【おなじみ】寄席で毎日聞ける定番の落語15話を一挙に紹介します

ノート

落語はいくつあるのか

みなさん、こんにちは。

アマチュア落語家でブロガーのすい喬です。

落語と一口に言ってもいったいいくつあるのか。

実は誰にもわかりません。

手元にある青蛙房版『落語事典』によれば、1260話とあります。

この本は東大落語会が昭和44年に出版した落語のバイブルです。

ちなみに定価はなんと4700円。

高いですね。

さて本当の数はいったいどれくらいなんでしょう。

結論、誰にもわかんないのです

最近では新作も日々増えてますしね。

そこで一番わかりやすく、誰にでも納得してもらうには…。

毎日の寄席で何が話されているのか、調べるのが手っ取り早いかな

幸い、かなりマニアックな人がおりまして…。

その名もコラムニストの堀井憲一郎さん(1958年生まれ)

ラジオのパーソナリティなどで声を聞いた人もいるんじゃないでしょうか。

あの早口の大阪弁でまくしたてる、愉快なおじさんです。

なんと年間400席もの落語会に足を運んだという、真の落語ファンでもあるのです

あの春風亭小朝からも一目置かれる存在なのだとか。

彼は全ての演目を全部メモにして残してくれました。

イラスト photo

ありがたいというか、暇だというか。

こういう人がいないと、なかなかこんな資料は出てきません。

どこに載っていたのか。

それは落語通の情報誌、『東京かわら版』です。

この冊子には東京で毎日行われている落語会の情報が全て掲載されています。

一昔前の『ぴあ』といったところかな。

といっても『ぴあ』なんて知ってる人がいるんでしょうか。

そんなの、本屋でみたことないけどな…。

そうでしょうね。

どこで売っているのか。

実は都内の寄席と、大きな書店だけなんです。

ところで、どんな噺が毎日演じられているのか。

トップ15ってどんな落語?

そっちの方が気になりますね。

ちなみに1年間に演じられた回数も載せておきましょう

初心者はまずこの15の噺を全部聞くことから始めましょう。

とりあえず演者はだれでもいいです。

寄席に行ってる暇なんかありませんから…。

最初はyoutube

これが最短にして、最良の方法です。

とにかく15話、聞いてお好みのを探してください。

できたら別の落語家の同じタイトルの噺を聞いてみましょう

それで当分の間、暇がつぶれますよ。

1 子ほめ(166)
2 時そば(147)
3 初天神(126)
4 たらちね(116)
5 替り目(113)
6 金明竹(112)
7 粗忽の釘(102)
8 真田小僧(98)
9 転失気(95)
10 宮戸川(95)
11 短命(93)
12 浮世床(89)
13 親子酒(88)
14 壺算(88)
15 道潅(88)

聞いたことのあるタイトルはありますか。

ああ、あのおそばを食べるの、知ってる…。

それは大変にすばらしい。

このタイトルを見て、あらすじがその場で全部言える人はもう初心者ではありません。

すぐに次の有段者コースへ進みましょう。

落語マニアにとって、ここにあげられた落語を聞いたことがないという人は、いないはずです。

日本中で毎日演じられている、まさに定番中の定番。

素直にここから入りましょう。

当分、他にキョロキョロ目を動かしてはいけません。

何事も基礎が大切です。

がっちりと身につくまで、聞き続けてください。

おすすめ。

おやすみ前がいいです。

youtubeの検索の仕方がわかりますか。

googleかyahooの検索窓に向かって「youtube 子ほめ」と打ってください。


さあ、出てきました。

すぐに10人以上の噺家の動画が検索サイトにひっかかりました。

柳家小さん
桂枝雀
春風亭一之輔
立川談志
柳家喬太郎
三遊亭金馬
蜃気楼龍玉
桂文朝
桂春団治
五街道雲助
春風亭柳枝
桂吉朝

知ってる落語家がいますか。

3人くらいいればかなりのもんです。

全員知ってる人は、もう有段者コースへ。

現役で今活躍している人がすぐにわかる人も、かなりの落語通です。

好きな噺家をみつけよう

とにかく聞きましょう。

面白かったら笑う。

誰かのファンになりましょう。

そこから次々と突破していけばいい。

慌てることはありません。

最後におまけとして、子ほめのあらすじと聞き書きを載せておきます。

もちろん、演者によって少しずつ内容は違います。

しかし基本は同じ。

あらすじを確認しながら、聞き書きを載せた本などを今後の材料にしてくださいね

子ほめのあらすじ

おっちょこちょいの八っつぁんは、タダの酒があると聞き、隠居の家を訪ねます。

タダの酒があるって聞いて来たんですが…。

人の家に上がりこんでタダの酒をくれとはなんて野郎だ。

zooocoo / Pixabay

タダの酒なんてある訳がない。

うちにあるのは灘の酒だよ。

タダと灘の聞き間違いでした

しかし、そこでタダで酒が飲めるある秘訣を八っつぁんは教わります。

その方法とは相手をおだてること。

とにかく相手を褒めて気分を良くさせ、酒や肴をご馳走になろうという魂胆です。

相手に年齢を尋ね、年配の方にはその年齢より若く見えると、おだてれば酒の一杯くらい奢っても

らえると隠居に教えてはもらったものの…。

赤ん坊の場合には、親を機嫌よくさせれば、ご馳走にありつけるという話でした。

それを聞いた八っつぁんは、これはいい事を聞いたと町へ繰り出します。

ょうど伊勢屋の番頭さんが歩いてきたんで、声を掛けようとすると『よっ!町内の色男!』と逆

に褒められ、奢らされそうになったりして、うまくいきません。

そこで最近子供が生まれたばかりの竹さんの家に向かいます。

赤ん坊を褒めて酒をご馳走になろうという魂胆です。

竹さんの家に上がり。寝ている赤ん坊を褒めようとしたものの、付け焼き刃ははげやすいの喩え通

り、うまくいきません。

PublicCo / Pixabay

赤ん坊の顔を見て、褒めようとしても、出る言葉が思いとは裏腹に少しもうまくいかないのです。

竹さんは怒ってしまい、酒は出さないことに…。

男は最後は年の若さで褒める決心を。

生まれたばかりで、まだ数えの一つなのに…。

最後は「一つにしちゃあ大変お若い、どう見ても半分でございます」で噺が終わります。

付け焼き刃ははげやすい。

この一言につきる前座落語の代表です。

必ず、どこかで一度は耳にします。

前座さんが話し出したら、これだこれだと思ってじっくり聞いてみてください。

最後までおつきあいいただきありがとうございました。

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