【校内フリースクール】学校に居場所があるということの大きな意味

学び

校内フリースクール

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は校内フリースクールについて考えます。

現在の学校は生徒にとって息苦しいのでしょうか。

朝からずっと大人数で同じことをしなくちゃいけませんしね。

コロナ禍もあります。

お互いの目を見ないと話が通じません。

口元はマスクに覆われたままです。

黙食という給食のシステムをご存知ですか。

食事中に話をしてはいけないのです。

黙働も同じです。

掃除当番も黙ってやらなければいけません。

全てが窮屈な環境の中で行われているのです。

さらに全校配置のタブレットもあります。

嬉しい面もありますが、宿題などもあって結構面倒です。

授業の内容もより複雑化しています。

学校によってはリモートを残しながら、授業を実施しているところもあります。

とにかくコミュニケーションをとるのが難しいです。

他者との関係をとりにくいことは事実です。

元々、小学校高学年から中学生にかけては、それぞれの性格の違いがはっきりしてくる頃です。

学力にも大きな差が生じます。

中学生も後半になると、高校進学が目前にせまってきます。

学校に適応し、友人関係も築かなくてはなりません。

生徒にとってはストレスの嵐です。

不登校の症状が出たとしても無理はありません。

別の場所

不登校の児童や生徒が利用できる施設として、どの自治体も学校とは別の場所を設けています。

いじめなどで学校にいけない場合、違う場所にある施設へ赴くのです。

その回数も生徒によりさまざまです。

特別支援教室とも違い、元々のクラスを一時離れて、利用するというパターンです。

廃校になった学校や他の施設を転用して、使っています。

定年退職した先生や、専任の先生など、何人もで対応するのが一般的です。

一種の「取り出し授業」のケースもあります。

あるいは自習を側面からサポートする型式もあります。

とにかく入りにくい多人数の教室ではないことがポイントです。

しかしこうした取り組みを拒否する生徒がいるのも事実なのです。

学校は本来楽しいところでなければなりません。

geralt / Pixabay

ところが不登校児童やその保護者はハードルの存在を訴えます。

特に多いのは自分が通っている学校とは違う場所へ行かなくてはならないことです。

むしろ本来の学校とは違い、初めて出会う人が新しいストレスの種になるということも考えられます。

担任が自宅を訪問するのにも限界があります。

なにより「学校に居場所がある」ことが重要なのです。

この考えにのっとって進んでいるのが、校内フリースクールの取組みなのです。

学校は楽しいところでなくてはならないというのが、基本のコンセプトです。

そのためには何をしたらいいのか。

どういう人員の配置が適正なのか。

メディア

最近は校内フリースクールが、小学校にも設置されていると聞きます。

しかし主流はあくまでも中学校です。

日本中どこにも不登校の生徒がいます。

数からいえば、東京や神奈川などの都市部に多いのは容易に予想できますね。

総生徒数の4%が基本です。

100人に対して4人を多いとみるのか、少ないとみるのか。

最大の問題は人員配置です。

支援員、非常勤講師、ピアティーチャー、正規教員。

mohamed_hassan / Pixabay

構成も多様です。

毎年、どれくらいの生徒が校内フリースクールを利用するのか、予測がつきません。

各校に全て配置するのには予算的な限界がついて回ります。

このところメディアでしきりに取り上げられているのは愛知県岡崎市のケースです。

通称「F組」と呼ばれています。

2020年度、市内の公立中学校にあった学校不適応教室を解消し、「F組」と呼ばれる校内フリースクールを3校に設置しました。

今年は全ての学校に広げる予定のようです。

それだけ効果が出ているということなのでしょう。

最初に「F」の意味を確認しておきます。

Fit、Free、Fun、Futureの頭文字を取ったというのが市の説明です。

他のクラスと同じフロアにあるというのがミソです。

別の階に設置したのではそれだけで、違和感を感じる生徒がでてきます。

事実、生徒同士の関係の中にそういう会話があるようです。

「F組」は楽だという生徒同士の無言の圧力が、結局は試みを失敗させてしまうという危惧もあります。

生徒だけではなく、親にも似た傾向がないワケではありません。

段差意識軽減

在籍学級に通えなくなった生徒にとって「落ちる」感覚が1番つらいといいます。

つまり別の場所にある適応指導教室にいくと、どうしても特別だという感覚が強くなるのです。

それを避けるための校内フリースクールと考えた方がいいでしょう。

岡崎市のケースはかなり融通がきくのも特徴です。

数日間だけ、F組に行くことも許されているようです。

それだけ今の学校はストレスが強いということも言えます。

設置にあたって基本的なコンセプトは次の3つです。

1 通常学級と同じ、1つの学級として扱う
2 多様性を受け入れられる、校内でも信頼の厚いエース級の教員を担任に置く
3 いつでも生徒たちを温かく迎える支援員を配置

スクールカウンセラーや養護教諭のサポートも大切です。

問題は部屋の内部をどうするかということです。

通常と同じように机があるだけでは、生徒はリラックスできません。

基本は談話用のテーブルやパーティションなどの活用です。

さらにソファー、カードゲーム、電子ピアノなどもそろえています。

普通は廊下から見えないようにカーテンで遮ったりしますね。

それを全部やめて、堂々と部屋に出入りしてもおかしくないという雰囲気を作ったといいます。

それでもやはり楽な授業ばかりで狡いという発言が消えないところに、この問題の根深さがあります。

学校は幸せな人生を過ごしてもらうための一里塚です。

その意味で、多くのメディアが注目している理由もよくわかります。

子供は親のロボットてはありません。

親の価値観のままに生きるワケでもないのです。

人間としての成長をどう見守るのかという最も難しい課題に日々晒されています。

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この学校内フリースクールの動きを、今後も着目し続けてください。

今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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