芭蕉

【岩鼻や・去来抄】芭蕉・去来・酒堂3人の解釈の違いに俳諧の深みが潜む

俳句の話です。向井去来の『去来抄』の中にでてきます。岩鼻やという句の解釈をめぐって芭蕉との考え方の違いが明らかになります。たった一つの表現を変えただけで、世界の構図が違ってしまうのです。

【枯野抄・芥川龍之介】芭蕉臨終の場面で弟子たちがみせた心理のドラマ

芥川龍之介の『枯野抄』は芭蕉が亡くなる死の床を描いた小説です。多くの弟子たちはそれぞれの自意識で動いています。その心理を一人一人めくっていくという作業が容赦ありません。短編ですので、一読をお勧めします。

【おくの細道・象潟】松島に似た風光の地に芭蕉は寂しさと悲しみを見た

『おくの細道』の旅は5カ月間続きました。その中に秋田の象潟の章があります。今と違って海の上に島がぽっかりと浮かんでいました。松島と似たような風景だったのです。その様子を芭蕉はなんと表現したのか。味わってみてください。

【奥の細道・平泉】芭蕉の視線の彼方には杜甫の漢詩・春望が見えた

『奥の細道』の中でも「平泉」はとりわけ表現のみごとな段落です。その理由は背景に杜甫の詩を連想させるからです。「春望」の世界をイメージしながら、この段を読むと、格別の感慨があります。松尾芭蕉は有名な俳句をここでつくりました。
ノート

【落語】鼓ヶ滝は西行法師の成長をあたたかく見守った和歌三神の物語

落語の「鼓ヶ滝」は西行法師を主人公にした噺です。最初につくった和歌を次々と土地の人になおされ、最初のものとは全く違うものに変身してしまいます。西行の慢心を救ってくれたのは和歌三神といわれた住吉明神、 人丸明神、 玉津島明神でした。