【小論文・ゲーム感覚】論理追究型の新しいセンスで戦いを挑めばOK

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みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回も小論文について考えましょう。

毎日、よくこんなにいろいろと話題が提供できるものだと思いませんか。

自分でも時々そんな気分になります。

しかし何も書くことがないなんて考えたことはありません。

毎日、少しずつ違う角度から文章をまとめていけばいいのです。

どうしてそんなことができるのか。

テーマに角度をつけるからです。

同じ10円玉を違う方向から見たことがあるでしょうか。

どうなるかわかりますか。

常識的に考えたら、10円玉が長方形に見えるワケがありませんよね。

ところが見えるのです。

真横から見てみてください。

立派な長方形です。

これが文章を書くということの醍醐味なのです。

同じ課題文を読んで書く場合もそうです。

あるいはグラフを読み取ってまとめる場合も同じです。

どこから見た時にどうみえたのかを検証していくのです。

その作業には基本的に正解も不正解もありません。

どちらでもいいのです。

例えば過去によく出た問題のパターンを1つ見てみましょう。

死刑廃止

死刑は究極の刑罰です。

世界の流れをみてみると、廃止の方向に大きく舵を切っていますね。

しかし行われている国もあります。

あなたの住んでいるこの国はどうでしょうか。

今も実施されていますね。

法務大臣が書類に印鑑を押せば、刑は執行されるのです。

あなたの立場はどちらですか。

全て廃止した方がいいというケースもあるでしょう。

その反対に死刑があるからこそ、凶悪犯罪の歯止めになっているという考え方もあります。

どちらが正しいですか。

実は誰にも決められません。

小論文はどちらの立場で書いてもかまわないのです。

世界の流れが廃止の方向にあるからといって、必ずしもそれにあわせる必要はありません。

採点者はどのように評価をするのか。

あなたがもし採点者の立場だったら、どうしますか。

自分の意見と違う場合も当然あるでしょう。

課題文の内容とは正反対のケースもあるのではありませんか。

結論から書きましょう。

小論文の場合、どちらでもかまいません。

死刑廃止でも、存続でもいいのです。

ではどこで評価を決めるのか。

自分が新聞や本などで、この問題に関しての見聞を広げておけば、書きやすいことは事実です。

全く何も知らないより、勢いよく、鉛筆は動くでしょう。

しかしだからといって、それだけで高い得点を得られるワケではありません。

論理の筋道

ポイントはひたすら論理です。

問題提起に始まって自分の意見を書きます。

その次に必要なのは、なぜその考えを示そうとしたのかにあります。

つまり理由の開示です。

ここが最大の問題なのです。

試験会場で、過去のデータを調べることはできません。

例えば、冤罪の怖れがあるから死刑を行ってはいけないという論理で進むとします。

冤罪という言葉がわかりますね。

判断のミスです。

無罪の人間を有罪にしてしまうことです。

そのために死刑囚となり、刑に処せられた人もいます。

あるいは再審で無罪になった人もいます。

その数がどれくらいあるのか。

ネットで調べれば、ある程度の数字が出てくるでしょう。

しかしそれを試験中に行うことはできません。

geralt / Pixabay

としたら、自分の中でどこまで論理的な整合性をもった考え方なのかを突き詰めていかなくてはいけません。

究極の論理ゲームです。

もし自分が冤罪になり、死刑判決を受けたとしたら、どんな救済のされ方があるのか。

そのためにあなたは何をするのか。

過去にそうしたケースがあったのか。

何の知識もない場合はどこにこの刑罰の問題があるのかを考えださなくてはなりません。

別のルートから探ることはできないのでしょうか。

他の原因を探る

冤罪から攻めきれないとしたら、むしろ死刑容認論に傾斜することもできます。

過去にあったオウム真理教の事件などを例にしてもいいかもしれません。

全く何も知らなければ書けませんけどね。

あなたが知っている死刑判決の事件が他にありませんか。

和歌山のヒ素カレー事件などの記憶があるでしょうか。

こんな人間を生かしておいていいのか。

その怒りを前面に出すことも可能です。

結論は180度違いますが、それでもいいのです。

書ける方向から結論を探していくのです。

そうすれば、矛盾の少ない文章になります。

採点者の立場からいえば、結論はどちらでもいいのです。

あるいは刑法の全面的な改革にまでもっていってもかまいません。

どれもが可能です。

Free-Photos / Pixabay

ポイントは自分が書きやすい方向から、切り取ることです。

細かい内容がわからなくてもかまいません。

骨太に論理を推進できる方に、テーマを持っていくべきです。

そうすれば必ず問題提起から自分の考えを示し、その理由付けができます。

そこまでいけば、結論までは一直線なのです。

ここまで理解できましたか。

とにかく制限時間内にフルに書き切るのです。

なりふりかまっている場合ではありません。

最後の結論に至るまで、論理が一貫していれば、内容はどちらでもいいのです

もちろん、その結果として地球が滅亡しては困ります。

理性の範囲で十分に補う必要があるのは当然です。

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そこまでの無茶な行為は容認されません。

高度なゲームだと考えましょう。

プログラミングの知識に似ているかもしれません。

小論文は論理の追究そのものなのです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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