小説

【文学のヒミツ】小説の冒頭と結末について作家は心底苦しむという話

作家は自分の作品の冒頭の書き出しと結末の表現に人一倍苦しむものなのです。みごとに言葉が決まれば、そこから想像力が広がるのです。不思議なメカニズムがあるのを知っているのは、字際に創作をする人だけなのです。創造のもつ理解不能な世界です。

【私が棄てた女・遠藤周作】1人の女性像に永遠の聖性を託した小説

遠藤周作は第3の新人と呼ばれたグループの作家です。代表作はなんといっても『沈黙』でしょう。しかしそれ以前に書かれた作品にも名作が多々あります。ここでは『私が棄てた女』を取り上げます。聖性に満ちたイエスやマリアにも通じる美しい心の持ち主です。

【ガリバー・アリス・猫】読者が価値を決める【古典論・外山滋比古】

風刺小説として書いた『ガリバー旅行記』がいつの間にか童話に変質しました。童話として書いた『不思議の国のアリス』は文学書になりました。誰がそれを決めたのでしょうか。まさに時の流れと人々の心です。不思議なメカニズムについて考えてみましょう。
学び

【国語教科書・小説5本】文科省の指示を守った正直者がバカを見た

文科省の通達をそのまま信じて小説を入れなかった教科書会社が憤っています。第一学習社だけが小説を5本も入れて、検定を通ったのです。この不平等はどこから起こったのか。その問題点を追及してみました。必読です。

【蠅・横光利一】川端康成と並ぶ新感覚派の特異な小説を味わう

新感覚派の旗手、横光利一の『蠅』という小説を読みましょう。出てくる風景は少し前の日本にあったごく普通のものです。そこに生きる人々の暮らしもありふれたものです。しかしそれが次の瞬間にはまったく別の表情を見せるのです。まさに不条理です。

【先達はあらまほし】愚人の行動は小説よりも奇なり【徒然草52段】

人間は中途半端にものを知った気になるものです。そういう時にとんでもない失敗をしてしまいます。『徒然草』の中にもそんな話があります。しかしぼく自身もシャコバサボテンを相手にとんでもない失態を演じました。やはり先達はあらまほしきことなのです。
学び

【高校の教科書から文学が消える】現代文の入試傾向から推論すると

高校の教科書から文学が減りつつあります。2022年度の新カリキュラムではさらに減少していくでしょう。受験校では特に入試問題に特化した授業をしなくてはなりません。そのために「文学国語」の選択科目をとらなくなる可能性が濃厚です。

【小川国夫・アポロンの島】透明感のある力強く澄んだ言葉との出会い

作品との出会いは一期一会です。小川国夫の小説に出会ったのも偶然でした。大学生の頃、偶然古本屋で見たのです。どうしても欲しくなり、手に入れました。ギリシャの町の様子が淡々と描かれ、文体は乾いていました。無駄が削ぎ落されていたのです。

【夏目漱石・門】何度読んでも寂しくなるリトマス試験紙のような小説

夏目漱石の小説『門』は3部作の最後を飾る作品です。神経衰弱になって鎌倉の円覚寺を訪れた時の様子をうまく描写しています。登場人物と漱石自身が重なって見えるように書いたのかもしれません。全体に静かで寂しく趣きが深いです。
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