徒然草

【徒然草&花月草紙】友人の選び方と付き合い方くらい厄介なものはない

『徒然草』と『花月草紙』を比べて読んでみましょう。トピックスは友人です。どんな人を友とすればいいのか。昔の人も人間関係ではかなり苦労したのです。いつの時代も同じなのかもしれませんね。悩みの種です。

【徒然草・54段】必要以上に小細工すると結果は予想より惨めになるのです

徒然草はいつ読んでも心に残る本です。今回はまたもや仁和寺の法師の話です。よほど、このお寺に親近感があったのですね。必要以上に手を入れたりすると、結果は惨めなものになるという話です。愉快なので、ちょっと読んでみてください。

【相模守時頼の母は・徒然草】世の中を治める道理は倹約が根本である

『徒然草』の中にある母親の話を書きましょう。時の執権の母親がどのような行動をとったのかというのがテーマです。わざわざ彼女は自分の手で敗れた障子を直しました。全部をなおしたのではありません。破れたところだけを張り替えたのです。なぜでしょうか。

【花は盛りに・徒然草】兼好法師の美意識は人の世の真実に重なる【反語】

『徒然草』は不思議な随筆です。普段、何気なく見過ごしていることにあらためて気づかされることが多いのです。何が本当に美しいのかということなど、考えてもいない時、ふっと兼好法師の言葉が浮かんできます。そこに大きな発見があるのです。

【徒然草二題】冷徹な観察眼で予断なく真実を見抜いた人【兼好法師】

徒然草の特徴は、兼好法師の目の確かさにあります。非常に冷徹で、物事の心理を見抜いているところです。登場人物は大変に人間臭く、弱いのです。だからこそ、兼好は人を愛していたともいえるでしょう。今回は2つの話をご紹介します。

【丹波に出雲といふ所あり】早合点は誰にでもあるもの【徒然草】

『徒然草』を読んでいると、はっとさせられる瞬間があります。この話などもそうですね。人間は自分の都合で勝手にものを解釈してしまうものです。そんな馬鹿なことはないという人は、この話の奥底にある、兼好法師の透徹した目を意識して下さい。
暮らし

【ハレの日が終わって】停滞した時間を黙って生き続ける【ケの連続】

ハレの日が終わりました。人々は再び、日常の風景の中に戻っています。しかし現在の状況は全く先が見えません。オミクロン株に覆われ、第6波が現実のものとなりつつあります。私たちは何を頼りに生きていけばいいのか。幸福はどこにあるのでしょうか。
暮らし

【感染症・コロナ】一病息災なんて暢気に言ってられない時代が来た

一病息災という言葉があります。昔からよく使われています。しかし今は感染症の時代です。暢気に一病などと言ってられなくなりました。兼好法師が徒然草の中で言っていた言葉があります。沖の干潟遥かなれども磯より潮の満つるが如しというものです。

【無常迅速・都のつと】遍歴の歌人が残した紀行文には真心が溢れる

遍歴の歌人、宗久が記した紀行文集が『都のつと』です。学校ではほとんど扱うことがありません。挿話の中で無常迅速について語ったところはしみじみとして味わい深いです。原文と現代語訳を載せました。どうぞご一読ください。

【すさまじきもの・枕草子】をかしの世界を貫く超感覚派【清少納言】

清少納言が書いた『枕草子』は何度読んでも面白い本です。彼女のセンスが抜群なんですね。特にものづくしの章段は実に味わい深いです。今回は「すさまじきもの」を読みましょう。意味がわかりますか。興覚めのするものという意味です。

【よき友・徒然草】お金では買えない一生の宝【ものくるる友が神】

よい友とはどういう人のことを言うのでしょうか。『徒然草』の中で兼好法師は3つのタイプをあげました。その1番がものをくれる人です。誰でも同じですね。何かをもらうというのは嬉しいものです。しかしそれだけではありません。友達は一生の宝です。

【大根の兵隊・信心】徒然草にはユニークな話がいっぱいあって楽しい

『徒然草』は大変に楽しい本です。愉快な話がたくさん載っています。今回は毎朝食べていた大根が兵隊に変身してあらわれたというユニークな内容です。人間、篤い信仰心があれば、いざという時に助けてくれるものがあらわれるのかもしれません。

【猫また・徒然草】怖いと思いこむと神経がメッチャ過敏になるのだ

人間というのは不思議な生き物です。怖い怖いと思うと、なんでも怖くなってしまうのです。ちょっとした物音にも敏感になるものです。風が吹いても怖いのです。徒然草の中にある猫またの話はまさにそのパターンです。恐怖は次の恐怖を誘うのですね。

【先達はあらまほし】愚人の行動は小説よりも奇なり【徒然草52段】

人間は中途半端にものを知った気になるものです。そういう時にとんでもない失敗をしてしまいます。『徒然草』の中にもそんな話があります。しかしぼく自身もシャコバサボテンを相手にとんでもない失態を演じました。やはり先達はあらまほしきことなのです。

【徒然草・神無月のころ】人間の貪欲な魂は細部に宿る【兼好法師】

人間の心というのは、日常生活の細部に滲み出てくるものです。それが怖いですね。徒然草を書いた兼好法師は観察眼の豊かな人でした。他の人なら気づかないようなことまで、見えたのです。「神無月のころ」という一節はまさに人間の本質を示すものです。

【徒然草・折節の移り変わるこそ】変化を捉える兼好法師の目の確かさ

徒然草の中でも有名な章段が「折節の移り変わるこそ」です。自然の微妙な変化をきちんととらえる兼好法師の目は実に確かです。日本人の感性の基本をこの章段が作り上げたと言っても過言ではありません。十分に鑑賞し、声に出して読んでみて下さい。