不思議

【盲亀浮木・今鏡】人がこの世に生まれることの不思議こそがラビリンス

盲亀浮木という言葉を知っていますか。仏教の経典からとった表現です。盲目の亀が大海に浮かんだ木につかまることの困難さを示したものです。それだけに木につかまった時の幸福度を想像してみてください。『今鏡』に所収されています。

【山東京伝・内田百閒】不思議な味わいのある夢物語は師・漱石の筆致に似て

作家、内田百閒の世界は実にユニークです。今回は彼の夢物語『山東京伝』を読みます。この江戸時代の作家に弟子入りした男が見たものはなんであったのか。それを追いかけていくだけで、不思議な世界がそこにあらわれます。
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【志ん生と小林秀雄】話芸と文芸の関係は表裏一体【喋り方が瓜二つ】

落語家、古今亭志ん生は独特の間を持っていました。どのようにして、彼はこの時間の隙間を獲得したのか。稽古だけでは絶対に身につきません。その人が元から持っている時間の感覚です。それを煎じ詰めたものに他ならないのです。評論家、小林秀雄との関係は。
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【100均・コップ】なぜ安い食器は滅多に割れないのか【不思議】

安物の陶器はなぜいつまでも割れないのか。これは不思議ですね。きっと使う人の態度にその秘密があるのかもしれません。あまり緊張をしないからなのか。非日常的な動きをしないで、ごくさりげなく扱うからかもしれません。100均は宝庫です。
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【師匠と弟子・落語】日本の芸能に宿る不思議な血縁の世界【破門】

日本の伝統芸能には複雑な師匠と弟子の関係があります。1度入門すると、その関係は一生繋がります。自分から廃業しない限り、ずっとついてまわるのです。落語の世界もまさにそれです。スカウトされて入る世界ではないので、最後は破門という形もあります。

【やまとうた・和歌】言の葉の源として人々の心を和ませる不思議

905年に成立したといわれる古今和歌集には2つの序文がついています。真名序と仮名序です。土佐日記の作者、紀貫之が書いたと言われる仮名序は特に有名です。言葉が歌になる時、人々の心がおおらかにのびのびしたものになることを示しているのです。
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【学校という社会の不思議】降格人事を望む人がいるという教師の世界

学校というのは不思議な社会です。外から来た人には確かに謎が多いものの、中に入れば、まったりとした社会なのです。誰でもが先生と呼ばれ、自分が本当に何者なのかがわからなくなっていきます。降格を希望する管理職も出る不思議なトポスです。
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【フェルマーの最終定理】超難問がおまけで解けたというクールな話

フェルマーの最終定理を御存知ですか。350年間、誰も解けなかったのです。本当に苦労してやっと答えがみつかりました。ところがつい最近、全く別の方法で解法がみつかったのだよ。
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【野ざらし】1人で狂気と妄想に駆られて骨を釣るという不思議な落語

野ざらしは楽しい噺です。しかし1人で妄想に駆られるという状況が自然なものに見えないと、うまくいきません。そこが最も難しいところてす。一緒に登場人物と遊ぶくらいのこころのゆとりが必要でしょうね。
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【おカネの作り方】ホンモノの代替品が現金になるという謎のカラクリ

本当にお金を作るのなら、ホンモノの代替品をつくる以外に方法はないのです。約束手形のようなものやカード、ペイなどいくらでもお金の代わりになるものはあります。ホンモノに似せて作ろうとすれば、それは犯罪です。ここに論理の矛盾がでてくるのです。
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【文化人類学への招待】世界の不思議はこの学問が解決してくれる

日常的にはごく普通のこととして納得していることでも、なぜだろうと考えると不思議なことがたくさんあります。その解決の糸口を与えてくれる学問が、文化人類学であり民俗学なのです。全く別のところから光をあてて、謎を解明してくれる学問なのです。
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【行列考】誰かが並ぶから並ぶというごく不思議な人間の習性とは

行列というのは不思議なものです。人気のある店に人はなぜ並ぶのか。その理由を探っていくと現代人の不安がみえてきます。自分だけひとりぼっで取り残されるのが怖いのかもしれません。並ぶという行為はかなりハイレベルなアクションなのです。

【村上春樹】短編・象の消滅は不思議で寂しくミステリアス感100%

村上春樹の短編『象の消滅』は不思議な味わいの小説です。どこかふわっとした現実味のない、それでいて心象風景をみごとに捉えた傑作なのです。アメリカの雑誌「ザニューヨーカー」に翻訳されて掲載されました。後に舞台化もされ大きな話題になったのです。