【和服を着たがる男たち】京都や浅草にはなぜか着物が似合う【装い】

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元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回ははじめて着物をきた頃の話をさせてください。

いつのことでしたか。

きっかけは落語を始めたことです。

もしやらなかったら、着物に手を出すことはしなかったと思います。

それくらい遠い存在でした。

成人式の頃に、母親がウールの着物を買ってくれました。

どんな布地があるのかさえも知らなかったのです。

絹なんて夢のまた夢です。

とにかく一揃いがあって、なんとなくいい心持ちだったのを覚えています。

ずっとタンスに入れておいたのです。

何度袖を通したのかも覚えていません。

お正月に2、3度というところでしょうか。

あとは結婚式ですね。

それ以来、和服を着る機会はありませんでした。

それがどうしても必要になる事態になったのです。

4週間の稽古の後、高座に上がらなければならなくなりました。

どうやって調達したらいいのか、本当に困りましたね。

幸い、ネットの和服屋さんがあったので、なんとかしましたけど。

サイズもわかりません。

LやLLなどという野暮な着物です。

最初に買ったセットは少し大きかったですね。

とにかく帯の結び方も知りません。

何度練習したことか。

貝の口

落語と着物はきってもきれない関係にあります。

着物を着て白扇を持つだけで、やはり形が決まるのです。

どこへいったら手に入るのかわからず、まずネットで探してみました。

身丈がどうしたとか、袷だとか、半襟だとか、聞いたことのない言葉が飛び交います。

幸いなことに今は稽古用の安くて丈夫な着物があります。

ただし、男性用はおはしょり(これも新しく覚えた言葉です)がないので、着物の丈は大変に重要です。

あんまり長くても恰好がわるいです。

さりとて踝のうえまでしかないというのも、どうもという感じです。

ネットにはたくさんの業者がひしめいていました。

楽天でさがした木楽会というのが一番種類が多かったような気がします。

足袋から雪駄、襦袢などのセットをたしか、2万円くらいで売っていました。

一番困るのがサイズです。

自分にぴったりのがある人は、こういうところで買ってもいいと思います。

ぼくには残念なことに帯に短し、たすきに長しでした。

L版では身丈がなぜか144センチしかありません。

自分の身丈を測ってみると、147センチは欲しいのです。

LL版では151センチでした。

全ての商品がこのサイズなのです。

規格品ですから他の丈はありません。

本当に困って、仕方なくLL版を注文しました。

案の定大きかったです。

それでもなんとかこれを着て、最初の高座をのりきりました。

結局、1度身につけただけで、羽織と着物のセットは後々、知り合いにもらってもらいました。

男、はじめて和服を着る

このセットの中に入っていたもので使っているものはもうありません。

最初の頃は調整用のマジックテープが便利でした。

今は紐だけです。

余計なものはいりませんね。

あとは帯と雪駄だけです。

早坂伊織さんの『男、はじめて和服を着る』(光文社新書)を何度も読み返しました。

この本は初心者には大変にわかりやすくて面白いです。

お勧めです。

彼のブログ「男のきもの大全」にはとにかくあらゆることが網羅されています。

1度覗いてみてはいかがでしょうか。

男ものの着物は需要がきわめて少なく、東京なら浅草に数軒あることも知りました。

もちろん、絹ものなんて考えられません。

本番中はとにかく冷や汗だらけです。

すぐに洗えないのでは全く意味がありません。

絹の着物なんて考えられません。

すぐに洗えなければダメなのです。

浅草の「ちどりや」さんにはじめて行ったのもその頃のことです。

夏前でした。

ここで今着ている万筋柄の単衣を手に入れたのです。

その後黒紋付きと小豆色の袷もここで買いました。

男専門の着物店です。

噺家もよく寄るみたいですね。

貼り紋

黒の紋付きには貼り紋というすごい裏技まで施してもらいました。

これは一言でいえば、シール状になった紋をきちんと定位置に張り込んでもらうのです。

結局今、高座で着ている着物は全部このお店のものになってしまいました。

もう1軒あげるとすれば、通り一本裏側の伝法院通りにある踊りの着物などを扱っている「やまとみ」でしょうか。

この前も出向きました。

仕立ててもらいたいのは山々ですが、高いのは無理です。

京都には寸法をいえば、ポリエステルでも縫ってくれる京都きもの工房などというところもあります。

ただし色や質感はやはり目で実際に見てみないとわかりません。

最近は浅草や京都へ行くと、男の着物姿がよく見られますね。

みんなポリエステルの安いレンタルです。

それでもなんとなく絵になるから不思議ですね。

どことなく和の風情が粋に見えます。

もう少しお金が出せるようになったら、デニム地とか、ほんものの絹に挑戦してみてはどうでしょうか。

今の噺家さんはほとんど高座にあがる時しか、着物を着ません。

どうしても所作事にウソが出てしまいますね。

踊りなどでも、袖のあしらい方1つで、全く違うものにみえてしまいます。

なんでも効率を重視する世の中です。

それだけに逆をいくと、ぐっと気分が引き締まります。

ぼくも黒羽二重と羽織が欲しくて、何度かデパートのバーゲンに通ったこともあります。

手入れをすれば、いつまでも着られます。

松は男の立ち姿。

それと同じくらい、着物はだれにでも似合いますよ。

着物の畳み方や帯の締め方で苦労したのみいい思い出です。

つい先日の落語会では、京都でつくった着物を着ました。

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お店の2階にあがって反物をみせてもらった時は嬉しかったですね。

最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

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