【小論文の書き方】自分フィルターを何度もくぐらせて課題文に迫る

学び

評価の高い文章

みなさん、こんにちは。

小論文添削経験20年の元高校国語科教師、すい喬です。

論文の調子はどうですか。

文章がうまく書けるようになりましたか。

そんなに簡単なもんじゃないよという声があちこちから聞こえてきますね。

誰もが思いつくありきたりのことを書いても、それほど評価は高くならないのです。

以前、よく言われたことがあります。

「道」というタイトルの問題をだすと、半分以上の受験生が高村光太郎の詩「道程」をモチーフにしました。

最初のフレーズを引っ張ってきたのに驚いたというのがあります。

伝説のように語られている話ですが、いかにもありそうな話です。

みんなと一緒じゃダメなんです。

自分だけのオリジナルなもの。

mohamed_hassan / Pixabay

とにかく深く考えたことを感じさせるもの。

モヤモヤとして、容易に言葉にはならないものをそれでもなんとか努力して表現しようとしたもの。

そういうタイプの文章の方が、いかにもとってつけたような模範的な答案より、圧倒的に高い評価を受けるのです。

しかし言うのは簡単です。

実際にやってみると、これ以上に難しいことはありません。

なぜか。

言葉にならないからです。

論理性を重視する小論文で言葉をまとめられないということは致命的です。

しかしそれでもやらなくてはなりません。

ここが1番苦しいところです。

言葉と自分との関係をつねに計算するという緻密な冷静さが必要になります。

具体例を出すということ

よく問題の中に自分の経験や具体的な事例に即して書きなさいというのがあります。

これもなかなかの曲者です。

自分の経験を書けと言われても、ただ感動した情景をいくら示したところで、完結するワケでもありません。

経験の何を書くのか

具体例の何を書けというのか。

そのポイントを押さえていない限り、いくら名文を綴っても評価はされないのです。

どうしたらいいのでしょう。

話は単純です。

何度も自分のフィルターを通し、くぐらせて考えた経験でなければダメなのです。

westerper / Pixabay

一般的な意見などいくら書いても関心をひきません。

簡単にいえば、課題文と自分との間の差を認識し、共有点を探し、十分に意識して形にするということです。

つまり深く考えるのです。

どうしたらいいのでしょう。

性急に答えをみつけようとしないことです

課題文に出される内容は単純ではありません。

すぐにいい方法が見つかるくらいなら、なんにも苦労しないのです。

自分の中にあるモヤモヤしたものにじっと目を凝らしてください。

そこからなにか言葉が立ち上がってきませんか。

何も出てきませんよと言われたら、それまでのことです。

しかしいろいろ考えていたら、過去にこんなことがあった。

こういう考えの人と話をした。

それは絶対にありえないだろうと思ったことがある。

なぜなら自分の信念にこういう考え方があるからだ。

元を探っていくと、もしかしたら昔のこうした経験に裏打ちされたものなのかもしれない。

今、そのことに気づいた。

それでいいのです。

要約は縮小ではない

書き出しの方法としてよく要約を一番最初のところにいれる受験生がいます。

必ずしも悪い方法ではありません。

簡単にまとめつつ、なにが問題なのかを明確にするという意味ではわかりやすいやり方です。

要約は課題文の中核を探す作業なのです。

しかしただ文章を縮めるのではありません。

まったく本文を読んだことがない人でも、要約の部分をみれば、きちんと内容が理解できるということが大切です。

ここでポイントをきちんとおさえ、それ以後の意見、理由説明、結論にまで運びます。

逆にいえば、ここで内容がまとめきれない場合、テーマの核心がみえていないということになります。

多くの課題文はかなり難しいです。

哲学的な内容のものも多いです。

文章の中で使われている言葉をそのまま出してしまうと、かえって混乱を招く怖れもあります。

自分の表現に書き直すことが大切なのです。

ある程度、知識を身につけなければなりません。

考え方の基本は自分と世界との関係性です。

どのように自分が世界と正対していくのか。

その形をみせるということになるのです。

そんなことは知らない、わからないでは論文になりません。

どんなことがあっても考え続けること。

書ききることです。

その覚悟がなければ、とても小論文の試験を受けることはできません。

どんなことでも書くだけはもちろん、可能です。

しかし採点者の高い評価を得られません。

悲しいことですが、これが現実です。

何が問われているのか

小論文の基本は社会と自分との関係です。

何が問われ、その解決のため自分に何ができるのか。

それを示すことです。

望ましい形の方法が見えないかぎり、原則的には何も書けません。

しかしそれでは最初から諦めろと言っているようなものです。

だからこそ、食いついていくだけの体力と知力が必要なのです。

最初は少々トンチンカンな内容でも仕方がありません。

それでも課題文を短くまとめてみましょう。

よくわからない言葉を調べ、課題文の意見に対して、賛否を述べる努力をするのです。

このようなプロセスを続けているうちに、次第に自分の型をみつけられるようになります。

そこまでいけばしめたもの。

あとは繰り返してスキルアップをしてください。

答えのない試験だけに、結果がすぐにみえません。

基本的に暗記に頼れる勉強ではないのです。

長い間の地道な努力が花を咲かせます。

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そのための工夫を続けてください。

みなさんの日々の研鑽に期待しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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