【小論文のヒント】課題文に賛成する時に守るべき3つのポイント

学び

反論は目立つ

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は課題文への反論がしにくい場合について考えます。

小論文は立場が明確な方が有利です。

反対の立場は意外とアピールしやすいのです。

論点がはっきりしていますからね。

ポジに対するネガです。

色も補色です。

すごく目立つのです。

その反対のケースではどうでしょう。

青の脇に似たような水色を描いてもはっきりとしません。

もちろん、そのグラデーションは貴重な色の重なりではあります。

ところが採点者にどう映るかといえば、課題文と似たようなことを書いているな。

真似しただけなんじゃないかというふうに理解されがちです。

これではあまりにも勿体ないじゃありませんか。

書く時はなにがなんでも独自色を出さなければダメです。

できるだけはっきりと色分けをしたいですね。

それができないなら、せめてその文字にくっきりと輪郭をつけたいです。

そうすれば鮮明になります。

しかし、それもなかなか難しい。

課題文があまりにきちんとした論理で構成されている場合が多いからです。

筆者の書いた文章に納得せざるを得ない時はどうすればいいのでしょうか。

簡単にいえば逆らえない状況ということです。

全くその通りだと脱帽してしまうケースです。

いろいろな種類の小論文を書いていると、たまにそういう時があります。

環境やSDGsなどに関しての文では、とくに苦しい場合が多いのです。

それでも独自の視点を入れないことには、アピールできません。

どうすればいいのか。

少し考えてみましょう。

課題文から離れる

どんな時にでも言えることの鉄則は何か。

筆者から必ず離れることです。

課題文にべったりは最悪です。

そんなの無理だという人がたくさんいるでしょうね。

気持ちはわかります。

しかし合格するためにやらなくてはなりません。

基本的な考え方が同じだとしたら、その提出の方法を変えるようにしましょう。

簡単にいえば味付けに変化をつけるのです。

同じ食材であっても、別のレシピでつくれば、全く違う味になります。

それを小論文で実践するのです。

ポイントは課題文からどう離れるのかということです。

根拠の基幹的な部分をかえられないということになると、次にやれることは修正です。

あるいは補うという考え方です。

筆者が言い足りなかったことを自分の視点で補足してあげるのです。

少しでも間違えているところがあったらそこを直すという手もあります。

しかしそれを見つけるのは容易ではありません。

いいポイントがあればラッキーですけどね。

そこを徹底的に追加してあげましょう。

それ以外の場合はつかず離れずのスタンスをとるしかありません。

主張を入れる

繰り返しというのは退屈なものです。

採点者は何枚も似たような答案を読むのです。

どんなに面白い話でも繰り返して読まされれば、飽きてしまいます。

かつて「道」という言葉をタイトルに入れたら、大半の人が高村光太郎の詩「道程」を引用したという話があります。

これではNGです。

もっとニッチなところを探さなければいけません。

だれも分け入っていないところに入って、補足するのです。

うまくいけば、たとえ筆者の論点とそれほど違っていなくても十分に通用します。

それでも書けない時というのはあるものです。

そういう場合でも絶対に内容を繰り返さないこと。

ただ字数稼ぎをしていると思われるだけです。

なるべく同じ言葉を使わないのも1つの方法です。

少しでも違いを作り出すために何ができるのかを考えることが大切です。

最悪の場合は自分なりの主張をすること。

どのようにしたらいいのか。

課題文と少しでも方向を変えるという試みが必要でしょう。

独自の思考パターンを示すことで、新しさを強調することです。

絶対に繰り返しはNGです。

もちろん反論をみつけられれば、その方がいいです。

しかしそれが不可能な時も、最後まで粘りをみせる態度が絶対に必要です。

読み取りが基本

ここまでポイントをいくつか書いてきました。

1番大切なことはなにか。

課題文の読み取りです。

これに尽きます。

なんだそんなことかと言ってはいけません。

この段階がどの程度できるかによって、論文がかわってしまうのです。

最悪の場合、完全に意味を取り違えるということもあります。

筆者はどこに1番力を入れているのか。

3題噺というのを知っていますか。

キーワード3つで出来上がっている落語のことです。

たった3つの言葉をうまくつなげて、そこにもう1つの現実をこしらえ上げるのです。

小論文もこれによく似ています。

Tumisu / Pixabay

キーワードが3つあれば、必ずうまく書けます。

ただし筆者が使ったのと同じ文脈で利用すると、完全にコピーした文になってしまいます。

クローンをいくら書いても評価は高くなりません。

そこで本当の国語力が発揮されるのです。

試しにキーワードの順番を変えてみてください。

例話の中に使った言葉があれば、それをわざとはずして別の表現にするのも手です。

順番をちょっとかえただけでも、文章の雰囲気は変わります。

極端なことをいえば、登場人物を男から女へ、大人から子供へ、あるいは高齢者にしてみるだけで、状況はガラリとかわるのです。

そこに新しいストーリーが生まれます。

ありとあらゆる練習をしてみてください。

必ず効果があらわれます。

ただ論点をまねして、私も賛成だと書いてもアピールしません。

自分ならどう視点をかえ、筆者の足りないところを補えるのか。

そのことを徹底的に考えてみてください。

必ず役に立つと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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