【高校入試問題例】作文と小論文では出題内容や難易度に差が【都立】

学び

作文の方が多い

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は都立高校の推薦入試に出る作文と小論文の違いと難易度について説明します。

よく質問される内容の中に、自分が受験しようとしている学校の試験には作文と書いてあるのですが、小論文とどう違うのですかというのがあります。

確かに推薦入試作文とあったり、小論文とあったりして紛らわしいですね。

高校入試の場合は作文と書いてあるものの方が多いようです。

課題文として評論などを読ませた後に書かせるのが小論文です。

一方、短いテーマがあって、その内容にそって文章を書かせるものを作文と呼んでいます。

作文と書いてあるから、ただ自分が考えたことを構成意識もなく書きなぐったというものは当然評価されません。

なんといっても入試の作文です。

そこには当然スキルが必要になります。

ここ数年の問題を見てみましょう。

特に進学重点校や推進校と呼ばれる学校では明らかに小論文という種別が多いです。

内容も難しいです。

今春2020年度の都立国立高校の問題は問1と問2に分かれていました。

問1の中に文章が2つあり、中島義道「対話のない社会」からの引用と大平健「やさしさの精神病理」の1部が掲載されていました。

問1は日本人の討論の仕方についての特徴に関するものです。

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日本人は討論の枠が限定されたものならば、気安く参加するが、その人の全人生をかけたような問いの場合、沈黙をしてしまうというのです。

みずからの生きている現実から離れた、一般論や哲学的な対話ではどのように発言したらいいのかよくわからない人の方が多いというのです。

設問は「課題文の筆者は対話的な討論とはどのようなものと考えているのか。対話的ではないと考える討論との違いがわかるように説明しなさい」というものでした。

課題文の内容がきちんと理解できていれば、筆者の立場を明確にし、なんとか解答にたどりつけたことでしょう。

後半の設問の方が難しい

問2は精神病理学者、大平健のものです。

やさしさの違いについて述べられた内容です。

典型的な例として親と子供との関係が取り上げられています。

やさしさという愛情につつまれ、自分の領域に立ち入られてまで心配されることの煩わしさについて言及されているのです。

親子はあまりにもホットな関係だというのです。

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子供としてはせめて友達程度のウォームな人間関係でいたいというのが主旨です。

ここでの設問は以下の通りです。

問題文に続く部分で、なぜ現代の日本に真の対話が根付かないのか。
その理由を考えて書きなさいというものです。

当然前半の内容と解答を重ね合わせなければなりません。

自分というものの本質をどこまで晒して対話をすればいいのか。

傷つくことを怖れる現代の日本人の横顔についての考えを述べなさいということが主題です。

課題文が2つありますが、それを相互に関連付けて論じていくことがポイントになるでしょう。

国立高校の場合、後半にもう1つ、数理的な詭弁を論破するという理系の問題があります。

大問2題を60分で読み解き、解答するにはかなりの学力が必要です。

倍率も男子が3倍程度。

女子が4~5倍はあります。

内申書と面接との総合点とはいえ、明確で鋭い文章が書けない限り、合格はおぼつかないものと思われます。

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このように進路指導重点校の問題は非常に難解です。

小論文と銘打ってあるレベルの高校を受験する場合は、文章力をアップさせることとあわせて、多くの本を読み、知識を確実にしておくことが求められます。

新書レベルの内容は確実に読み取れる力量が必要です。

時間を上手に使って、内容の把握に努めてください。

中学校で学んだ内容を問うケース

以下の問題例はすべて2019年度のものを参考にしました。

今春2020年度の内容に関しては、また別の記事にします。

受験を考えている人は数年にわたって同じ学校の問題をチェックしてください。

過去問を調べることは非常に大切です。

町田総合高校の問題は典型的な作文でした。

「努力は人を裏切らない」という言葉があります。あなたが今まで努力してきたことを具体的にあげ、その経験を入学後どのように生かしたいと思うか、述べなさいというものです。

非常にわかりやすいテーマですね。

きちんと練習をすれば必ず書けます。

十分な合格点がとれるテーマです。

日野高校の問題

あなたの今までの体験を例に挙げながら「助け合い」についてあなたの考えを書きなさい。

これも大変具体的な問題です。

自分が受験する学校にこのタイプの問題が出題される場合は繰り返し練習してください。

その際、もっとも大切なことは自分の経験をよりわかりやすくアピールすることです。

ただしドヤ顔の文章はいけません。

自分のことばかりを前面に出して、あれもやったこれもやったというタイプの文は採点者に評価されないのです。

むしろこういう理由でうまくいかなかったという自分の失敗やミスをありのままに示した方が有効です。

そこから学んだことをこの先にどう生かしていきたいのかを強くアピールします。

採点者は基本的にその学校の先生方です。

素直で真面目に頑張ろうとしている生徒を入学させたいと思っています。

文章を書いたら、中学校の先生に見てもらってください。

いろいろなおされると思います。

時にはショックを感じることもあるでしょう。

それでも腐らないで、前を向いて何度も書いてください。

小川高校も問題のタイプは似ています。

あなたにとって「やり抜く力」とはなんですか。自らの具体的な体験を挙げ、それを踏まえてどのような高校生になりたいかを書きなさいというものです。

このタイプの問題がいかに多くあるか、わかっていただけたでしょうか。

環境問題は必須

調布南高校は再生可能エネルギーについて具体的に3つあげろという問題でした。

エネルギーと現在の日本の課題をまとめて書き、自分にできることを同時に考えなさいというのがテーマです。

このタイプの問題は毎年必ず出ています。

立川高校では設問2に「我が国における自動車の燃費規制」の問題がでました。

高校生にとって自動車の燃費というのは、あまり馴染みがないものです。

難問ととらえた生徒が多かったことと思います。

町田高校では古民家再生プロジェクトが出題されました。

2問目は「自然との共生」について体験や見聞を踏まえて論じるという問題です。

mohamed_hassan / Pixabay

この問題の難しさは一般論としてなら、環境問題を語ることはできても、自分の体験や見聞にどの程度のものがあるのかで、リアリティが違ってしまうところです。

ある意味、かなり難問と言えるでしょう。

小金井北高校ではプラスチック汚染に関するグラフをもとにした問題が出題されました。

今日のプラスチック汚染の問題の本質がどこにあるのかということを述べ、そのための解決策について考えさせるというものです。

まさに喫緊の今日的テーマと言ってもいいのではないでしょうか。

ここまでいくつかの高校の問題を参考にしながら、どのような問題が実際に出題されたのかを具体的に見てきました。

作文とかいてあるからといって簡単に書けるというワケではありません。

きちんとした方法論をとらないと、内容に説得力が出ないのです。

それだけ難しいと言えるでしょう。

しかし練習を何度もして、自分の型をある程度つくりあげていけば、希望の高校に入学することも難しいことではありません。

一歩一歩、先に進んでいきましょう。

さらに具体的な問題をどう書けばいいのかについて、今後も解説を進めていきます。

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最後までついてきてください。

必ず実力がつきます。

信じてください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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