【小論文・原発】戦争やテロの標的は今やこのエネルギー施設なのだ

学び

戦争と原発

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は原発の問題を再度取り上げます。

前回の記事は原子力発電そのものの是非を考える時のヒントでした。

その後、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、日本でも世論の勢いが微妙に変化しつつあります。

この問題は非常に重く、深いので、今年の大きな争点になることは間違いありません。

SDGsの目標であるCO2削減にも絡みます。

さらに国家の安全という1番の基本的なテーマともリンクしています。

環境と安全のバランスをどうとるのかという複雑な構造になっているのです。

入試に出される可能性が十分にありますね。

どの立場から出題するかで、問いの方向は自ずと違うものになるでしょう。

しかし根本的な事実関係はきちんとおさえておかなければいけません。

政治や経済の問題は、あまり小論文に直接反映しないことが多いのです。

それだけ立場が大きく広がっているからです。

しかしキーワードを環境や安全、コストなどにかえると、問題はいくらでも出せます。

個人の立ち位置がそこから見えてくるからです。

2011年の福島第1原発の事故以来、津波や地震に対する注意喚起は非常によく行われるようになりました。

しかしここへきて、ロシア軍におけるウクライナ最大のザポロジエ原発への攻撃が現実のものになっています。

国会でも何度か取り上げられてはいますが、非常時のことはほとんど考えたこともないというのが現実です。

だから原発を増設してはいけないと簡単に結論づけられるのかどうか。

小論文は一種のディベートです。

論理で相手をねじ伏せなければなりません。

原子炉の構造

原子炉は分厚い鉄筋コンクリートの建屋の中にあります。

炉も厚さ20センチの鋼鉄製です。

ところがロケット弾のようなものをピンポイントで打ち込まれたらどうなるのか。

電力会社も全く非常の場合を考えていないワケではありません。

ニューヨークのビル破壊などのように、航空機事故については想定されました。

しかしどの程度の攻撃に耐えられるかは、規制委も電力各社も非公表なのです。

ただし炉が難を逃れたとしても外部電源を失ってしまえば、原発の停止後に核燃料を冷やすことはできなくなります。

つまりメルトダウン(炉心溶融)への道も考えられるのです。

航空機の場合はテロ対策用に作られた特別の施設で冷却を続けることが可能だと、電力会社は述べています。

しかしこれがロケット弾であったらどうなるのか。

考えようによっては核爆弾が落下するとの同じ状態になるこが予想されます。

基本的に原発は海岸線に建設されているケースが圧倒的に多いです。

原発は冷却のために、水を大量に消費しますからね。

海から攻撃されるか、あるいは潜水艦からロケット弾を発射されたら、それだけで最大の被害を被る怖れがあるワケです。

国際ルールがあるのだから、そんな無謀なことはしないだろうというのはあまりにも楽観的な考えです。

ウクライナでの戦闘の様子が毎日流れてきています。

その事実をみれば国際法上のテロがいつどのような形で起こっても不思議はありません。

たとえ、原発を攻撃しないにせよ、それだけのリスクを常に背負っているという事実は消せません。

これは本当に恐ろしいことです。

エネルギー源の確保

現在日本には廃炉中を含め全国18原発57基の原発が存在しています。

ロシアのウクライナ侵攻以降、エネルギー源の確保は大きなテーマです。

特に石炭、石油などから脱炭素への道は喫緊の課題です。

もちろん、自然エネルギーが望ましいことは誰もが知っています。

しかし太陽光、風力などに頼るだけでは現状では全く不十分です。

省エネと再生可能エネルギーへ舵をきっていかないと、いけない段階なのです。

そこに再登場してきたのが原発です。

CO2を全く出さず、地球温暖化の流れをとめる手段としても原発は優れています。

西側の諸国は今回の戦争勃発以後、ロシアからの石炭、石油を輸入しない方向で合意しています。

日本のエネルギー自給率がどれくらいあるかを知っていますか。

わずか11%しかありません。

天然ガスも供給がそれほどにないため、価格が高騰しています。

電気代、ガス代などのインフラ料金が次々と値上がりしています。

さらにガソリンの値段もかつてないほどです。

この緊急事態の中で、何が可能なのか。

本当に難しい舵取りが必要です。

あなたなら、どのようにして代替エネルギーを手に入れますか。

欧州でもエネルギーの確保は深刻です。

原発の新設を含めた論議も真剣になされているのです。

さらに再稼働が可能かどうかも検討されつつあります。

一方でテロや戦争に対して、どこまで対応できるのかもいまだに不明確です。

以前に比べれば、電気系統や、排水ポンプなどへのダメージが少なくてすむようにはなっています。

しかし戦争となれば、当然ミサイル攻撃は十分に予想できます。

国際法違反

ロシア軍の相次ぐ原発への攻撃は、従来のエネルギー政策を根本から揺るがす大事件でした。

国際法違反などという表現だけではもう片付けられないところへ来ています。

今まで、この脅威から目をそらしてきたものの、現実はすでに目の前で起こっています。

稼働中の原発への軍事侵攻は過去に例がありませんでした。

現在のところ、放射線量に以前と変化はないと発表されています。

しかしザポロジエ原発は出力100万キロワットの原子炉を6基抱えています。

総出力では欧州最大規模の原発なのです。

攻撃時には、検査などのため1基だけが運転中でした。

原発への軍事攻撃は、ジュネーブ条約で禁じられています。

もちろん、ロシアも批准しています。

しかし戦争は全てを超越してしまうのでしょう。

判断が停止されます。

もし爆発したら、チェルノブイリの10倍以上になるという発言もあります。

この先、エネルギー問題をどのように考えたらいいのか。

当然、大きなテーマになることは明らかです。

シェールガスという新しいエネルギーを手にしたアメリカにしても、今の経済成長を続けるためには、さらなるエネルギーが必要です。

地球温暖化を防ぎつつ、確実で安全なエネルギーを確保することは大変に難しいのです。

あなたがもし、担当者の立場だったらどのように対応しますか。

これからの地球の未来を担う若い世代に向けて、大学側はいくつかの小論文テーマを用意するに違いありません。

9月にはもうAO入試があります。

風力、地熱、太陽光などでは賄えない熱量のワクをどのような手段で埋めるのか。

大きな問題です。

どこからでも、課題文は作れます。

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とにかくこの事実について、自分なりの意見をつくりあげておいてください。

SDGsとの関連で、ロシアのウクライナ侵攻が俎上にのぼるのは間違いありません。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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