【志望理由書】医療看護系は仕事への覚悟を示すことが一番大切

学び

明確に理由を書く

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の経験を持つ、元都立高校国語科教師すい喬です。

今回は医療看護系に進学するための志望理由書について解説します。

どのような理由で医師や看護師を志望したのかということを書かせるものです。

職業が最初から決まっているので、書きやすいと思っているかもしれませんが、実際やってみると、結構難しいです。

医療系の場合はとにかく覚悟を示すことに尽きます。

これなしに志望理由書がうまく書けるということはありません。

逆にいえば、目的が明確であればあるほど、力のある文章が書けるということになります。

きちんと今までの生き様をノートに書き出すのもいいでしょう。

いつ、どのような時に将来の職業を選択する意志をかためたのか。

そこをまず明確にしてください。

きっかけは何か。

ここに志望理由書のポイントがあります。

そこが見極められれば、残念な結果になることはありません。

最初に志望理由を求められたら、なりたい職種をはっきりと書いてください。

ここはストレートで短い文章がいいです。

余計な言葉を使うと、かえって力がなくなります。

看護師になりたいので貴校(貴大学)を志望したと書けばそれで十分です。

問題はその次です。

きっかけをどう書くか

志望理由書の成否はここで決まります。

なぜこの職業を選ぼうと思ったのか。

医師や看護師、医療技術者を目指すようになった経緯をなるべく詳しく書くのです。

ここがいい加減だと、動機と意欲がないと取られてしまいます。

具体的にはどのようなまとめ方がいいのでしょうか。

今まで随分とたくさん添削してきたなかで一番多いパターンは以下の通りです。

かつて自分が入院した時、献身的に介護し、治療にあたってくれた医師、あるいは看護師に出会った。

その姿を見て、自分も将来人に尽くす仕事に就きたいと考えるようになったという図式です。

基本は人との出会いです。

あるいはある医師や看護師の本を読んだ。

衣料技術者の話を聞いたというパターンです。

これもよくあります。

テレビで見たり聞いたりしたことを書く人もいます。

それまで知らなかった世界の存在が、自分の中で急速に大きくなり、その結果として現在の志望が固まったというものです。

あるいは両親や親戚の人の職業がたまたま医師や看護師だったということもあるかもしれません。

仕事のハードな側面をきちんと把握していれば、正確に文章を綴ることも可能でしょう。

いずれにしてもどのようなきっかけで医療従事者になろうとしたのかということを具体的にまとめてください。

採点者はここを何度もみます。

面接の時も、志望理由書のこの部分から質問を発するということがよくあります。

つまり自分という人間を知ってもらえる最大のチャンスだと思ってください。

ここでアピールしないことには話になりません。

ただし大げさに書かないこと。

知らないことをいかにも知っているかのように格好つけてはいけません。

すぐに見破られます。

自分が見てきたこと、知っていることを誠実に綴ることです。

そうすれば、かならず採点者の心に届きます。

いかにもありそうなことをうまく書いてもダメです。

採点者は志望理由書をたくさん読んでいますから、すぐに見抜かれてしまいます。

入学したいという気持ちのあまり、形ばかりを整えようしてはいけません。

必ず見破られます。

志望がかなったら

なぜこの職業を選んだのかということを書き終わったら、次になった後のことを書きます。

職業についてから何をしたいのかを具体的に書くのです。

もちろん現実と希望との間に差があるのは当然です。

知らないこともたくさんあるでしょう。

それはそれでかまいません。

今の段階でこうなりたいという気持ちを素直にまとめればいいのです。

ここで必要なことは覚悟です。

実際仕事についてみると、ここまで過酷なのかという場面がいくらでもあります。

現在も医療従事者の数は足りていません。

皆、疲れ切っています。

勤務時間も通常のサラリーマンとは全く違います。

いつ何があるのかわからないのです。

さらには患者のおかれている環境があまりにも違うことです。

指示に従わず、横柄な態度をとる人もいることでしょう。

インフォームド・コンセントという言葉を知識として知ってはいても、現場ではまた違う側面を見せます。

医療ミスも起こります。

亡くなっていく人を目の前で見ることもあります。

生きるということがどのような意味を持つのかということを考えざるを得ません。

そうしたことの全てがストレスに繋がります。

神経を痛め、病んでやめていく人も多いのです。

自分自身の結婚や育児の問題もあります。

そうしたことの全てを含んで、覚悟という表現を身につけなければなりません。

ターミナルケアをどこまでも追求することは苦しいのです。

患者本位の医療従事者になりたいという意志をつよく鮮明に打ち出してください。

そうしないと、学校は安心して入学を許可することができません。

体力が必要です。

しかしそれ以上に精神の強靱さも必要なのです。

そこまでの覚悟を含めて、やりきるのだと宣言する態度を身につけてください。

これが医療従事者には絶対に必要なことです。

学校の特徴を知る

志望理由書は自分が入学したい学校に提出するものです。

つまりその学校(大学)の持っている特徴をどこまでも熟知しているということが前提です。

それが自分の学びたいことと、どう一致しているのかを十分に説明してください。

建学の精神のこの部分に賛同したということをはっきり書いてください。

ただし、学校のパンフレットに示してあるようなことを繰り返してもダメです。

学校説明会には行きましたか。

その時、特に目についたことはなんでしたか。

一番気にいったのはどんなところですか。

それを書くのです。

自分だけのお気に入りを自分の視点で書きます。

これが採点者には響きます。

刺さるのです。

そこまで考えて入学したいのなら、間違いはないだろうと判断するのです。

学校への愛情を冷静に告白するのだと考えてください。

ここまでいくつかの視点から書きました。

理解してもらえたでしょうか。

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最大のキーワードは「覚悟」です。

これなしに医療系の志望理由書は成立しません。

提出前だったらもう一度、読み直してください。

これから書く人は、そこに重点を置いてください。

みなさんの熱意が必ず届くはずです。

ご健闘を祈ります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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