。

とにかく難しくて、過去に考えたことのないテーマばっかりです。

突然何か書けと言われても、どこから文章をまとめればいいのかもわかりません。

それでもなんとかしなくちゃならない。

geralt / Pixabay

受験生にとっては悩みの塊みたいなもんです。

その気持ちはよくわかります。

いいですか。

課題文は格闘技の相手なのです。

そう考えてください。

少しずつジャブを繰り出しながら、最後に相手の最も弱いところを叩く。

戦い方はまさにボクシングと同じです。

あるいはディベートに例えてもいいかもしれません。

討論をして打ち負かすというイメージです。

相手の1番弱いところを攻撃するのはボクシングとおなじです。

ボディブローをたくさん入れておいて、最後にアッパーカットを1発。

これでノックアウトです。

筆者の主張を把握しよう

そんなにうまくはいくはずがありませんよと言うだけならば簡単です。

あなたは課題文を読んで相手の主張をきちんと把握しましたか。

その中で最も弱いところをみつけましたか。

ましてや議論です。

ディベートです。

打ち負かすために、必要なものを揃えましたか。

戦うにはアイテムが必要です。

どうしても勝ちたかったら相手の理論武装をきちんと見抜くことです。

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鎧のようなものを身にまとっていたとしたら、それを1つ1つはがすことです。

当然、課題文の中に筆者は何らかの仮説を打ち立てていることでしょう。

本論をより理解してもらうために、具体例をあげているはずです。

1番わかりやすいところですよね。

しかしそこはあくまでも補助的な説明のためのものです。

本丸はその後なのです。

難しいことを説明としたら、誰だって相手に理解してもらうために、わかりやすい話をするでしょう。

Aさんという人はこの方法で大成功して億万長者になったと言われれば、そんなこともあるのかとつい身を乗り出します。

つまりそれが例示の役割です。

誰もが必ず課題文の中で試みる方法です。

インパクトが強いですから、誰もが引き込まれます。

とにかくわかりやすいのです。

しかしここは基本的にスルーしましょう。

どうしてもわからない時は、こういう考え方もあるのかというレベルにおさえておくこと。

本当に筆者が言いたいことは、その直後に出てきます。

これはみなさんが現代文の読解術で習ってきたことではありませんか。

国語力がないと、ここで騙されてしまうのです。

評論文のパターン

特に評論文においては圧倒的にこのパターンが多いのです。

だからこそ、例示の後をきちんと読み解くことが大切なのです。

そこにテーマの源泉があります。

小論文は問題提起から始めることは以前も書きました。

筆者の論点の中で1番核になるところはどこか。

まず探しましょう。

わかりやすい例示の後を探してください。

抽象的な一般論で書いてあるところ。

そこをどう自分なりに読み解いたのかという観点で自らの姿勢を示すのです。

簡単にYesNoが言えればそれでかまいません。

しかしそんなに簡単には結論にまでもちこめないことの方が多いです。

そういう時は「筆者は~」とか「課題文によれば~」などという言葉をきちんと入れて、自分の意見ではないということを明確にした方がいいです。

そうでないと、あなたがその意見をそのまま追いかけたようにとられてしまうことがあります。

それではディベートでも負けです。

lavnatalia / Pixabay

絶対に違う視点が1つでもあることを強調しなくてはいけせん。

ここがポイントになる難しいところです。

ひたすら練習するしかないです。

別の言葉でいえば、オリジナリティーを存分に発揮するのです。

他の誰のものでもない、あなたの考えた文章だということをアピールするのです。

そこが唯一の戦場です。

筆者の論点とは極力離れる

筆者の論点と同じではなんにもなりません。

どうしてもダメなら別の角度から少しだけでも説明してください。

とにかくあなたは新しい視点や事実を追加して自分の存在をアピールしなくてはならないのです。

苦しい作業です。

しかしそれをしないと、ただの後追い人です。

だれでもできる職人技を持った書き手にすぎません。

なんの意味も持ちえないのです。

そういう意味ではNoを言うのは形として見事ですね。

やりやすいです。

誰がみても明らかに違うのですから、大手を振って外を歩けるワケです。

しかしいつもできる技ではありません。

そのあたりのバランスはひたすら練習です。

具体的にはどうしたらいいのか。

テーマによって全く違いますので、簡単に一言では言えません。

どうしてもNoがダメならYesだっていいのです。

narciso1 / Pixabay

ただし、べったり追随型はNG。

なんの新鮮味もありません。

せめて筆者が言い足りなかったことを説明するくらいの気概はほしいです。

しかしそれだけでは弱い。

自分の経験を付け足して、論点を強く後押しするくらいのことはしてもいいでしょう。

テーマによって書き方は本当に様々です。

練習する以外にありません。

その際に大切なことは何か。

タイトルに示した通り。

具体的な話の後に注意を集中することです。

そこに一般論的な概念が出てきたら、それが問題のキーワードです。

そこから内容をひろげてください。

YesNoのどちらにも可能性はあります。

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ただし後からくっついていくような文章は絶対に書かないこと。

これだけは約束してくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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