【杉田敏ロス】人間としての魅力にあふれたビジネス英語講座の30年

学び

看板英語番組

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、ブロガーのすい喬です。

今回はとうとう終わってしまった「実践ビジネス英語」のお話です。

なあにそれという人も多いでしょうね。

このラジオ番組が始まったのは1987年です。

それから30年以上。

この3月にとうとう放送が終わりました。

聞き始めた頃は「やさしいビジネス英語」というタイトルだったのです。

このタイトルの時代を5年間聞き続けました。

どこがやさしいんだと随分毒づいたもんです。

黙ってきいていなさい。

そのうち聞き取れるようになるからとあるので、とにかく毎月テキストだけは買い込みました。

ラジオの放送を自動的に録音してくれる装置も買いました。

タイマーで電源が入るのです。

そのうち語学用の録音機能付きラジオにしました。

自動的にMP3にしてくれるので、iPODに入れて使いました。

聞くのはもっぱら朝の通勤時です。

本当にいつになったらやさしくなるのかなと思っていました。

ところが人間の耳はたいしたもんです。

だんだん音が途切れて聞こえるようになってきました。

すると何を言っているのかわかるようになるのです。

単語もいつの間にか覚えていきます。

まだ頭が柔らかかったのかもしれませんね。

杉田敏先生

後半は「実践ビジネス英語」と名前がかわってから5年間聞きました。

あわせて10年です。

いつの間にかストリーミング放送になり、毎週の放送回数も減りました。

以前は土曜日だけ、全く別の先生でした。

それがしばらくすると、すぐにいなくなってしまうのです。

ちょっとでもケレン味があると、リスナーに嫌われてしまうのでしょうか。

英語力だけではないのです。

もっと人間性の問題があると感じました。

もともとアメリカの新聞社やPR企業でキャリアを積んできた方です。

英語の先生ではありません。

それがかえってよかったのかもしれませんね。

すごく自然でなんのわだかまりもなく聞くことができました。

外資系の広告代理店の副社長でした。

忙しいスケジュールの中からどうやって録音のための時間を作り出したのか。

それも不思議でなりません。

たまたま出版した本がNHKの担当者の目に留まったそうです。

NHKとしても初めてのビジネス英語講座でした。

日本人がニューヨークの会社に勤めて、感じた文化の差などをごく自然な形で短いストーリーにまとめてあります。

英語がわからなくても、扱われている内容が新しいだけに刺激的でした。

Love & Profitの精神が彼の作り出すビニエットにはあふれています。

社員や顧客や社会に対しての愛と利益がポイントです。

国際化時代

ビニエットの内容がまさに現代そのものでした。

国際社会の中の文化摩擦などを扱っています。

ニュースや新聞だけでは伝わってこない生の声がたくさんありました。

いつも新鮮だったのです。

だから10年間も続けて聞いていられたのではないかと思います。

これだけ上質な内容を毎月まとめるということは並々の努力ではできません。

先日の新聞に杉田先生がこんなことを書かれていました。

それによれば、ビジネス英語などというものはないというのです。

欧米では週末、ボランティアをしているとか、天下国家についての話などをしないと、

ビジネスパーソンとしては認められないのだそうです。

経済用語なんかを覚えるより、相手と親しい関係をつくり、仕事のきっかけになる

ような雑談の力が大切なのです。

外国語は恥をかいた回数に応じて上達します。

緊張感をほぐすちょっとした言葉を英語にできるということが、本当のビジネスでは役に立つのだとか。

貿易英語や商業英語の時代はとうに過去のものです。

今はむしろしゃれた言い回しより、相手がきちんと理解できる英語を話すこと。

これが1番だそうです。

日本語のていねいなへりくだった日本語をそのまま英語にすると、非常におかしな表現になるといいます。

グローバルなビジネスの現場ではむしろストレートでドライな表現が必要なのです。

とはいえ、日本語の敬語などを正確に使える「ビジネス日本語」の能力がムダだというワケではありません。

おそらくバランスの問題なのです。

日本語で謙譲語や尊敬語を使えないような人が、ビジネス英語だけうまくなるということはきっとないんでしょうね。

現代ビジネス英語

3月に放送が終わってから、杉田ロスの話が隋分と飛び交っています。

昨日の新聞にも「杉田ロスにはさせません」というNHK出版の広告が大きく載っていました。

春から季刊ムックで彼のビジネス英語の本が出版されるそうです。

ニューヨークを舞台にした新シリーズのものだとか。

最先端のボキャブラリーも身につくと宣伝されています。

音声教材も同梱されています。

どうしても彼の声を聞きながらでないと英語が勉強できないという人にとっては、実にありがたい本です。

ちなみにこの4月からの新しい講座は『ラジオビジネス英語』となりました。

月~金までの週5日です。

月、火&水がやさしめで、木&金が少し難しいレベルになっています。

内容も月&火曜日は『ビジネス英会話』。

水曜日が『ビジネスメール』。

木&金曜日が『インタビュー』です。

やや学習者の層を広めにとった番組といえるでしょう。

講師は柴田真一先生です。

新しい時代の番組に期待しましょう。

今まで基礎英語の時代からずっとNHKのラジオ番組を聞いてきました。

文化放送で流れていた旺文社提供のハリスさんや、鳥飼久美子先生の番組も懐かしいです。

本当に数々の放送を聞いてきた中で、杉田先生の番組は質、量ともに群を抜いていたと断言できます。

本当に長い間ごくろう様でした。

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心からお礼を言いたいと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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