大逆転あり!大学AO入試は今や完全に情報戦の時代

学び

AO入試がトップバッター

みなさん、こんにちは。

高校教師歴40年のすい喬です。

毎年めまぐるしくかわる入試システム。

2020年度からの大学入学共通テストはまだまだその全貌がみえません。

これから先も変更が続くと思います。

新聞などに絶えず目を通していてください。

そんな中、もうすでに始まっているのがAO入試です。

なにが始まっているのか。

願書の受付です。

こんなにはやいのか。

そうなんです。

こんなにはやいのです。

今や入試の中でもトップをきって行われるのがAO入試なのです

試験はだいたい9月。

はやいところは9月中に合格者を決めてしまうところもあります。

AO入試が他の試験と違う最大のポイントは内申書を重視しないということです。

最近ではもちろん内申書を点数化して合否の基準に入れるところも出てきました。

しかし基本は高校を卒業していればいいのです。

現役にもこだわりません。

AOがそもそもアドミッションズ・オフィスの訳語だと言われても、なんのことかわかりませんよね。

AO入試とはなにか。

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大学入試の方法のひとつなんです。

大学の入学管理局(admissions office)による選考基準に基づいて、学力試験を課さず、高校における成績や小論文、面接などで人物を評価し、入学の可否を判断する選抜制度のことです。

元々はアメリカで経費節減と効率性を目的として制定されました。

しかし日本ではその形を大きくかえ、当初の目的とはかなり違う方向へ進んでいます

1990年、慶應義塾大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)が、他に先駆けて導入しました。

それまでの日吉、三田とは違う湘南台という場所につくった新学部は、一般入試で入ってくる生徒とは違うユニークな個性や適性をもった学生が欲しかったのです。

はじめた頃は全学生に占める割合も少なかったです。

しかしこの試みが成功するやいなや、その後またたく間に広がっていきました。

なぜか。

基本的に受験秀才だけでは生き残れない世の中になったということでしょう。

まさにグローバル化の時代がやってきたのです。

現代の社会は与えられた課題を短時間で処理できる人だけを求めてはいません。

それよりも自分で問題を発見し、解決に向けて仲間と協調していける人のニーズの方がはるかに大きいのです。

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もう暗記するのはコンピュータにまかせておけばいい。

とにかく自分で問題を発見し、それを解決に導くための方法を作り出せる人がいれば…。

大学側にとっても、AO入試は受験生をいち早く囲い込めるというメリットがあります。

8月から出願を受け付け、9月から10月の初めには合格者を出すというサイクルは、経営的にかなりなうまみを持っています。

時代のニーズ

少子化の時代の中、学生の獲得が命綱であることに間違いはありません。

もちろん、この入試システムが効果をあげ、生徒との関係もうまくいっている場合に限るのはいうまでもないことです。

志望理由書などで1次審査をし、面接や小論文などの2次審査を経て、なるべくはやく合否を知らせるのです。

多くの私立大学はさっそくこのシステムに飛びつきました。

国立大学もほとんどのところでやっています。

今やAO入試をやっていないところはありません。

では評判はどうなのでしょう。

青田買いという言葉ばかりが先行しています。

一部の大学では満足に勉強もせず、内申もまったくとれない生徒がAO入試という制度にのって大学生になっていきます。

公募制推薦ならば、一応内申の基準をクリアするという足かせがあります。

しかしAO入試にはそれがない。

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極端な話、アルファベットも満足に書けない学生ができあがるということになるのです。

筆記試験だけによる画一的な評価に代えて、多面的、総合的に受験生の能力を評価しようというところまではよかったのです。

しかし実態はスポーツ推薦に近いような一芸入試であったり、単なる面接試験だったり、必ずしも多面的、総合的に受験生を評価できる手法にはなっていないというのです。

簡単にいえば、公募制のワクにも入れない生徒を、AO入試の名前で試験をし、さっさと取り込んでしまう。

学生の側からいっても勉強せずに大学生になれ、大学側からみても財政面が安定するということになります。

これでは当初のAO入試の意味は全くありません。

そこで登場してきたのがさらにレベルの高い入試です。

実際に行っている大学の横顔を少しみてみましょう。

これは実際にぼくが見聞きしてきた生徒のケースです。

なお、そんな試験をやっているということをはじめて聞くという人も多いかもしれません。

今や、AO入試は完全に情報戦の時代です。

きちんと正しい情報をどれくらい自分で獲得できるのかというのが合格への道のりです。

ネット環境とともに、正確な情報をつねに捉えて発信してくれる場所を確保することがとても大切です。

ここまで各大学が異なった試験をするようになるとは、以前では考えられませんでした。

慶応法学部FIT入試

ケースその1

慶応義塾大学法学部FIT入試

法律学、 政治学を学習するのにふさわしい素養があると法学部の教員が判断した学生をとるための入試です。

このFIT入試では, そうした能力と素養を, 教員自身の目を通して確認することを重視しています。

学部長の言葉によれば、「私たちの意図を正しく理解し,その理念に共感して,より良き世界を私たちとともに作っていこうとする意欲を持った若者たちよ来たれ」ということになります。

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定員はA方式、B方式ともそれぞれ80名。

2019年度FIT入試第2次選考概要(A方式)

大学1年生が受講して理解できるレベル模擬講義(50分)を聞きます。

テーマは以下の通りです。

言語と社会を考える
言語政策とは何か
言語とは何か
言語権について
言語と平等
欧州統合の理念
単一化に対抗する多様性の維持促進
言語と格差
経済から見る言語
日本がとるべき言語政策とは

