【このついで・堤中納言物語】姫君のところへ通う男に心の変化が【子は鎹】

『堤中納言物語』から「このついで」の段を読みます。子供が男女の仲を復活させる大きな役割を果たしたという話なのです。最後に詠んだ歌が、男の心をつなぎ留めました。歌にはそれだけの力があるということなのでしょう。味読したください。  

【更級日記】神秘的な夜の山の美しさと少女の夢見がちな心の風景がみごと

『更級日記』の足柄山を読みましょう。菅原孝標女が父親と一緒に京都に戻ることになりました。 その時の喜びと戸惑いを実に見事に描写しています。彼女の持つ観察力の鋭さが文章の中ににじみ出ています。味わってみてください。
ノート

【能・羽衣】月へ帰るために羽衣を着て舞う天女の美しさに心がしびれる

能を実際に見る機会というのはあまりないものです。しかし能楽堂の静けさの中で鑑賞すると、その味わいは格別のものがあります。特に人気のある作品は見ておくべきですね。舞いの美しさは絶品です。面をつけて踊るときの様子を味わってください。
学び

【孟子・性善説】礼を身につけ欲を抑え仁の心を持てと説いた儒学の師

孟子の文章を読んでみましょう。いずれも高校の教科書に載っているものです。難しいことは書いてありません。どれも基本的なことばかりです。しかしそれを実行することは、大変に難しいです。どのようにしたらうまくいくのでしょうか。

【空白の意味】日本人は白い無の境地を心から愛した【美しさとは何か】

日本人論の1つとして、この著作を考えてみましょう。日本人の描く絵にはどうして余白が多いのでしょうか。江戸前期まで活躍した長谷川等伯の「松林図」にもたくさんの余白があります。その意味はどこにあるのか。これは日本人の心性を理解するための表現なのです。
学び

【孟子・人に忍びざるの心】井戸に落ちた子を助けようとする惻隠の情とは

人間は生まれつき善なのでしょうか、悪なのでしょうか。それだけでも論争になりそうですね。いろいろな考え方があると思います。子供が井戸に落ちたとき、助けようとするのはごく普通の気持ちです。人によく思われようと考えて行動する人はいません。

【与微之書・白居易】心の通う友への手紙が万人の感動を呼ぶ

白居易の『与微之書』について考えてみます。30年来の友への手紙にはあたたかな心の交流が描かれています。左遷された心情とともに、友を想う心がよく描写されています。日本人によく知られた白楽天の世界を味わってください。

【和泉式部日記】恋多き女性の心の襞を細かく描き切った中世文学の粋

中世日記文学の粋を勉強しましょう。和泉式部は歌人として活躍しましたが、同時に彼女の書いた日記には、女性の生き方が示されています。2人の親王に愛されたにもかかわらず、2人ともに早く死なれてしまいました。それでも自分の愛の世界を描こうとしたのです。
学び

【故事成語】意味深い教訓を含んだ昔話は心に刺さる【由緒あり】

昔から中国で語られている故事成語には深い意味のあるものが多いです。漢文の授業ではそうしたものの幾つかを学びます。一生の教訓として、役に立つのです。代表的な故事成語を是非覚えておきましょう。何かに悩んだとき、ふと口をついて出てきますよ。

【老子・タオの思想】なぜいまこの思想家にこれほど心が惹かれるのか

老子の思想はまさに現代人の心にピッタリと寄り添ってきます。みんな頑張りすぎて苦しいのです。どこかで安らぎを求めています。しかしそれがなかなか現実のものにはなりません。そんな時、心の隙間にすっと入ってくる新しい時代の思想なのです。

【無名草子・清少納言】中宮定子に身も心も捧げた才ある女性の末路は

無名草子には清少納言のことを書いた部分があります。鎌倉時代の考え方からすると、あまりにも才能を持った女性の一生は幸せにはならないと考えられていたようです。父親から漢文を習ったことで、他の女房達との関係はそれほどうまくはいっていませんでした。
ノート

【行け!ミラ中合唱部】すばらしい歌声が心にしみる【必聴】

ミラコロ中学校合唱部の演奏はなかなかのものです。わずか6人のメンバーですけど、その守備範囲は結構広いのです。演奏会にも顔を出したいな。

【チーズはどこへ消えた?】ビジネスマンの心に潜む変化への迷いは

『チーズはどこへ消えた』という本を知っていますか。現代のビジネスマンの中にある不安を言葉にした時、それがチーズだったのです。それまでは食べられたチーズがいつの間にか、なくなってしまいます。どうしたらいいのか。そのテーマが主題です。

【孔子家語】弟子・子路の直情径行をいさめ仁の心の意味を教え諭す

儒家の孔子の言葉を載せた本が『論語』です。この『孔子家語』にはそこに載りきらなかった話がたくさん出てきます。今回は弟子の子路に向かって行った忠告の意味について考えてみましょう。直情径行のある子路には考えもつかなかったことなのです。

【美を求める心・小林秀雄】美しさがわかるとはどういう意味なのか

小林秀雄の評論はどれも難解です。けっして難しい言葉を使っているワケではありません。しかしその内容は実に深みがあり、含蓄に富んでいます。美しいとはどういうことなのか。それをじっくりと考えてみた文章です。味わってみてください。

【やまとうた・和歌】言の葉の源として人々の心を和ませる不思議

905年に成立したといわれる古今和歌集には2つの序文がついています。真名序と仮名序です。土佐日記の作者、紀貫之が書いたと言われる仮名序は特に有名です。言葉が歌になる時、人々の心がおおらかにのびのびしたものになることを示しているのです。