人材発掘
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
今日は企業の人材発掘について書きます。
元々、教師になる前はサラリーマンでした。
時たま、会社員時代のことを思い出します。
ものすごく懐かしいです。
出版社に勤めていました。
ご存知ですか。
入社試験が難しいです。
採用者数がわずかなのです。
コネも必要でした。
ぼくには元々何もありません。
仕方がないので、表玄関から受験しました。
どこも2次か3次あたりで敗退です。
何が足りないのか。
今になってみれば、もっと考えておればよかったと反省してます。
その当時はなんとかなるだろうと楽観してました。
若かったのです。
なんであんなに暢気だったのか、ナゾですね。
大学の同じクラスの連中もほとんど就職先が決まっていませんでした。
それでもあんまり気にしてなかったみたいです。
1人、2人ぐらいがポツポツと決まり、世の中はそんなもんかなと思ってました。
卒業式が終わっても当然、就職先はありません。
毎日、新聞の求人欄を見てました。
5月になって、ここを受験しようと思う会社があらわれたのです。
2人採用
結局、数百人集まって、決まったのは2人だけでした。
試験は英語と作文と面接。
長い文章を翻訳しろという問題が出ました。
作文は何を書いたのか、何も覚えてません。
大きな履歴書も出しました。
今でいうエントリーシートです。
どこがよかったのか。
全く今でもわかりません。
しかし後から考えてみると、採用する側はつねに集合論の論理で動いていたような気がします。
ポテンシャリティ、コミュニケーション能力、協調性、独自性。
いろんな要素を次々と重ねていった時、誰がその集合論イメージの中心に近いのか。
そのパラメーターが時代で微妙に変化しているとしてもです。
きっとその中心近くにいた人間から採用していったのではないでしょうか。
学生に要求するニーズはどんどんかわります。
今なら何か。
圧倒的にコミュニケーション能力でしょう。
他者とうまく意思疎通ができるというのは、非常に大切な能力です。
しかしジョブ型の採用が増えつつある今日、これだけではもう通用しない時代がすぐきます。
間違いありません。
あれもこれもといろいろな部署に配置して、仕事を覚えてもらうなんて暢気なことは言ってられません。
間違いなくこれからの時代はプロを必要としているのです。
ゼネラリストの時代は終わりつつあります。
その人だけの持つ強み
これからのメインパラメーターはこれです。
強みです。
その人しかもっていない特殊な力です。
AIとネットの時代ですからね。
AIにできないことができる人。
つまり答えのない答えを探せる人です。
今までのようにネットで調べ、どこかに載ってるのを探してくるというのではダメです。
どこにも載ってない新しいものを自分で創り出せる人。
もちろんコミュニケーション能力も協調性も必要です。
しかしそれだけじゃ、もうやっていけません。
他の人が持っていないセンス、技術、知識。
語学だって英語、中国語に堪能な人はかなりいるでしょう。
とんでもない国のそれもニーズがある言葉なら、どうしても欲しい。
金融リテラシーもそうです。
起業ニーズに応えられる人。
補助金や税制、融資、自治体の支援制度、不動産に株。
早い時期から研究してきた人が欲しいのです。
財務内容などをきちんと読み取れる人間も必要ですね。
語学だけではありません。
文章力もそうです。
きちんとした日本語の文章を自分の言葉で書ける人。
何が自分の強みなのか。
あるいは何を強みにできるのか。
なんでも少しずつできるのではもう通用しません。
メンバーシップ型の崩壊
現在は過渡期です。
まだ日本の企業には不安があるのでしょう。
一気にジョブ型まで突っ走る勇気を持てていません。
しかしそんなことを言ってられない状況です。
世界の経済の動きは猫の目のようです。
少しでも弱ければ、徹底的にねらわれます。
為替の動きをみれば、誰の目にも明らかです。
労働時間の長さが報酬を決める時代ではなくなりつつあります。
そこへ登場するのが「自分だけの強み」です。
自分を集合理論の中心に持っていくには、1つのアイテムだけでは無理です。
例えば、プログラミングができて、英語が話せ、協調性のある人。
どうですか、どれくらいいますか。
かなりいそうですね。
もっと集合体を狭めましょう。
すると、そこに存在する人間の数は当然減ります。
希少価値が生まれてくるのです。
学歴でものをはかる時代はやがて遠いものになっていくでしょう。
全く消えるとは思いません。
しかし確実に世の中はかわっています。
世界の中で自分がおかれた位置はどこか。
それを考えることです。
そうすれば、今やるべきことがみえてきます。
せまい場所でいがみ合っていると、ともに沈没していくだけです。
むしろ戦略をかえ、協力へ舵をきらなくてはNGです。
あなたにとって、集合体の中心に近づく手段は何か。
文化的なパワーがあるなら、それをさらにひっぱりあげることです。
演劇、音楽、デザイン、建築。
全てができる必要はありません。
ただその一点に集中するべきものがいくつあるのか。
それを考えてみてください。
決まった答えはありません。
自分で考えるのです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。