【タイ式生活のすすめ】マイペンライの暮らし方こそがトレンディ

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マイペンライとは

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師でブロガーのすい喬です。

少し前のことです。

担任団の解散旅行でタイへ行ってきました。

今はコロナ禍で本当にどこへも出かけられません。

本当に信じられない状況になりました。

1日も早く収束してもらいたいと願わずにはいられません。

なぜタイへ行ったのか。

あったかいところでのんびりしたかったのです。

担任団で最後に旅行をするというのは、それまでの3年間の最後の儀式みたいなものなのです。

卒業旅行は近くの温泉などへ1泊で行くのが普通のパターンです。

しかしこの時は外国へ行こうよということになりました。

とにかくみんな穏やかな人ばかりで仲良しでした。

生徒との関係も良好だったのです。

1学年6クラスの学校でしたので、実に賑やかな旅です。

いろいろなオプションもつけた解散旅行となりました。

タイの人々がよく口にする言葉、それが「マイペンライ」です。

これは沖縄人の考え方「テーゲー」によく似ているといわれています。

すなわち、その日がよければいいじゃないかという発想です。

それほど先のことばかり考えてくよくよして、何が楽しいのかという意味でもあります。

一言でいえば現世肯定。

常にノープロブレムというワケです。

この考え方はタイ人にとって最も親しみやすいものとみえて、どうやったら他の国の人と見分けられるのかという時の物差しにもなっています。

平均的なタイ人の考え方は次のいくつかに必ずあてはまります。

タイ人のものさし

①貸したお金が戻ってくることはない。
②お寺が大好きで、お参りをすると心が洗われる。
③唐辛子の入らない料理は味気ない。
④お金さえあれば何でもできる。
⑤割り勘などという考え方を持ったことがない。
⑥氷をたっぷり入れてくれないジュースやコーラはダメ。
⑦額に汗して働くのは貧乏人だ。
⑧お金があれば金(きん)を買う。
⑨お金をせびる役人は悪い役人である。
⑩お金でいうことをきく役人はよい役人である。
⑪責任の所在を明確にしてはいけない。

⑫タイの男と生まれたからには愛人を1人ぐらいは持ちたい。
⑬お金持ちなのに愛人がいないのは変わり者である。
⑭とにかくタイは1番すばらしい国だ。

この話にはかなり誇張があるかもしれません。

しかしあながち大袈裟ともいえないのです。

都会と地方の格差はあっても、誰もが平均気温30度を超すあの熱帯で暮らしていれば、こんな気分になるのではないでしょうか。

中には同じアジア人として、似ているところもありますが、しかしタイはやはりタイなのです。

バンコクは聞きしにまさる大渋滞都市でした。

geralt / Pixabay

普通のタクシーにトゥクトゥクと呼ばれる窓のない三輪タクシー。

さらにはバイクタクシー、一般の窓なし路線バス、クーラー付き路線バス、さらにはトラック、バイク、乗用車が市内を縦横無尽に走っています。

その騒音と排気ガスのものすごいこと。

路線バスの停車場では多くの人が待っています。

しかし時間通りにバスが来ることはありません。

もともと時刻表など誰も信じていません。

来た時間が乗れる時なのです。

仕方がないので、急ぎの人はバイクタクシーに乗るというワケです。

しかし接触事故が頻発し危険です。

交通手段は地下鉄、そしてバス、タクシー、自家用車ですね。

免許を取るのが日本とは違って大変に簡単なのです。

とにかく首都バンコクは常に渋滞しています。

屋台

驚くことに、その渋滞の脇には屋台の店が軒を連ねています。

人々はスモッグと騒音を気にせず、そこで食事をします。

独身者などは3食とも屋台で食べる人もいるそうです。

家庭を持っている人もおかずだけはそこで調達する人も多いようです。

どこへいってもアジアの匂いがします。

ココナツミルクに唐辛子、香草、魚醤。

日本人にはあまり馴染みのない食べ物ばかりです。

横町に入ると、どこからともなくこの匂いがしてきます。

歌舞伎町に似ているといわれるパッポン通りにも足を踏み入れました。

日本語の看板がたくさん目につきますね。

タクシーに乗れば、運転手はすぐにナイトクラブの名前を口にします。

後でマージンをもらうのでしょう。

それだけ日本人はあまくみられているのかもしれません。

免許証もお金でなんとかなるという話です。

本当なのでしょうか。

車検もあるようなないような。

ナンバープレートをつけていない車もかなり見かけました。

geralt / Pixabay

全てマイペンライです。

しかしそうした国でも仏教に関することとなると、ガラリと様子がかわります。

宮殿や、エメラルド寺院などをみると、あまりにきらびやかで驚いてしまいます。

仏教はこの国の大切な柱です。

男子と生まれたら一度は出家をします。

その間は仏に仕えるものとして遇されるのです。

幾つかの厳しい戒律を守れば、あとは比較的自由なようです。

朝の托鉢も大切な仕事です。

幾つくらいお寺があるのか知りませんが、本当に見事なものばかりです。

特に暁の寺院・ワットアルンはチャオプラヤー川の流れとよくマッチして荘厳なものでした。

ちなみにチュラロンコン大学、タマサート大学などのエリート校に入れるような人たちは幼い頃から、それなりのお金を使って環境を整えられる層の中からしか、出てこないのでしょう。

入学試験は非常に難しいという話でした。

豊饒の海

三島由紀夫の小説『豊饒の海』の中の一巻、『暁の寺』はワットアルンというお寺から着想されたと言われています。

かつて一読した時、どうしてタイにストーリーが飛ぶのか理解に苦しみました。

しかし実在のお寺を見たとき、その気持ちが少しだけわかりました。

川をさかのぼってアユタヤにも足をのばしました。

かつてタイ内陸の交易の中心として繁栄したアユタヤ王朝の都です。

当時を偲ばせる遺跡がたくさん残され、世界遺産にも登録されています。

古い都市にはやはりそれだけの重みがありますね。

バンパイン宮殿は、歴代の国王たちの別荘として利用されていた建物です。

豪華な装飾が目をひきます。

しかしとにかく暑くて木陰に入って休むしかありませんでした。

アユタヤのすばらしさは、やはり行った人にしかわからないでしょう。

ビルマとたたかい破れた時、寺にあった仏像の首は全て持ち去られました。

その姿には時の流れを感じます。

哀しいぐらい美しい風景でした。

帰りの船の中で、添乗員たちがカードを始めました。

お金を賭けているのは明らかです。

船の従業員もそれに加わりました。

これがタイです。

アジアを歩いていると、胎動の力を感じますね。

それはうねりとなってアジアの大陸を覆っているようです。

すました顔で落ち着いてしまった日本と違い、タイには人間の持つ勢いがあります。

それがこの国の魅力です。

何かいい知れない懐かしさを感じるのも、またそこに理由があるのかもしれません。

近年、政情が不安定だというニュースが流れてきます。

民主主義、王室、軍という3つの軸がこれからの流れを決めるのでしょう。

微笑みの国と呼ばれるタイがはやく落ち着きを取り戻すことを祈るばかりです。

階層社会の流れが緩やかに変化しているという話も聞こえてきます。

コロナが収束したら、また行ってみたいですね。

それにしても暑い国です。

スコールもすごいです。

ずっと熱波の中にいるような気分とでもいえばいいのでしょうか。

象に乗ったのもいい思い出です。

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チャンスがあったら是非訪れてみてください。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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