【小論文】模擬試験を複数回受験して自分の弱点を探そう【重要】

学び

採点は大変

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は模擬試練の意味について考えます。

過去20年の間に何枚の答案を読んだのか。

自分でもちょっと見当がつきません。

特に私立大学は学部によってかなり出題の方法が違います。

文系以外に医療看護薬学部系などに分かれます。

ほとんどが課題型の長文を出題し、それに対して800~1200程度を書かせるというものでした。

なかには2000字レベルの模擬試験もありましたね。

読んでいて感じたのは、答案にそれほどの優劣がないということです。

時々目が覚めるようなみごとなものもありました。

これは文句ないというのは読んでいてすぐにわかります。

言葉が立っています。

もちろん、感覚的な表現でしかありませんけど…。

一言でいえば、主部と述部の関係に破綻がないのです。

主語が述語にきちんと対応しています。

感心して読んでいる間に最後の結論にまで導かれます。

小気味いいほどです。

これくらい頭の中が整理されていれば、何をやってもうまくいくだろうというレベルでした。

どんぐりの背比べ

しかし大多数の答案はどんぐりの背比べです。

1つのテーマがあっちへいったりこっちへいったり…。

なかなか安定しないのです。

それを採点するのですから大変です。

たまたま自分の得意な分野にピタリと照準があった時というのがあります。

例えば、教育の問題とか、福祉の問題。

あるいはジェンダー問題。

自分の関心がすぐに内容を正確に捉えたのでしょう。

偶然学校でそういう問題をプレゼンした経験などが生きていたのかもしれません。

しかし総じて紋切り型の文章が多かったです。

破綻は少ないものの内容が薄い。

ネットのどこかに載っていたというタイプのものが多く見受けられました。

読書量が明らかに少ないのがみてとれましたね。

はっきりと自分の立場を貫くだけの識見を持っているとはとても思えませんでした。

ただし破綻は少ないのです。

一言でいえば、のっぺらぼうな答案です。

どこに本当の顔があるのかわからないのです。

タテマエを優先しているものも目につきました。

こういう文章を読まされていると、大変に疲れます。

Alexas_Fotos / Pixabay

一般論がどうしても先行するようです。

それでも採点者はなんらかの評価をしなくてはなりません。

添削なども含めて、採点をするということは、その採点者自身が試されるといるのだということを実感しました。

もちろん頼まれたのです。

必死に食いついて良否を判断しなければなりません。

受験生の論理の上に立って、一緒に可能か不可能かを考えるのです。

大変に疲れる作業でした。

入試も模試と同じ

実際の試験でもこれと全く同じだと考えてください。

では受験生はどうしたらいいのか。

課題文の内容にどこまで食いついていけたのかを自己検証しなくてはなりません。

試験が戻ってきたら、すぐに点数などみて一喜一憂するのは馬鹿げています。

もちろん気持ちがわからないワケではありません。

しかし全く無意味です。

断言しておきます。

まずその問題の内容が自分にとって当たりだったのかはずれだったのかを検証してください。

当たりだったならばとりあえずラッキーだったと考えましょう。

はずれならば、なぜはずれたのか。

全く関心がなかった理由はなにか。

反省してください。

解説を読み、どこがテーマの核心なのかをきちんと把握すること。

それが見えていないと、いくら勉強をしようと思っても先へ進めません。

入試までの時間は限られています。

それほど暢気にかまえてもいられません。

どうすればいいのか。

よい評価をとれなかった模擬試験をもう1度自宅でやってみてください。

解説を読んだ後なら、隋分といい形に近づいたのではないですか。

どこに結論をもっていったら一通りの文章になるのか。

それがみえてくれば試験を受けた意味があります。

解説にいくつか解答例が載っているものと思われます。

その形をある程度覚えてください。

言葉のリズムを自分のものにするのです。

解説書にある文章は、新聞、評論型が中心です。

文体も構成もまさにそのタイプです。

5W1Hをすべて網羅しているとはいえないかもしれません。

しかしそれに近いものではないでしょうか。

評論文に使われる言葉が中心のはずです。

持っていなかった語彙をそこで実戦向きに再利用しましょう。

過去問の入手

可能ならば、それ以前の模擬試験の問題と解説を手に入れたいものです。

宝の山です。

ある程度やったら最後のツメは当然志望校の過去問チェックです。

数年間のものを検索すれば、自ずと傾向が見えてきます。

自分の不得意な分野があったら、そこをなんとか埋めてください。

何を書いたらいいのか全くイメージが浮かばない場合はかなりの重症です。

その分野に少しエネルギーを注ぎましょう。

そのために関連の新書を読むことを勧めます。

時間がないのは誰もおんなじ。

アリだって忙しいのです。

スキマ時間をうまく使ってください。

ここからどうするかで最終的な実力がつくかつかないかが決まります。

知らなかった語彙を集中的に身につける。

新聞の関連記事を読む。

意識して、苦手な分野をフォローしておきましょう。

なるべく弱点をつぶしていくこと。

そうすれば本番でも慌てなくなります。

どのようなテーマが出ても、一通りの文章が書けるようにしておいてください。

タテマエばかりの小論文はNG。

ギリギリまで考えたという軌跡を採点者に見てもらうのです。

それ以外に合格への道はありません。

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頑張ってください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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