【小論文の核】同じ内容を繰り返して書くと即死【苦しまぎれはNG】

小論文

序論と結論

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は小論文における論理の進め方について考えます。

課題文があって、それに対応した文を書くというスタイルにはもう慣れましたか。

このバターンで練習しておけば、ほとんど失敗することはありません。

残るのはグラフ、資料の読み取り問題だけです。

それについては他の記事でまとめてあります。

最後にリンクを貼っておきます。

後で読んでみてください。

課題文型の問題の場合、基本は絶対に同じ内容を繰り返さないことです。

これだけは必ず守ってくださいね。

どんなに長くても制限字数は1200字程度です。

それ以上はかなり特殊なケースです。

通常は800字で練習すれば大丈夫です。

となると、繰り返しは致命的です。

課題文と同じ表現も繰り返して使いたくありません。

とにかく変化させるということを最大限に意識してください。

序論、本論、結論でも、起承結でもどちらでも同じです。

小論文の場合、「転」はいりません。

最初に序論で内容を説明するとどうなりますか。

当然課題文の繰り返しになります。

本論はどうでしょう。

序論で述べたことをまた繰り返して、それに説明をつけるのではありませんか。

これも繰り返しです。

最後に結論では今までのべたことをもう1度復習してまとめます。

これこそが繰り返しを誘発するのです。

同じパターンばかり

実際に採点をしているとこのパターンの答案が多いですね。

何度同じ話をすれば満足するのというレベルですね。

こういう書き方が有効な文章もないワケではありません。

しかし800~1200字では通用しません。

約束してください。

とにかく繰り返しはNGです。

自分が同じループの中で循環しそうになったら、そこから抜け出る方法を探ってください。

そのためにはどうしたらいいのか。

この方法なら繰り返さなくていいという基本を学ぶことです。

とにかく課題文を読む。

そこから問題になるテーマを探り、自分がどの方向にこの文章を書きたいのかを宣言します。

つまり第1の関門、問題提起です。

どこに問題の核心があるのかを明確に示すのです。

自分が進みたいテーマの方向性を示すのであって、課題文を要約するのとは違います。

それをしてしまうと、完全に課題文のリピートになってしまうのです。

これは絶対に避けてください。

どうしても繰り返さなくてはならない場面にぶつかったら、可能な限り短くすること。

キーワードをかえて、内容が重ならないようにすること。

あまり慣れていない受験生は、ここで筆者の文章に使われた言葉をそのまま濫用するのです。

これは最悪です。

なんにも考えていないことの証拠です。

自分が完全にテーマを咀嚼したのだという証拠をつきつけてください。

道筋を明確に

ここまでが問題提起です。

自分がこの文章で何を論じたいのか。

その道筋を明確に示すことです。

それも繰り返しなしにです。

それが終わったら、原因の分析と対処の方法を考えましょう。

ここでの分析力が受験生の力をみせる最大の場面です。

そのために必要なものは何か。

圧倒的な知識です。

さらに有効な情報です。

どの程度の理解力があるのかがここで全て明らかになってしまいます。

日々の暮らしの中で、そのテーマがどういう意味をもっているのかを考えていた人と、そうでない人の差は歴然です。

見ていた人と見ていなかった人との差です。

目の前にあってもそれと認識していなければ、何も見えません。

つまりその事実はないのと同じです。

あっても見えない。

結局、何も書けない結果を生みます。

書けないから苦しまぎれに課題文の内容を繰り返す。

このようなプロセスをたどっていくうちに、墓穴を掘ってしまいます。

もうのぼってくることはできません。

何がいいたいのかわからないだけならまだ許せるとしても、繰り返しばかりでは、本当に採点者にとっては迷惑千万です。

国語力と社会への目

分析するためには国語力が必要です。

もう1つは社会に対する目です。

格差社会といわれて、そのディテールがすぐ文章になりますか。

小見出しが頭に浮かびますか。

筆者の論点に足りない部分は何か。

補足してあげるとすればそれは何か。

基本的に課題文の内容に対して賛成か反対か。

その1つ1つに項目を設けて内容を精査していく必要があります。

課題文を読んだら、ただちにそれだけの作業をするのです。

基本的な字数は800字です。

根幹の部分だけを残して、残りは消去します。

この取捨選択が力量を示すのです。

どうしても難しい場合は仮説を示すという方法もあります。

それを示すことで独自性を発揮することもできます。

ただし内容はきちんと構成されていなければなりません。

独自なアイディアを提出できるということは、大きなアドバンテージです。

具体例もまさにそれと同じパターンです。

なんでも書けばいいというものではありません。

最もフィットした内容に絞る。

geralt / Pixabay

それ以外は全て消去します。

経験の質が誰にとっても理解でき、文章の補足として十分な意味を持つと認められるものがポイントです。

いよいよ最後が結論です。

解決策の提案です。

ここまでくればある程度の実力が採点されていることでしょう。

最後にもうひと押しです。

合格を確実にする行為です。

確認をとる作業といってもいいでしょう。

まとめと称して、繰り返すのだけはやめること。

しつこい印象だけが強まります。

とはいえ、解決策を簡単に提案できるテーマは殆どありません。

それくらい世界は複雑化しています。

その中に突っ込んでいくのですから、それなりの覚悟は持ってください。

荒唐無稽な結論を書かないこと。

SF小説なら許されることでも、小論文では無理です。

今回は全体のまとめ方について解説してみました。

参考にしてください。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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