【2025年度小論予想】生成AI・SDGs・戦争・気候変動・ジェンダーが命

小論文

アフターコロナ

みなさん、こんにちは。

小論文指導歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は2025年度入試小論文テーマの予想をしたいと思います。

世界的なコロナパンデミックがほぼ終息しつつあります。

人々が常時マスクをし、互いの目だけを見て、会話をしていた社会が2度と訪れないことを心から祈りたいです。

しかし楽観は許されません。

少しでも規制を緩めると、すぐに新規の感染症が出現する可能性もあります。

日本も含めて、世界中で警戒を続ける必要があるのです。

2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻が始まりました。

NATO(北大西洋条約機構)加盟国対ロシアとの対立です。

現在もこの状況は続いています。

これほど長く戦争が続くとは、誰も予想していませんでした。

ロシアも世界の中で次第に追い詰められています。

多くの国がウクライナに武器を供与するなかで、ロシアの立ち位置は微妙です。

経済的にも中国にすり寄っていくしか、生き残る道がないのかもしれません。

昨年、広島でサミットが行われ、各国首脳は原爆資料館の見学を果たしました。

その後、談話が世界に向けて発表されたことで、核を使用することの意味が、あらためて問いかけられたのです。

ロシアは戦略的に核を使う可能性を仄めかしていたものの、このところトーンが下がっています。

実際に核兵器を使用した場合のメリットとデメリットを、冷静に計算しているものと思われます。

いずれにしてもこの戦争のことが、入試にでないワケはありません。

G7とG20で語られた内容と、ウクライナ侵攻の2つは必ずおさえておいてください。

もちろん、全ての国がNATO寄りなのではありません。

それぞれの国の政情判断がどこからでてきているのかを、確認しておくことが必要です。

民主主義はどこへ

ミャンマーの現実を新聞で読むと、これが同じ地球上の出来事かと思います。

日本のジャーナリストが拘束され、その後留置場の独房に捕らえられていた時の生々しい記事が記憶の中にあります。

次第に希望が失われ、目の光が消えていく多くの囚人たちの描写が怖ろしかったです。

今後も軍部の支配がすぐに終息するとは思えません。

アウンサン・スーチー女史の軟禁も解ける気配はないです。

今や、それぞれの国が自国の利益を最大限に主張する時代になりました。

南シナ海における中国の領海拡大は、広がる一方です。

周辺のフィリピン、インドネシアとの神経戦は続くでしょう。

中国は完全に香港をその傘下におきました。

現在も反政府的な発言は完全に封鎖されています。

次は台湾との関係です。

日本は防衛線を伸ばすため、有事を想定して、石垣島にも自衛隊の駐屯を始めました。

北朝鮮のミサイル発射も気になります。

核弾頭をつけて、1万5千キロ飛ばすことができれば、アメリカ本土をねらうことも可能です。

そのための技術は日々進歩しているのです。

民主主義はどこへいくのでしょうか。

ある評論家は民主主義が進んだ国ほど、コロナの蔓延がはやかったという文章を書いています。

強い独裁者を望む人々が一定数いることは、否定できません。

ドイツの政権選択も気になります。

右派が再び、台頭しているのです。

入試では政治の問題がストレートに出ることはないです。

しかし私たちの生活レベルの細かい事象をとらえる方向から、小論文を書かせるケースは多くあります。

生活基盤を支える食料の問題なども、ロシアのウクライナ侵攻とともに、おさえておいてください。

年内入試の志望者増大

総合型(AO)と学校推薦型の希望者が増えています。

浪人を避け、はやく進学先を決めたいとする心情がこのタイプの入試とうまく合致したのでしょう。

確かに青田刈りと呼ばれていた時代もありました。

しかそうした傾向は影をひそめ、むしろ答えのない問題をじっくり考えようとする学生を求める大学が増えています。

その結果、小論文に注目が集まっているのです。

今、話題のチャットGPTの問題などは今年も引き続き出題されるでしょう。

実際に検索して作り出した短文から、肉付けをして独自の小論文を作らせるなどといった問題もあらわれつつあります。

AIが人間の持つ創造力を、それほど簡単に飛び越えるとはとても思えません。

現状ではまだ初歩の段階です。

しかしこの生成系AIの未来をどう考えるのかという問題は必ず出ます。

日々、進化しているからです。

自分で1度は試しておくことが大切でしょう。

PC、スマホなどで簡単にできます。

実際に使ってみてください。

慣れて癖を知っておくことが大切です。

現在のチャットGPTのレベルをチェックし、不十分な点を集約しておいてください。

首都圏の私立大学は推薦入試をほぼ取り入れています。

学校によっては、定員の半数程度が推薦合格者で埋められているケースも多いです。

しかしだからといって、一般受験の可能性が極端に低くなっているワケではありません。

私立大学は併願する生徒が多いので、他校へ流れるのを怖れています。

そのため、合格者数を定員よりも余分に取るのが普通です。

私大の首都圏定員厳格化の流れも緩みつつあります。

付属校や指定校の数、入学許可人数がどのように動くかによって、総合型(AO推薦)枠も微妙に変化します。

情報を正確に入手しておく必要があります。

2025年度入試予想テーマ

来年度入試、最大のテーマは何でしょうか。

難問ですね。

しかし基本は昨年度とあまりかわりません。

気候温暖化とSDGsです。

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。

内容はいくつかに分かれています。

特に飢餓、貧困、気候、ジェンダーをチェックしておいてください。

いずれも容易なことでは解決しそうもないテーマばかりです。

少なくともそれぞれに関係のある本を1冊ずつは読んでおくこと。

ネットの記事を読み流した程度では、身体に沁み込みません。

169のターゲットの全てに全部目を通すことはできないでしょう。

しかしそれぞれの項目は相互に関連しあっています。

貧困とジェンダー、飢餓と地球温暖化というようにいくつものテーマを重ねて出題するケースも十分に考えられます。

あなたにとって1番喫緊な問題は何か。

どのキーワードから始めたいのか。

格差と社会の関係も大切です。

文化の違う人々が共生していくために必要なことは何であるのか。

それを自分の頭で考えておくことです。

そこから言語や共生の問題に派生していくことは、十分に想像できます。

気候変動についても同様です。

二酸化炭素の放出量をどのようにしたら減らすことができるのか。

電気自動車の開発や再生可能エネルギーへ依存することで、どの程度のCO2削減が可能なのか。

具体的な数字をある程度頭の中に入れてください。

さらに人間の問題を追及していくと、アイデンティティの問題にぶつかります。

生きることそのものへの懐疑も消えていません。

それぞれのテーマに対する理解の幅を広げることが大切です。

あなたが共感できる内容は何ですか。

そこから全てのテーマがつながっているのです。

自分の問題として、あらゆる内容を引き受けてください。

他人事にしてはNGです。

早くからの準備が必要です。

現在の勉強を進めて下さい。

先んずれば人を制すという言葉があります。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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