【小論文・強調法】通説や一般論を書いて一気に否定する戦術は効果大

学び

通説を覆す

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回はどうやっても目立たない文章を、目鼻立ちくっきりにする方法をお教えします。

よくフォントの飾りなどにもありますね。

活字の周囲をはっきりした色で囲ってしまう手です。

あんまりどぎついと目立ちすぎます。

さりげなくそれでいて自己主張ははっきりというのが小論文の鉄則なのです。

一般的によく言われることというのは、誰の耳にも馴染んでいるものです。

だから書かないでおいた方が無難なことが多いのです。

しかしそれをあえて、避けずに書く。

するとどうなりますか。

なんだこんなことをまだ論じているのかということになりますね。

当然評価が下がります。

そこが狙いなのです。

むしろあたりまえじゃないか、こんなことはと採点者に思わせる必要があります。

問題はここからの燕返し。

わかりますか。

johnhain / Pixabay

佐々木小次郎の剣です。

どうすればいいのでしょう。

世間の一般論を一気に覆すのです。

確かに世間ではそういう考えを持つ人が多い。

しかしそれには無理があるだろう。

このように書くのです。

あれあれ、最初と違う方向へいくのかなと誰もが思いますよね。

そこが大切な一手なのです。

弱点を探す

ここからその反対の理由を論理的に述べていきます。

あくまでも論理性が大切です。

イヤだから嫌だでは子供の喧嘩です。

こういう理由で世の中の常識とされていることには無理がある。

だから私は反対だ。

考えてみれば世間の常識をそのまま肯定するのなら、わざわざ大上段に構える必要はなかったのです。

geralt / Pixabay

むしろそのパフォーマンスに目をとられているスキに相手の弱点を探すという方法を考えつかなくてはなりません。

それが小論文の極意なのです。

例えばプラスチックフリーの例はどうでしょうか。

みんなが紙パックを推奨している事実があったとします。

事実、その方向への流れは急速ですね。

しかし考えてみてください。

コロナ禍の最中です。

デリバリー、持ち帰りの容器はどのようなものですか。

実は以前より、プラスチックのゴミが増えているという事実があるのです。

もちろん通常の場合ならば、テイクアウトに頼らなくても商品は流通したでしょう。

しかし皮肉なことにコロナがそれを阻んでいるのです。

この事実をあなたはどう思いますか。

単純にプラスチックフリーが喫緊のテーマだと言い切ってしまうと、現実をみていないということになります。

ただ理想論を述べただけになってしまうのです。

これでは地に足をつけた論文になりません。

事実を突きつける

プラスチックフリーというテーマが出たらどう書けばいいのでしょう。

ただプラスチックはやめましょうという主張ではなんのインパクトもありません。

そんなことは誰もが考えていることです。

どうしたらいいのか。

常識にメスを入れてください。

そのことが本当に可能になっているのか。

現実はコロナ禍の中でどの方向に進んでいるのか。

家のゴミ箱にプラスチックは増えていないか。

ここをじっくり論じるのです。

よく見ると、何を買ってもテイクアウトをしても、プラスチックで成型された容器に入っているではありませんか。

フェイスマスクと呼ばれる飛沫防止の器具も、プラスチックで出来ています。

あのゴミはどこへいくのか。

もちろんスターバックスのようにコーヒーを入れる容器を紙製にしていくという流れもあります。

と同時にスーパーには夥しいプラスチックの容器が並んでいるのです。

本当にプラスチックフリーなどということができるのか。

よく考えてみることが必要なのではないか。

自分の家の燃えないゴミの量を正確にみつめたことがあるか。

ある意味攻撃的な書き方でもかまいません。

それほど簡単にできることなら、もっとはやい段階でプラスチックフリーは完成していたはずである。

ここまで書いてしまってもかまわないのです。

つまり常識に対するアンチテーゼです。

最後に必要性を説く

しかしこのままで小論文を終わらせてはいけません。

コロナ禍は確かにさまざまな行動パターンを取っている。

テイクアウトなどでもプラスチックは確かに増えている。

だからといって、現状が許されるということではないだろう。

ここから切り返します。

現実としてその現象があるからといって、それが正しい方向ではないということを強く主張するのです。

つまり鋭い観察力の中から、それでも何が喫緊に必要であるのかという問題意識は失っていないということを示します。

ここで採点者は、この受験生の生き方に共感を持つのです。

ただプラスチックは使うのをやめた方がいいといったような一般論よりも数段力強い文章が出現します。

できたら、ここでさらに海洋汚染の実態などを述べ、マイクロプラスチックの現状などを論じれば、さらに内容の濃いいい文章になるでしょう。

あまりに一般論が弱い場合、このように現実はその方向に向かっていないという事実をつきつけるのは方法として間違っていません。

もう少し字数に余裕があれば、コロナ後の扱い方についても自分の意見を述べることがでできるでしょう。

それらが合体すれば、最初に書いた一般論は数段の力を得て、いい論文になっていくと思います。

確かに難しいのはよくわかります。

しかしただ本で読んだ知識ではなく、自分の目で日常的に見聞きしている事実だということの強さがあります。

観察眼があることを証明できるのです。

どんなテーマでも一般論や常識にはない現実が厳然とあります。

そこを明確にすること。

それだけで、随分と切り口が鮮やかになるのです。

是非、この手法を学んで自分のものにしてください。

無駄にはなりません。

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トライしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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