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【能・羽衣】月へ帰るために羽衣を着て舞う天女の美しさに心がしびれる

能を実際に見る機会というのはあまりないものです。しかし能楽堂の静けさの中で鑑賞すると、その味わいは格別のものがあります。特に人気のある作品は見ておくべきですね。舞いの美しさは絶品です。面をつけて踊るときの様子を味わってください。
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【能・隅田川】梅若殺しを取り入れた狂女ものの代表作【母の悲しみ】

能の中でも狂女ものとジャンルの作品はそれほど多くはありません。『隅田川』はその代表でしょう。『伊勢物語』を題材にしながら、それとは違う梅若伝説をあしらっています。子供に死に別れた母親の悲しみが実にみごとに描かれています。
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【能・道成寺】蛇体に宿った現世への執着が夕暮れの満開の桜に映える

能の演目の中でも「道成寺」は特別なものです。主役の1つが鐘です。100キロ近い鐘の中に入ったシテは、たった一人で鬼に変身しなくてはなりません。乱拍子と呼ばれる足さばきは、1人の能役者として生きていくための関門なのです。
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【能・杜若と葵上】激しい感情の渦が花の精や物怪の存在を浮き彫りにする

能は日本の芸能の中でも特殊な位置を占めています。これほど簡素な舞台が、なぜ豊饒なものになるのか、不思議でなりません。鼓と笛と太鼓の世界が、遠い人の原点へいざなってくれます。チャンスがあったら1度、能楽堂をたずねてください。

【源氏物語・葵上】正妻に取り憑いた物の怪の正体は噂のあの人だった

『源氏物語』の中で1番人気のあるのは、この葵上の段です。六条御息所の生霊が源氏の正妻、葵上に取り憑くシーンは、誠に読みごたえがあります。この段は能にもそのまま移植されました。最後に般若の面をかぶり、 嫉妬の炎に狂う御息所を演じるのです。