論述の設問内容

講義の内容を踏まえたうえで、今後の日本に必要な言語政策のあり方について、あなたの見解を述べなさい。

解答の形式
A3レポート用紙形式・字数制限無し
試験時間:45分

グループ討論の概要

テーマ(法律学科)

現在、日本は人口減少社会に突入し、持続的経済成長を続けるためにも、男女共同参画と女性の社会進出は不可欠です。

これまでに政府はさまざまな取り組みを行い、近年では働き方改革を掲げ、女性の働きやすい環境作りを推進してきた結果、この30年間で女性の就業率は上昇しました。

しかし男女間での格差が依然として存在するなど、問題も少なくありません。

資料1、2、3、4を参考にし、こうした女性の社会進出を抑制する現象を生む制度的・社会的・文化的な要因について多角的に議論を行ってください。

内閣府『男女共同参画白書平成29年度版』から4つの図表を資料として問題文に添付。

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テーマ(政治学科)

国立社会保障・人口問題研究所の予測では、国の総人口は2015年から2065年までの50年間に、1億2709万人から約4000万人以上減って、8808万人になるとされています。

生産年齢人口の減少が深刻化し、少子化の進む日本において、その対策の一つとして移民受け入れを拡大するべきだという意見があります。

その一方で、欧州諸国の例にあるように、たとえば治安悪化などの理由をあげてそれに対する抵抗も強く見られます。

日本は今後、移民受け入れを大幅に拡大するべきでしょうか。

また移民が大幅に増えた後には、日本は多民族国家としてのアイデンティティを強めていくべきでしょうか。

多角的に議論を行ってください。

討論時間:約45分
討論の開始前に一人ずつ2分で自己アピールを兼ねた自己紹介をします。

2019年度FIT入試第2次選考概要(B方式)

「帝国大学令」(明治19年)第1条、「大学令」(大正7年)第1条、「学校教育法」(昭和22年)第52条、および「教育基本法」(平成18年)第7条を示し、個々の条文に書かれた語句や文言を比較し、明治から平成まで、国が目指す「大学の理想像」がどのように変遷してきたかについてまとめてください。

解答形式:A3原稿用紙形式400字程度。
試験時間:45分

モーリス・クランストン著、山下重一・中野好之・岡和田常忠訳『政治的対話篇』(みすず書房、1973年)242~243頁における、19世紀イギリスの二人の思想家ジョン・スチュアート・ミルとジェームズ・フィツジェームズ・スティーヴンとの架空の対話を引用し、両者の主張を理解した上で「多様性」および「善」について論じてください。

解答形式 A3原稿用紙形式400字程度。
試験時間45分

個人面接概要
面接時間約10分

ちなみにA方式は内申書は重視せず、B方式は取得科目指定があります。

あらゆるテーマに対して対応できるだけの、かなり細かい分析能力が必要だということがよくわかるでしょう。

さらにAO入試ではかなりの分量をともなった志望理由書を書かなくてはなりません。

なにが何でも書いてまとめる力が必要です。

逆にいえば、書ける人にとってはものすごく有利です。

さらに自己アピールのできる個性もなければ、なかなか合格通知を得るのは難しいのではないでしょうか。

高校時代、何をしてきたのか。

興味や関心の度合いが、志望理由書で確かめられ、面接で聞かれます。

ちなみに昨年度の出願は女子が多く、法律A方式6.8倍 B方式2.8倍 政治A方式9.4倍 、B方式4.0倍でした。

早稲田創造理工学部創成入試

ケースその2

早稲田大学創造理工学部創成入試

2019年度創成入試二次選考筆記試験問題

試験時間 120分

問1 あなたの記憶に印象的に残っている「水」を描いてください。

例えば、大海原の波打つ水、流れ落ちる滝の水、透き通った湖水、森の湧き水、小川の水、道路の水たまり、手ですくった水、コップに入った水、窓についた雨の水滴など、どのようなものでも結構です。

ただし「水」を描写した上で、加えてその周りの状況や風景や人なども含めて自由に描いてください。

問2 「水」を描いた時のあなた自身の考え(なぜその水が印象的に記憶に残ったのか、なぜそれを選んで描いたのか、どのような状況の水かなど)を解答用紙のマス目の中に320字以内で記してください。

このほか、複数の受験生と複数の面接員によるグループ面接(30分)
面接員が受験生一人ずつと面接する個人面接(10分)
必要に応じて本人によるプレゼンテーションを認めます。

ここでも志望理由書は決定的です。

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なぜ、他の大学の建築学科ではダメなのかという理由を明確に述べなければなりません。

早稲田大学建築科でないと学ぶ事が出来ないという視点が必要です。

建築学報に記載された各研究室指導教授の実際の建築や著書をはじめ、建築科の授業内容、留学システム、卒業制作展、オ-プンキャンパス、在校生、設備など具体的に述べる必要があります。

こうした点が一般入試とは全く異なります。

いかに自分をアピールするか、大学にとっていかに有意義な人材か、また自分を合格させる事で大学にどのようなメリットがあるかを示す試験なのです。

前向きで積極的な姿勢を持つ人にはチャンスです。

しかしただ真面目に勉強をしてきたという人には勧められません。

倍率は4倍前後です。

他の学部でもAO入試が実施されています。

内容が実に細かくわかれています。

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さらに英語能力の高い人には、グローバル入試などもあります。

とにかく正確な情報を集めることが大切です。

すでに入試は始まっています。

合格の2文字を獲得する日がくることを、心よりお祈りしています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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