【小論文の手順】プロットの決定に時間を割き下書きはしない【要過去問】

学び

過去問が命

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

月日の過ぎるのは早いですね。

もう6月の半ばです。

あと1カ月で夏休みに入ってしまいます。

推薦入試に必須な小論文を学ぶには、かなり時間が不足しています。

総合型の試験は9月に願書を出し、そこからすぐに試験が始まるところもあるのです。

文化祭が終わるころには、すべてが終わってしまうという年内決着型ともいえます。

その時期がきたら少し勉強すれば、なんとかなるといった甘い試験ではありません。

昨今のテーマ型小論文は実に多様な内容のものばかりです

それだけ世界が複雑になっていますからね。

どんな問題が出るのか、簡単には予想できません。

毎年、高校や大学の入試問題を検討していますが、頭を抱えてしまうようなものも多いのです。

明らかに難問が増えました。

それでも受験をするからには、何がなんでも突破しなくてはなりません。

今年出題される問題を予想するためには、まず過去問を知ることです。

あなたはもう志望校を決めましたか。

これが最も大切な最初の関門です。

目標とする高校や大学が決まっていないと、どうしてもが力が出ません。

人間には目指す標的が必要なのです。

具体的に決まったら、過去10年分の問題を探してください。

最近はネット上に公開している学校がたくさんあります。

なければ、学校説明会に行くことです。

親切なところならば、過去問を配布しています。

あるいは出身校の進路指導室を訪ねてください。

過去問が揃えてあることもあります。

アウトプットで実力を

過去問をみれば、どんな傾向の問題が出題されるのか、よくわかります。

制限字数や時間なども、それほどに大きく変更されることはありません。

原稿用紙が縦型なのか横型なのか。

1行の文字数なども学校によって全く違います。

身体になじませることがいちばん大切なのです。

余裕があったら、何枚もコピーして、その用紙の型を自分に刷り込ませてください。

さて実際の問題に接する場合を考えていきましょう。

最近の小論文にはグラフや表の読みとりと、課題文が融合した問題がよく出題されます。

以前は「10年後の夢」とか「今までで1番悔しかったこと」などといった将来や過去の内容を書かせる問題もありました。

いわゆる作文型と呼ばれるものです。

今でも全くないわけではありませんが、確実に少なくなっています。

それと反対に論理的な結論を期待する問題が、頻出しています。

グローバル社会の今、世界で活躍し、自分の意見をきちんと述べることのできる人材を輩出したいという学校側の要望が強くなっているのです。

当然、どのようなテーマであろうとも、食いついていくだけの知識が必要です。

経験だけではなかなか書き切れない、複雑な内容のものばかりだと言っていいでしょう。

それだけに過去問のチェックが大切です。

文化、教育、言語、経済、政治、環境などの中で、志望校によく出るテーマは何でしょうか。

それがわかったら、とにかくその周辺の知識を増やさなくてはいけません。

本を読むといったインプット作業だけでは不十分です。

確かに読書も大切です。

その後で、とにかくアウトプットしてみる。

文章にすることです。

この繰り返しは想像以上に力を伸ばします。

書き方の実際

小論文は、短いとはいえ、論文です。

必要なものは論理です。

美しい文章を書く必要はありません。

筋道が通っていることが大切です。

ここでは幾つかの例をあげてみましょう。

たとえば、日本における少子化の要因と対策について、あなたの考えを述べなさいという問題が出たとしましょう。

この内容に関連した課題文があり、その後に今の設問があるのです。

最初に課題文のキーワードを整理します。

特に何回も出てくる表現は大切です。

筆者は何を主張しているのかを明らかにしてください。

あなたの意見と筆者のそれとの間に差はありますか。

課題文の内容に賛成ですか、反対ですか。

全てに賛成の場合は、筆者の文の中で抜け落ちているところを探し、それを補充します。

部分的に賛成の場合は、納得できない部分に対して、批判をすることが可能です。

全く反対の場合には、筆者の人格を攻撃しないことがなによりも大切です。

こうしたことを頭の隅に置きながら、次の順序で書きましょう。

日本における少子化の要因としてあげられるものをいくつか列挙します。

これが①問題提起です。

その際に筆者の文の内容を、まるごとコピーするのは絶対に避けてください。

根拠と理由は明確に

その次に②根拠と理由を書きます。

なぜその問題を取り上げようとしたのかという理由を、明確に説明するのです。

③さらにその解決方法と具体的な対策を示します。

どのようにしたら、日本の少子化は防げるのか。

ここが最大の眼目です。

現実の問題をきちんと踏まえて書かなければダメです。

夢物語のようなことばかりを羅列したのでは、評価が一気に下がります。

④最後にその対策を考えた理由を示し、結論に持ち込みます。

これだけで800字程度にすぐなります。

このプロットを書き出す前にきちんと考えてください。

何文字程度で何を書くかというのは、練習がいります。

少しやり始めると、字数の感覚がつかめてきます。

どのあたりで具体例を書き、方法論を述べるか。

geralt / Pixabay

その理由を経験などとからめて書けば、なお理解しやすい文章になるでしょう。

ただし経験はあくまでも個人のものです。

誰でもがその通りだと納得できなければ、無意味です。

いかがですか。

この字数の問題ならば、制限時間は60分が平均でしょう。

やってみてください。

実際に鉛筆を持って書いてみれば、いかに難しいかがわかります。

下書きなどをしてから始めるのは、時間的なロスがありすぎます。

絶対に無理です。

1度で完成させる能力を養わなくてはなりません。

文章の命はプロットにあります。

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頭の中で完成した方向へ進んでいく訓練をすることが大切なのです。

とにかく始めてみてください。

それがなによりです。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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