自己PR
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回は志望動機の書き方について学びます。
大学入試の推薦も高校入試の場合も、書き方に変わりはありません。
ぼくも今までに何枚読んで添削してきたか、わかりません。
在籍していた高校では、9月から10月にかけて、推薦書をかなりの枚数書きました。
基本的に生徒の志望動機に準じた形でまとめていきます。
内容が曖昧な場合は、提出してきたものを何度も書き直させました。
面接の際、質問の材料にされることが多いのです。
それだけに、きちんと準備したものでないと破綻します。
いい加減に思ってもいないことなどを書いたりすると、鋭く質問され、答えに窮することになるのです。
1月からは公立高校の推薦入試も始まります。
中学生の志望動機をこの数カ月、かなり読んできました。
けっして難しいことを書く必要はありません。
自分に正直でいいのです。
しかしそこには自ずから、フォーマットがあります。
その流れにそっていけば、それほどに外れた内容にはならないはずです。
とはいえ、生徒にしてみれば、はじめての経験です。
1枚の用紙を与えられた時、そこに自分がどう映し出されるのか。
ある意味では怖い体験でもあります。
基本的な書き方をお教えします。
まだ間に合うのなら、すぐにもう1度トライしてください。
提出済みの人は、面接で訊かれるだろう内容に、あらかじめ着目し、模擬面接をしておくことです。
貴校を志望した理由
当たり前のことですが、志望動機にあまり時間をとられてはいけません。
短時間でコンパクトにまとめてください。
自分で書いたものを先生にみていただいたと思います。
その際、先生によってかなり言うことが違いますね。
学校できちんと教えてくれるところもありますが、だいたいは3学年の担任の先生が個人的に添削するというパターンが多いようです。
最大のポイントは「受験動機」です。
たくさんある高校の中で、なぜこの学校を受けたのか。
それを面接官は1番知りたいのです。
志望理由書とは、それに尽きると考えて差し支えありません。
つまり面接で訊かれるのと同じ内容を、文章化すればいいのです。
通常は「です、ます」調で書きましょう。
小論文は「である」調が基本です。
しかし志望理由書は柔らかな印象を与える文体の方がいいです。
書き出しは「なぜ貴校を志望したかというと、その理由は~です。」という形が読みやすいでしょう。
1つのセンテンスを長いものにしてはいけません。
なるべく一文一義にします。
わかりやすくいえば、主語があり、述語があるという文章のパターンです。
これは読んでいても、すぐに頭に入ります。
複雑な構文にしてはいけません。
もちろん、話し言葉などは絶対にNGです。
つい最近読んだ文章の中に、「違くて」という表現がありました。
話し言葉では使うのかもしれませんが、最悪ですね。
当人は指摘されるまで、その事実を知りませんでした。
根拠を明確に
短い文章で相手を納得させるためには、具体的な根拠が必要です。
数値も効果的ですね。
そのためには何が必要か。
つまり相手を知っているということです。
どういう学校なのか。
歴史や校風、先輩たちの活躍ぶり、進学率、将来の夢、あらゆることを知っておくことです。
できれば、学校訪問をして、体験授業などを受けるのが理想的です。
よくパンフレットやHPをみて、そこにある表現をそのまま抜き取る生徒がいます。
学校の設立目標などを掲げるのです。
これは全くダメですね。
面接をしていると、またかと思います。
なかにはそのままの台詞を丸暗記してくる生徒もいます。
ガッカリさせられるパターンの1つです。
つまり入り口しか見ていないことを、自分から告白しているのと同じなのです。
オープンスクールで実際に在校生と触れ合ったり、授業を受けた時の印象を少し書くだけで、確実に立体感のある文章になります。
それが自分のアピールポイントになるのです。
締めの言葉は、「以上の理由から貴校を志望します。」とすればいいのです。
何も迷う必要はありません。
長所と短所
将来の自分の夢とあわせて、必ず書きましょう。
その際、長所は控えめに、短所はそこからどう抜け出ようとしているかの努力の軌跡を示します。
単純にここが短所だという書き方をしてしまうと、勿体ないです。
少し引っ込み思案だと日常的に考えているとしましょう。
どうしても、自分の考えをきちんと伝えられずに悩むことが多かった場合です。
それをどう克服しようとしているのか。
なるべく友人の中に入って、他者の意見を注意深く聞き、そこから自分に可能なことをアドバイスする努力をしてきた。
その結果、友人の信頼をえることができ、以前よりも人間関係が深まった気がする、という論点があれば、それはもう短所ではありません。
そういう日々の生き方が、学ぶ姿勢に通ずると、面接官や採点者は認識するのです。
いつも後ろを向かずに、前向きに進む努力をしていることをアピールしてください。
それが最も力を発揮します。
不得意な科目をどうやって克服していくのかに通じる大切な場面です。
それが将来の進路を切り拓くちからにもなります。
正直で勤勉でという表現もよく使われますね。
さらに友人を大切にし、言葉を丁寧に使うということの重要性も述べてください。
自己分析が将来の展望をつかまえるためには、大切な方法です。
補強できるエピソードがあれば、ぜひ短めにまとめておいてください。
基本的に、あなたが①どこから来て、②現在どのようであり、③将来どこへ行きたいのかというこの3つの方向が明確であればいいのです。
それが最終のポイントです。
学校ですから①学業②部活③委員会、課外活動に着目すれば、それほどのミスはありません。
学業でのアピールポイントは、表彰された内容や学力です。
努力の過程があればより強みになりますね。
部活は大会やコンクールの順位。
課外活動では、ボランティアや委員会の職種、生徒会の委員名などです。
ただしこれらのものをただ並べただけでは意味がありません。
そこに至るまでのストーリーがポイントです。
あなた全体がそこに写し出されれば、それが最高の自己PRになるのです。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。