【大学入学共通テストとデジタル読解力】多様な文章を理解する力「国語」

ノート

新指導要領準拠

みなさん、こんにちは。

大学入学共通テストが本格的に始まってから数年がたちました。

新しい指導要領を基本にすえた入学試験です。

2025年1月からは、60分の新教科「情報」も追加されました。

国公立大学を目指している人にとって必須の試験なのです。

実際に受験する場合、7教科21科目の中から選択することになります。

その中から各大学、学部が指定する科目を受験者が選んで受験する仕組みです。

現在、国立大学では6教科8科目が主流です。

私立大学志望の生徒にとって、最初から敬遠したくなるような科目数ですね。

しかし大学入学共通テストを受験すると、国公立大学だけでなく、私立大学の一般選抜に利用することもできるのです。

いわゆる共テ利用の入試です。

以前実施されていたセンター入試に比べると、全体に試験時間が延長されました。

受験生にとってはかなりの負担になります。

相当な覚悟をもって臨まないと、うまくいきません

共通テスト実施の目的は、高等学校における学習の達成度を測ることにあります。

今回はその中でも国語の問題について、少し詳しくみていきましょう。

試験時間は10分増えて90分になりました。

「現代文」の大問数が2問から3問に増えたのです。

目的は多様な文章を読み解く力を判定するためとあります。

そもそも国語力とは何かというのは難しい問題です。

共通テストはとにかく読み解く文章量、理解、考察すべき情報量が多いというのがその特徴です。

厄介なことに、知識の量で解ける問題がほぼなくなりました。

その場でどの程度「理解」したのかを問う問題が多いのです。

試験の傾向

最近は会話文形式の問題などが多くなり、慣れていない受験生は戸惑いますね。

とにかく練習が必要です。

日常生活を起点にしたテーマが設定されているものも多いのです。

かつてのように「知識」や「技能」に偏っていた試験とは大きく様変わりしています。

共通テストでは、長い文章や複数の資料をスピーディーに読んで理解する能力が試されるのです。

非常にスピード感をともなった判断が大切です。

高い情報処理力が求められるといってもいいでしょう。

短時間で情報を処理する能力を身につけるのは難しいです。

いずれにしても、かなりの時間と労力を割かなければ、点数をとることができません。

それだけに、地方はともかくとして、敬遠される傾向が強くなりました。

もちろん、最初から旧帝などの難関大学をねらっている生徒にとっては、くぐらなければならない関門であることは、言うまでもありません。

しかしこのテストを受けずに総合型入試で受けられる大学もあります。

2026年度に関していえば、「自分の好きな本を一冊選び、その本にどのような工夫が見られるかについて考える」という課題についてまとめた問題が出題されました。

資料の読み取りや文章の加筆、修正に関する設問です。

2025年度と同程度の分量でしたがグラフは消え、文章や図のみの問題でした。

評論、小説は複数の文ではなく、それぞれ単独のものを使った出題にとどまりました。

なかには生徒がまとめたノートに基づく形の設問もあり、慣れていないととまどいます。

言語活動の問3は解答が絞りにくい難問でした。

その一方で、古文、漢文は通常の範囲におさまる内容でした。

全体にいえることは、制限時間が非常に厳しいということです。

時間配分を間違えると、それだけでアウトになりかねません。

デジタル読解力

共通テストでは、解答の仕方に対する戦略がとても重要です。

時間配分が勝負になるのです。

90分もあると思って厄介な問題にしがみついていると、瞬く間に時間が過ぎていきます。

自分の解答の癖を見抜くことも大切でしょう。

ここで問題になるのが、いわゆる「デジタル読解力」と呼ばれるものです。

聞いたことがありますか。

この表現が大きく取り上げられるようになったのは、PISA学力調査の結果が話題になってからです。

「PISA」とはOECDに加入している国の生徒がどの程度、学習到達度を達成しているのかをチェックする調査です。

3年に1度、OECD加盟国などの15歳を対象に、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野に関する習熟度を調査しています。

その結果、2003年に実施された試験で、順位の低かったことが教育関係者にとっては大きな問題になりました。

さらに2018年のPISA調査で、日本の読解力リテラシーの順位が6位から11位に下降したことも衝撃だったのです。

新聞報道などでは「『PISAショック』再び」という見出しが掲げられたほどです。

この年にPISA調査を受験した生徒たちは、「脱ゆとり」教育の一期生でもありました。

ここから一気にさらなる「学力向上」へと舵を切ったのです。

問題点はいくつかありました。

読む力とはなにか

PISAが計測している「読解力」と、日本の国語科教育が重んじてきた「読解力」との間には大きな乖離があったのです。

最も違うのは、とにかく文章をきちんと読むことに重点を置きすぎていたことです。

具体的には文と段落の構成、物語の内容、論理性などをきちんと読む力が重視されていました。

もちろん、ここにあげた視点はとても大切なものです。

けっして侮ってはいけません。

ところが、そのつもりでPISAの試験を受験した生徒は戸惑ったのです。

「デジタル読解力」を基本とした文章の読み取り能力を判定する試験とは、基本的になじまない学習の仕方をしていたからです。

ここから日本版GIGAスクール構想が始まりました。

1人1台端末の実現により、生徒がコンピュータを用いたテストに慣れていくことが目標になったのです。

デジタル画面上に記述された内容を読み取る能力を伸ばすことに重点がおかれるようになりました。

今はデジタル社会です。

人々は毎日、ネットにつないで世界のできごとを把握しています。

それだけに国語の授業の難しさを強く感じます。

当然、入試との関係も変化せざるを得ません。

教科書も外の世界と切り離されたものではいられなくなりました。

とはいえ、「デジタル読解力」とわざわざ別扱いをしなくてはならないものなのか。

今だに結論は出ていないのが現状です。

入試は受験生にとって冷酷な現実です。

出題者が求める解を的確に探し出し、出題者の意図を汲んでそれに応えなければなりません。

共通テストの意味

共通テストをもう少していねいにみてみましょう。

新しい学習指導要領はITの隆盛と並行し、次々と新設科目をつくりあげました。

その代表が2022年から始まった「論理国語」と「文学国語」です。

PISAの流れはどちらかといえば、新課程の「論理国語」にあてはまっているのかもしれません。

「デジタル読解力」を駆使して、ネット上からデータを選択する必要性も拡大しています

「自由記述形式」の問題にあわせて、発言もでき読解力が求められていることも事実です。

国公立と私立の大学のせめぎあいも厳しくなるに違いありません。

今しばらく現場の様子を冷静に注視していくしかないでしょう。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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