【小論文】カジュアルとフォーマルの落差を認識して文章コードを守る

学び

言葉のルール

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元高校国語科教師、すい喬です。

今回は文章のコードについて考えてみましょう。

言葉は生きています。

ほんのわずかな表現の差がそれ以降の文章のリズムをかえるということもあるのです。

日常的にメール、ブログ、小説、エッセイなどに触れることはよくありますね。

しかし評論文のようなフォーマルな文章を読むということは少ないようです。

Wokandapix / Pixabay

堅苦しい文章に触れるのは教科書だけという人が大半ではないでしょうか。

日常的にはツィッターの短い呟きだけ。

評論なんてまさか。

新聞だってテレビ欄ぐらいしか読まない。

こういうケースの場合、どのような文章をフォーマルなものと呼ぶのか判断がつきません。

無理もありませんよね。

堅苦しい文章はよくわからないし難しい。

しかしこれではあまりにも我慢が足りません。

初心者の文を添削していると、本当にとまどうことが多いのです。

論文の文体がどういうものなのかを全く知らずに、小論文に挑むということは素手で戦うのと同じです。

勝てるワケがありません。

有効な武器を持たなくてはダメです。

それは何か。

一言でいえばリテラシーです。

正しい言葉を読み解き、それを表現することのできる能力。

それこそが求められているのです。

カジュアルとフォーマル

確かに硬い文章は読み手を遠くへ追いやってしまうことがあるかもしれません。

だからといってカジュアルな表現を使って書けばいいというものではないのです。

小論文の答案は大学の先生たちが読みます。

毎年、採点を担当しているベテラン揃いです。

冒頭の部分を少しだけ読めば、どの程度の能力を持っているかを、すぐに判断できる能力を彼らは持っています。

余計なことは何も考えないでいいです。

どれほど難しい語彙を使っても大丈夫です。

ただし1番大切なのは、内容を自分がきちんと把握し咀嚼していることです。

中途半端な理解のままで文を書くと、すぐに足元をみられます。

そうなったらもうアウトですね。

突然ですが、ドレスコードというのを知っていますか。

人生には様々な場面があります。

礼装を着なければならない時もあるでしょう。

冠婚葬祭の場合などです。

あるいは逆にラフな恰好でなければ、浮いてしまう時があるかもしれません。

小論文はどういうシチュエーションだと思いますか。

ズバリ礼服か、スーツのケースだと心得てください。

どこまでもきちんとした服装を要求されます。

評論があまりにも難しいということであれば、新聞の記事をイメージしてください。

それが1番わかりやすいと思います。

きちんとした服装をした人が大勢いる席で話をする時、自分のことをなんと表現しますか。

男性でも女性でも共通な表現は「私」の一択でしょう。

時に、男性ならば「僕」などというのがあるかもしれません。

しかしフォーマルな形では「私」以外は使わないでください。

文体は一択

文体は「である」調の一択です。

「ですます」調を使うと文章が非常に柔らかくなります。

しかし論文では「である」調以外、使ってはいけません。

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「ですます」と「である」、2つの文体を混在化させるなどというのは言語同断です。

細かいことを言い出せばいろいろありますが、少し背伸びした表現を基本にしてください。

さらに「ら抜き言葉」を使うのは厳禁です。

「食べれる」「着れる」という日本語はありません。

可能の助動詞「られる」を「れる」だけで使うのは正式ではないのです。

日々話していると、つい使ってしまうということがあるかもしれません。

もう1つ。

「い抜き言葉」というのがあります。

「笑っている」を「笑ってる」、「着ている」を「着てる」というように使うものです。

どうでしょうか。

違和感がありますか。

今日、会話ではほぼ完全に認められています。

書き言葉として使うと、ややカジュアルだなという印象を持つ人が多いようです。

論文では使ってはいけません。

きちんと「い」の文字を入れてください。

書き言葉というのはどこまでいっても特別なものです。

「ではない」を「じゃない」などとする書き方も避けなければなりません。

カタカナ言葉は最低限に

日本語はもともと多くの外来語によって成り立っています。

それらを排除したら成立しません。

しかしだからといって文章の中にやたらと横文字を入れるのはやめましょう。

geralt / Pixabay

実にわかりにくい浅薄なものになってしまいます。

そのことは別の記事にまとめました。

最後にリンクをしておきますので、読んでおいてください。

その他、微妙なカジュアル用語をそのまま書き言葉の中で使う人がいます。

その例として「違くて」があります。

これは完全な話し言葉です。

中高生がよく使っています。

普段ならばそのままで通用しますが、小論文でダメです。

「~とは違う」「~とは異なり」が正しい用法です。

「したがって」のかわりに「なので」を使うのもNGです。

少し気取った文章を書くのはなかなか大変なことです。

ただし全ては馴れです。

何度も練習しているうちに、悩まずにどれが1番フォーマルな表現なのかわかるようになります。

それができないうちは、まだ不十分だと思ってください。

もっともっと勉強する必要があります。

基本的な言葉の使い方がわかるようになると、文章を書くのが苦痛でなくなります。

むしろ自分の気持ちをストレートに表現できる気持ちの良さを感じます。

書き終わったら自分で声を出して読んでみましょう。

妙にカジュアルな表現だと思ったら、その場でなおします。

1番の勉強法はとにかくフォーマルな文章の形を身体の中に叩き込むこと。

これは理屈ではありません。

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なんとなくこの言い方はおかしいと感じるセンサーを身体の中に早く埋め込んでください。

そうすれば、難なく小論文が書けるようになります。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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