落語のお稽古
みなさん、こんにちは。
アマチュア落語家でブロガーのすい喬です。
今日は偶然朝刊でみつけた話。
最近、喉がかすれて老けた声になってませんかという記事でした。
まさにピタリ。
これにはまいりましたね。
というのもコロナの影響なんです。
今年はお正月に1度。
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2月に1度だけ高座に上がって以来、全く落語を喋ってません。
月に2回のお稽古会もずっと中止。
つまり全然落語をやってないのです。
なんで自宅で稽古をしないのと言われてしまうと、申し訳ありませんと頭を下げるばかりです。
やっぱり落語会があるから、なんとかしなくちゃと焦るのです。
いつ開かれるのかわからないのでは人間ダメですね。
途端にナマケモノになっちゃいます。
職場でもそうです。
マスクをずっとしてます。
お昼の食事も以前なら大きなテーブルを囲んで和気あいあいと喋りあってました。
ところがそれも厳禁。
みんな自分のデスクで黙々と食べてるだけです。
大きな声なんか出しません。
ぼくはずっと教員をやってきたので、毎日大声を張り上げてました。
それが一段落して、今はデスクワークがメインなのです。
そうなると、どうなりますか。
大きな声でしゃべらない日々
つまり静かな日常なのです。
家に帰っても、話し相手は奥様だけ。
奥の部屋に潜ってなにやらゴソゴソと趣味三昧のようです。
ひたすら聞こえてくるのはミシンの音ばかり。
全くお喋りをしないというのではありません。
普通の夫婦よりは隋分と語り合う方です。
それでも以前より、大きな声を出すことは少なくなりました。
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仕事から帰ってきてさて声を出そうとすると、なんとなくしゃがれてるのです。
喉の奥で声がスースーするというのかな。
ハスキーボイスになってるんですね。
これはごく最近のことです。
以前のように教室で大声を出している頃にはなかった経験です。
かつては時々喉が腫れて痛くなり、吸入器まで買い込んだこともありました。
それでも落語会に出かける前には一席ちゃんと稽古をするのです。
マイクなんかなくても後ろまで通るくらいでなくてはダメです。
これを「本息」といいます。
「本番と同じ息」という意味で、本番と同じような息継ぎ・間・テンポ・仕草で落語を演じます。
それでも声がかすれることなんてありませんでした。
かえって勢いが出ていい声が出るのです。
芸事は「1声、2節」といいます。
まずなんといっても声がよくなければダメ。
一人前にはなれません。
人と話す
最近「久しぶりにカラオケに行ったら、声がかすれてうまく歌えなくなった」という話も聞きます。
なんとなく電話でも声がかすれるとか。
どうしたの喋りすぎたのと訊かれて、そんなことはないのにと思ったりしたことはありませんでしたか。
加齢で済まされてしまうと、後の言葉が出てきません。
自分でもどうしたのかよくわからないのです。
専門家によると、発声する時に使う喉の筋肉の衰えによるらしいです。
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しかし筋肉だから鍛えることもできるのです。
ただの声の異常だと思っていたら実は、重病からくるサインの場合もあるといいいます。
軽く考えてはいけませんけどね。
1番いいのは、とにかくはっきりと大きな声を出すこと。
人と喋ること。
電話でもなんでもいいそうです。
歌うのも効果があるらしいのです。
一息で鼻から空気を吸って「あ~」と声を出してみるのが診断法だとか。
男性なら30秒くらい、女性なら20秒くらい声を出し続けらればいいそうです。
とにかくトレーニングあるのみ。
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喉仏の下あたりにある左右5個ずつ、全10個の筋肉を動かすことが大切なようです。
しゃがれた年寄りくさい声はご勘弁だという人は、まず知り合いに長電話をしてみたらどうでしょう。
昨今はラインならタダです。
いくら喋ってもお金がかからない。
モノ言わぬは腹ふくるるワザという言葉もあります。
日頃のウップンを大きな声で誰かに向かって吐き出すのが1番じゃないでしょうか。
保湿に注意
湿気も大切なんだそうです。
ハリのあるツヤ声になるためには水気をとらなくてはいけません。
喉の保湿ですね。
今はみんなマスクをしてますから、かなりその意味では効果があるのかも。
トレーニング方法としては、他にチューブ発声法と呼ばれる方法もあります。
用意するのは、ストロー1本。
ストローをくわえて「う~」と5秒以上発声する。
口の中を膨らませて圧を高めるのがコツです。
むせたりしたら大変です。
ゆっくりやってください。
新聞記事を読みながら、さて自分は何をしたらいいのかと考えました。
やっぱり落語の稽古につきますかね。
実は昨日も大きな声を出して「厩火事」を本息でやってみました。
20分以上かかります。
喋った後の汗がすごいのです。
身体中、びっしょり。
よくテレビで見たことがありませんか。
落語家が額にたくさん汗をかいている姿を。
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まさにあれです。
そしてその後になぜか声がよく出る。
かすれないのです。
知り合いのプロの噺家はボイストレーニングなんてしたことがないとかつて話していました。
寄席で喋っているのがそのまんま鍛錬になっているのです。
その後、打ち上げと称して飲み屋に行き、たくさんアルコールを飲んで、さらにカラオケへというコースもあるそうです。
あんまり喉にはよくないですね。
それでもちゃんと高座で喋れるのは、まさに日々の実践トレーニングのおかげなのでしょう。
昨今は寄席の楽屋でもタバコは厳禁。
少し離れた場所に芸人用の隔離施設があります。
かつては芝居の稽古場に行くとタバコの煙だらけでした。
今はそんな時代じゃありません。
やめた方がいいですね。
健康的な生活をしながら、落語の稽古に励む。
電話をして会話を楽しむ。
とにかく大きな声をちゃんと出す。
これが老化の防止法なのです。
声を出せば、かえってかすれなくなります。
どうぞ、トライしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。