【小論文の破壊力】展開部を支えるためにメモと客観的な事実が必要

学び

小論文の破壊力

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は小論文を支える力はどこから出てくるのかという話をします。

つまり破壊力の源です。

たくさんの答案の中から、あなたの書いたものを光らせるためにはどうしたらいいのか。

他の人と同じことを似たようにまとめたのでは、評価が高くはなりません。

だからといって、採点者は小説を読もうと思っているのではありません。

あなたの感覚がいくら鋭いからといって、それに酔うようなことはけっしてないのです。

では何をみているのか。

今までに何度も書きました。

論理性です。

これ以外にはありません。

あなたの夢がいくら美しく述べてあるとしても、それは評価に値しないのです。

グラフや表を読み取るのに、自分勝手な希望を述べられても迷惑なだけです。

数字に真正面からぶつかり、客観的な事実を読み取る道しかありません。

その正確な読解力が、入学した後の学習に役立つのです。

Wokandapix / Pixabay

その証明をする必要があります。

あなたの憧れを書いている余裕はないのです。

鋭く問題点に突き進むために、多くの事実を知らなければなりません。

一歩譲って、数字だけはグラフから読み取れたとしましょう。

問題はその数字が何を意味しているか、理解できているかということです。

そこに付随する論点はなんであるのか。

例えば、地球の温暖化が数年前とどう変化しているのか。

今後の予想はどうなるのか。

その数字を事実として読み取るのです。

そこから何が見えてくるのか。

どうしなければならないのか。

その流れにのって、真正面からまとめていくのです。

書き出しが苦しい

どうしても書き出しで、つまづくという人もいるでしょう。

問題提起の段落です。

自分がどの方向に向かって文章を書いていこうとしているのかを、採点者に伝えなければななりません。

しかしどう書いたらいいのかわからない。

最もいけないパターンは「私は~思う」という文章です。

その間に苦しいのか、課題文をまとめた文を挟む受験生がいます。

なんとなく文章らしくなり、自分が考えている姿勢をアピールできると勘違いしているバターンです。

この種のサンドイッチ型の文を書いてはいけません。

一文一義がポイントです。

主部の後には述部をすぐに書きこむこと。

複文型の文は大変読みにくく、内容が煩雑になります。

課題文をまとめると次のようになる、でいいのです。

その後に筆者の論点を短くいれます。

そこから問題は何かという論点に入っていけばいいのです。

あなたは小説を書いているワケではありません。

大学に入学するための小論文をまとめているのです。

そのことだけは絶対に忘れないでください。

展開部の底力

採点者が見るのは、問題提起の部分ではありません。

ポイントになる論点は、ある程度決まっているのです。

いくつかのパターンがあるだろうということは、最初からわかっています。

それが5つあるとすれば、何番目の型で来たのかということになります。

その場合、筆者の論点に対する賛否が問える場合と、そうでないケースがあります。

いずれにしても展開部で、なぜあなたがこの考えを持つに至ったのかを解説しなければなりません。

弁護人の意見陳述のようなものです。

次のような理由から、私は反対であるという根拠を示さなければなりません。

あるいは賛成であるという場合も同様です。

その根拠を支えるものはなんであるのか。

つまり展開部を支える底力の正体をみせるのです。

そのために必要なものはメモです。

課題文を読みながら、キーワードをメモしてください。

いくつか並べてみると、必ず論理の筋道が見えてきます。

それを繋げるのです。

キーーワードをあくまでも整合性のある形で結んでいけば大丈夫です。

思いつきだけでは、失敗します。

採点者はここを最も注意してチェックしています。

論理性が崩れてしまったのでは終わりです。

経験上、この考えは取れないという書き方もNGです。

MichaelGaida / Pixabay

それはあくまでもあなた個人の場合に限るケースが多いからです。

他の人は全く違う感想を持つ可能性もあります。

体験が大切であることは認めます。

しかしそれだけに振り回されないでください。

ポイントは事実です。

事実とは何でしょうか。

歴史や文化などの定型的な判断、さらにメディアによる報道などです。

きちんと事実を担保できる記事からとったニューソースであれば、それは十分な力を持っています。

最近の話題になっている事実であれば、当然、あちこちに記事がありますね。

それを丹念に拾い読みしておくことです。

知らない表現は、ネットで調べましょう。

チャットGPTやウィキペディアなども参考にしてかまいません。

ただしのめり込まないことです。

あくまでも事実として参考にするというスタンスをとるのです。

結論は明確に

結論をはっきり書くことは、実に不安です。

本当にこれでいいのかと一瞬とまどうこともあるでしょう。

しかし小論文の場合は、どちらかに決めなくてはならないケースが多々あります。

その時に逡巡してしまうと、力のない文になりがちです。

ここまで言い切ってしまっていいのかと思うものです。

それでも強く断定してください。

最初に結論から入る文章の書き方もあります。

しかしあまり早い段階で結論を示すと、何を書いたらいいのかわからなくなるケースもないわけではありません。

基本は後半にはっきりと示すことです。

採点者は言い切り方に、力を感じるのです。

現代社会には問題が山積しています。

qimono / Pixabay

どれも解決が容易にはつきません。

それだけにどっちつかずの曖昧な表現は避けるべきです。

1度決めたら、その方向に走り出してください。

家で幾つかの結論を取り替えてみて練習してみるのです。

これは非常に効果的な勉強法です。

友人と結論をスイッチして、試してみることも可能です。

なるべく多くの知識を手にしておいてください。

非常の場合はこれで逃げ切ることができるという得意技を持っていると、心強いですね。

柔道や剣道と同じです。

とにかく書き込んでみること。

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時間はそれほどありません。

志望校の過去問を10年分はやってください。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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