仮死状態
みなさん、こんにちは。
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回は誰でもやりがちな語句の使い方について説明しましょう。
よくやってしまうミスなのです。
書き癖といった方がいいかもしれません。
疲れてくるとつい出る表現の1つがこの接続助詞「が」なのです。
断言しておきます。
安易に使うのはやめましょう。
「が」で文をつなげると、いくらでも長くなります。
そういう要素を含んだ表現なのです。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/08/ポイント_1566522123-1024x379.jpg)
その分、内容が相手に伝達されにくくなります。
どれが主語で、どれが述語かわからなくなっていきます。
そのために読んでいる人を混乱させてしまうのです。
接続助詞の「が」は、「逆接」と「単純な接続」の2つの用法を持っています。
つまり全く正反対の使い方がされるのです。
逆接だと思って読んでいると、ただ内容を次に繋げるだけの時もあります。
「単純な接続」と「逆説」の区別が面倒なのです。
小論文では接続助詞の「が」は「逆接」に利用する頻度が高いです。
しかしそんなことを全く意識せずに「単純な接続」として使う人もいます。
だからこそ、混乱を招きやすいのです。
小論文では基本的に「が」は逆説を呼び込むときだけに使いましょう。
これが基本です。
できることなら使わないのが1番です。
これがベストです。
接続に使うな
小論文で単純な接続のために「が」を使うのは極力避けた方が無難です。
初心者ほど苦し紛れに使う傾向があります。
過去に書いた自分の文章をチェックしてみてください。
赤いペンでマークすれば、すぐにわかります。
例をあげてみましょう。
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私はこうした問題に基本的には賛成だが、時にはやはり反対の立場にたちたくなる。
それというのも筆者と同じような経験をすれば、必ず違和感を覚える瞬間があるのだが、それを強くは言えないことが多い。
なぜなのかを自分で考えてみたことがあるが、まさに社会が背負っている課題ともいえるような気がするのだが、はっきり断言するほどの自信はない。
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この文章には4つの「が」が出てきます。
最も書いてはいけないタイプの文章ですね。
なおしてみましょう。
全ての「が」を取り除くところから始めなくてはなりません。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2020/12/undraw_Work_chat_re_qes4-1024x628.png)
文章を短くするのです。
必要なのは的確な接続詞です。
きちんと相互の文章の意味が通じるように並べかえなければなりません。
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私はこうした問題に対して、基本的には賛成だ。
しかし時には反対の論理を述べたくなることもある。
筆者と同じような立場にたてば、必ず違和感を覚える瞬間がある。
それは当然だ。
だからといって、強く反論を述べることができないケースもある。
なぜなのか。
これこそが日本社会の持つ大きな課題なのである。
しかしそれを断言してしまうほどの自信が今の私にはない。
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「が」は万能接着剤です。
どこにでもペタペタとくっつきます。
そして文章を長くし、意味をわからなくするのです。
方法は1つ
どうしたら文章がうまくなるのか。
盗むことです。
上手な人の文章を写すことです。
息遣いをそのまま、自分のものにしましょう。
最初からそんなにリズムのいい文章が書けるワケはありません。
だから写してみる。
どんな助動詞や接続詞を使っているのかを身体で覚えこんでいくのです。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/12/undraw_all_the_data_h4ki-1024x745.png)
それ以外に方法はありません。
何を写せばいいのか。
よく言われるのが新聞のコラムです。
入試に最もよく出るのは朝日新聞の『天声人語』だと言われています。
筆写するためのノートまで売り出されています。
興味のある人は使ってみてください。
原稿用紙にただ書き写すだけでもかまいません。
何を覚えるのか。
言葉の表現と、構成、息継ぎの仕方です。
誰も教えてはくれません。
必死に盗みだすのです。
テクニックをとにかく真似します。
諦めない
言うのは簡単ですが、実際はすごく難しいです。
初心者はどこがいいのかわからないからです。
どういう味付けをしたらおいしくなるのかが、まったくわかりません。
ごく普通の文章にしか見えないのです。
だから途中で投げ出してしまいがちです。
しかし見る人がみれば、文章の味わいがわかるのです。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/09/真実_1568104850-1024x672.jpg)
文と文を繋げるというのは想像以上に難しいです。
「が」を多く使ってしまう人は、自分の文体を持っていないケースが多いようです。
だからどうしても便利な瞬間接着剤でつなげてしまう。
この方法だけは絶対に避けてください。
1文は短くしましょう。
なぜ「が」を多く使うのかといえば、文章を長くする癖があるからです。
よく見かけるのは主語と述語が基本的に呼応していないものです。
「なぜなら~だからだ」「決して~ない」などの言葉の受け方を知らずに使っています。
読者は迷うだけですね。
読んでもらう人になるべく理解されやすい文を書きましょう。
無意味に長くしないことです。
最初のうちは意識して「が」を使わないようにしてください。
確かに苦しいです。
次第に慣れます。
そのうちなくてもちゃんと意味の通る文章が書けるようになります。
頑張ってください。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。