【作文型小論文の核心】失敗の経験から何を学んだのかを総括する

学び

作文型小論文

このサイトでは大学入試だけでなく、高校入試の問題も扱っています。

都立高校の推薦入試は一般試験に1カ月ほど先立って実施されます。

内容的に非常に高度で論理的な内容を含んだ小論文を課す学校が10~20%。

それ以外の学校は作文型のものです。

ここではあまり今まで扱ったことのない作文型小論文について考えてみましょう。

大学でもこのタイプの小論文が出題されるところもかなり見受けられます。

参考にしてください。

基本的な問題のパターンは自分の周囲に起こったことに取材する内容です。

毎日の暮らしの中で考えたり、感じたりしたことを丁寧にまとめていけば、十分な結果が得られるはずです。

制限時間は50~60分。

字数は500~800字程度です。

課題文を読んで書く問題もありますが、基本的には短いテーマが与えられ、それに対して文章をまとめていくタイプの問題です

試みに過去問をみてみましょう。

どんな問題が出たのかを知らなければ対策を考えることができません。

ここ数年の問題をあげます。

テーマを読んでみてください。

ポイントについての説明はその後にしましょう。

基本は体験や経験を問う問題が主です。

具体例

1 多様な人々が生活する中で、考え方や意見の違う人々とよりよく生きるためにはあなた自身にどのような努力が必要だと思いますか。

「思いやり」という言葉を使って書きなさい

2 言語に関する力をつけるためには「読む」「書く」「聴く」「話す」の全ての面をバランスよく鍛えることが大切だと言われています。

あなたはどの面に最も力を注いで言語能力を向上させようと考えていますか。

3 あなたはこれまで「なりたい自分」になるため、どのような取り組みを行ったのか、書きなさい。

4 「文化を大切にすること」についてあなたの経験に触れながら書きなさい。

5 これからの社会に必要な力にプレゼンテーション能力があります。

あなたはその能力を本校でどのように身につけようとしていますか。

6 あなたは災害時に備えて日々どのような防災意識を持ち準備していますか。

また高校生として地域の中でどのような社会参加ができるのか、書きなさい。

7 自分の長所で自信を持っているところはどこですか。

その長所を発揮した経験があれば具体的に書きなさい。

8 本校では「総合的な学力」の育成に力を入れています。

総合的な学力の1つとして、「専門性」があります。

高校生活でどのように「専門性」を高めていきますか。具体的に書きなさい。

9 入学後、どの委員、係に立候補する予定ですか。

その理由とともに書きなさい。

10 ごみの減量のためにできることを身近な例をあげて述べなさい。

11 あなたが日常で困っていることや、世の中で問題になっていることを1つあげなさい。

もしそれらをコンピュータや情報通信ネットワークなどの技術を活用して解決するとしたらどのようなことが考えらますか。

12 科学技術の発達に対し、どのような点に配慮すべきと考えますか。

13 あなたは今後どのようなボランティア活動をしていきたいですか。

14 「地球は先祖から受け継いだものではない。子供たちから借りたものだ」という言葉について体験したことを例にあげ、あなたの考えを書きなさい。

AbsolutVision / Pixabay

15 「成功と失敗の一番の違いは途中であきらめるかどうか」というスティーブ・ジョブズの言葉について。

あなたはどのように考えますか。自分の体験を踏まえて述べなさい。

16 「勉強して本を読むだけで賢くなれはしない。さまざまな体験をすることによって人は賢くなる」というニーチェの言葉についてあなたはどのように考えますか。

自分の体験を踏まえて書きなさい。

17 あなたは3年後どのようになっていたいですか。

18 社会人になった時、どのようなことで「社会」に貢献していきたいですか。

19 本校を志望した理由を具体的に書きなさい。

20 「人を動かすこと」について、中学時代での具体的な体験を交えながら、あなたの考えを書きなさい。

ポイントは失敗

テーマを幾つか読んでどういう感想を持ちましたか。

感想文型小論文のポイントは経験、体験につきます。

あなたがどのような体験をしたのかを具体的に書く必要があるのです。

そこでの苦労、失敗が何であったのかを示すことです。

これが最も採点者にアピールします。

ただし、くどくどとその時の様子を書くのはNG。

ポイントをしぼることです。

次に大切なのはそれをどう乗り越えたのかということです。

dougandpetegardening / Pixabay

そのためにとった方法は何であったか。

その結果、どのような変化があなたの中に起こったか。

つまり経験の中で感じたことのすべてを述べつつ、それをどう克服し、どう総括したのかという点を示すのです。

その体験の中で、自分がどこまで成長したか。

それを真面目に追いかけながらまとめていくことです。

字数が限られていますから、それほどに大きな内容を書き込むことはできません。

小さな失敗でも

小さな失敗でもかまいません。

ただし嘘を書いてはダメです。

リアリティがなくなります。

自分が心底、失敗だったと感じることがらがあれば、他人がどう考えたとしても、それが最良の選択です。

そこから学んだことの意味が大切なのです。

採点者は失敗の内容ではなく、そこから学んだことの内容をチェックします。

そこにスポットをあてるのだと考えてください。

どう立ち直ったのか、どのように再生したのか。

そのためにとった手段はなんであったのか。

何を知ったか。

その中で1番アピールできそうなところをピックアップすればいいでしょう。

基本は問題の指示をすべてクリアすること。

「体験を踏まえて書きなさい」という問題の場合は絶対に経験についての言及が必要です。

そうした指示がない場合でも、自分の経験を書いたほうがいいと判断したら、迷わずに使った方がいい効果がでます。

逆にいえば、自分の中学生時代をきちんと総括していなければ書けません。

これは大学入試でも同じパターンです。

似たような問題が推薦入試に出題されます。

試みに問題を選んで1つ書いてみてください。

実際にやってみると、いかにものごとをきちんと掴まえていなかったのかということがはっきりします。

認識力の欠如です。

geralt / Pixabay

そこが最終的な合否のポイントなのです。

あなたがあなた自身をどう捉えたのか。

作文型小論文はそれを述べる場所でもあるワケです。

何度でも練習してください。

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力が必ずついてきます。

最後は自分を信じることです。

努力を忘れてはいけません。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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