【小論文・問題解決マインド】代案を含め結論への糸口を最大限に書き切る

小論文

問題解決マインド

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は問題解決への糸口について説明します。

小論文の難しさは、なんといっても文章の書き方にあります。

最も大切なのは論理的であることです。

なんとなくそう思うとか、どこかでこんな事例を見たといった内容だけでは全く評価されません。

そんなことよりも、とにかくこの方法で乗り切れば、少しでも課題が解決に近づくといった問題解決への糸口を示すことがポイントなのです。

そのためには、最初に問題文の骨子を読み取らなければなりません。

これが一番難しいですね。

入試の採点者はここで受験生の国語力を判断します。

曖昧な問題であっても、かならず文中には骨格となる基本的な論理があります。

そこを最初にチェックすることが、何よりも大切です。

奇抜なことなどを書く必要はありません。

根本のところから、一歩ずつ積み上げるしかないのです。

例えば「環境汚染」に関する問題文が出たとしたら、どうすればいいのでしょうか。

このテーマは、毎年のようにあちこちの大学で出題されています。

それだけ喫緊の課題であることは間違いありません。

これだけ、地球の環境が悪化してくると、どこから手をつけていいかわからなくなるのも事実です。

SDGsの文字がメディアに載らない日はありませんね。

解決策をなんとかして探らなければなりません。

だからといって、何をしても無駄だといった類の文章を書いても、評価の対象にはならないのです。

自分の言葉で

ポイントはまず自分の言葉で明確にまとめることです。

大気汚染、水質汚染が急激に進行し、環境への配慮が圧倒的に後手に回っているということをあなた自身の見聞や経験の中からまとめてください。

真夏日がどれほど増加したのかということを、実感と合わせて示してもかまいません。

食品価格が高騰し、野菜や海産物の収穫量が減っていることを指摘するのも1つの方法です。

ただしこの部分は極力短めにしましょう。

あくまでも解決策への前提にする必要があるからです。

最初に現実の諸相をある程度示したら、次には、その問題点の解決策を示すことです。

ここからが最も大切なポイントになります。

「環境問題」に関していえば、容易に反対論は書けません。

環境が悪くなっているという現実を、否定することはできないからです。

人間が地球を汚染しているという現実は、工業化社会が発展したことと不可分です。

これを元のような原始共産社会に戻せなどという論点は、あまりにも無茶です。

つまり現在の状況をどのようにしたら、より負荷の少ない持続可能な発展段階に持ち込めるのかというのが最も大切な視点です。

反論ができないという前提で、解決策を構築しなければなりません。

そのための順路としては、原因の分析から始めます

それがある程度できあがったところで、問題の解決です。

今回のテーマでいえば、何が「環境汚染」の原因であるのか。

それを自分の言葉で短くまとめることです。

ここが最初の関門です。

自分の日常生活とすぐに直結するのは、気候や食料不足の話かもしれません。

しかし、そのほとんどは人間が利便性を追究したことによる代償とも言えます。

より生活しやすい社会になるためにと思って行動してきたことが、今では逆の結果を産み出しているのです。

5つの原因

大切なのは、世界で起きている主な環境問題を短くまとめることです。

ここでは次の5つにまとめれば十分です。

「地球温暖化」「海洋汚染」「水質汚染」「大気汚染」「森林破壊」がそれです。

この仕分けが基本的にできていれば、そこから文章が一気にひきしまってきます。

原因の分析ができたということになります。

次の書き方はどこに焦点をしぼりこむかです。

いずれにしても、この5つの要素をすべてわずかな字数の中につめこむことは無理です。

どれか1つに絞って書き上げることが、ここでは最も適切な方法でしょう。

先ず、「温室効果」とは地球の表面から、地球外へ向かう赤外線が他の物質の影響により大気中にとどまることをおさえてください。

それが地球表面の大気を緩め、気温を上昇させるのです。

この赤外線に影響を及ぼすものが「温室効果ガス」となります。

それが地球の周囲を囲み、熱の拡散を妨げるのです。

ここからが本当の意味での小論文になります。

ズバリ解決策を書き切る部分です。

考えられることの中から幾つかをピックアップして、文章化しましょう。

普段から意識していれば、書けない内容ではありません。

日本は、2030年度において、温室効果ガスを50%削減するという目標を表明しました。

しかしその道が遠いこともよくわかっています。

たとえば節電の例がありますね。

電気をなるべく使わないことです。

石油、石炭などの鉱物資源を使うことを避けるというのが大前提になります。

エアコンの温度設定などが話題にのることが多いです。

暖房は20℃、冷房は28℃が目安だと言われています。

自分に可能な視点で

節水も同様です。

さらに省エネの例もあげられます。

電車、バスなど公共交通機関をできるだけ利用しようと呼びかけることは簡単です。

しかし地方などにおいては、あまり現実味がありません。

高齢化にともない、ほとんど公共の交通インフラが機能しなくなっています。

それでも利用しなさいと叫び続けるのは、現実をみていないことの証左にもなってしまいます。

むしろ、デマンドバスや相乗りタクシーなども考えなければならないでしょう。

あれだけ声高に叫ばれた電気自動車の普及にも、かなりの時間がかかることが明らかになってきました。

しかし現実に充電施設を設置することは容易ではありません。

ガソリンなどと比べて、エネルギーを使用可能な状態にするまで、長い時間がかかります。

またそのための電気を作り出すことも容易ではありません。

だからといって、電気自動車の開発を否定することは不可能でしょう。

理論的にいえば、1つの目標が見えたとしても、そこに辿り着くのは容易ではないのです。

このように、今日の問題はどれも非常に難しいテーマばかりです。

Activedia / Pixabay

SDGsにしても、勢い込んで2030年の目標を掲げたまではよかったといえます。

しかしその実現までにあと7年というのは、誰が見てもあまりにも短いです。

コロナのパンデミックによって、目標は確実に遠ざかっています。

だからやらないというのではなく、何を最初に達成すべきなのか。

そのために、今何をすればいいのかということを、全力で考えてください。

小論文に登場するあらゆるテーマが、今は全て難問ばかりです。

それだけの覚悟をもって勉強し続ける覚悟を持たなければなりません。

どのように文章をまとめきるのかは、難題です。

現在の段階でここまではできている。

しかしこれからの次の目標は何かといった仕分けが、必ず意味を持つでしょう。

自分の言葉で冷静に対処していく姿勢が、最も大切な評価のメルクマールになるのです。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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