【貧窮問答歌・山上憶良】万葉の歌人は農民の貧しい暮らしに声を荒げた

山上憶良という万葉歌人は不思議な立ち位置にいますね。他の歌人とは明らかにみているものが違います。この『貧窮問答歌』は憶良でなければ、絶対に書かなかった作品だと思われます。苦しい農民の暮らしを赤裸々に綴っているのです。

【桜が創った日本】視点を反転させてみたら桜が人間を操る構図が明らかに

日本の風土に桜の花は見事にマッチしていますね。しかしその品種の80%がソメイヨシノだというのも驚きです。第2次世界大戦の後、急激に増えました。接ぎ木や挿し木でないと、植えられないという厄介な品種なのです。なぜこんなにふえたのでしょうか。

【韓非子・猿の彫り物】バラの棘に鑿の刃は立たず【法こそが国の基軸】

『韓非子』を扱います。法家の代表的な本です。ここでは1つのユニークな例え話を持ち出して、いかに国家を運営することが困難であるのかということを示しています。ポイントは猿の置物です。こんな話が中国にはいくつもあるのです。
暮らし

【語彙力を増やす】人間関係を豊かに築くために言い換えのセンスを磨け

語彙力を身につけるためには、さまざまな方法があります。活字を読むというのは絶対に必要ですね。さらに言い換えを学ぶことです。別の表現なら、何が使えるのか。それを考えるだけで、言葉の力が違ってきます。

【人間の尊厳・石原吉郎】シベリア抑留から生還するまでの日々の記録【共生】

詩人の石原吉郎を御存知ですか。派手な人ではありません。しかし人間の存在をギリギリまで追いつめた文学者です。第2次世界大戦の後、シベリアに抑留され8年間を過ごしました。その間に人間の本性を見てしまったのです。
暮らし

【IPS細胞と生命倫理】科学は問い続けても正解の出ない神の領域に入った

iPS細胞の出現によって、人類は新しいフェーズに達したとよく言われます。つまり人間の持つ能力を超え、神の領域に入りつつあるということです。キメラ動物の存在などもその1つです。あるいは生殖治療の可能性もあります。
学び

【カタカナ語の氾濫】無限に増殖する外来語とどう向き合えばいいのか

外来語とどのようにつきあっていけばいいのでしょうか。右を見ても左を見ても、ものすごい数の外来語が氾濫しています。全てを拒否するのも1つの生き方でしょう。しかしそれが容易でないのも、現実の姿なのです。
学び

【小論文のトレーニング】3本の矢の教訓を胸にアウトプットを続ける覚悟で

どうやったら小論文がうまく書けるようになるのか。悩みますね。なかなか思うように文章が出てこない。誰にでもあります。上達するための方法は、3本の矢をつねに繰り出すことです。その繰り返しが、最終的に大きな成果をあげるのです。
学び

【世代間における環境倫理学】我々は未来の世代にエネルギーを残せるのか

環境倫理学という学問を御存知ですか。未来の世代にどのような形で遺産を残していくのか。資源を繋いでいくのかという哲学の分野です。特に未来の世代へどうエネルギーを残すのかというのは、大きな問題です。
学び

【小論文・問題解決マインド】代案を含め結論への糸口を最大限に書き切る

小論文の最大の目標は問題の解決です。しかし今日のテーマはどれも難しく、それほど簡単に解決策が出るものはありません。それでもなんとか解決のためのマインドを持ってと前進する勢いをみせてください。
暮らし

【及ぶものなきを憂う・呉子】有能な部下を育てるのが真の「長」の役割

「及ぶものなきを憂う」という表現を聞いたことがありますか。『呉子』の中にある大切な言葉です。誰も意見を言わなくなった状態くらい、怖いものはないということなのです。それだけ風通しの悪い組織ということになります。
学び

【孟子・性善説】礼を身につけ欲を抑え仁の心を持てと説いた儒学の師

孟子の文章を読んでみましょう。いずれも高校の教科書に載っているものです。難しいことは書いてありません。どれも基本的なことばかりです。しかしそれを実行することは、大変に難しいです。どのようにしたらうまくいくのでしょうか。

【神様・川上弘美】寓話9編が懐かしさに彩られた非日常をあぶりだす

川上弘美の短編集『神様』はユニークな本です。今から15年も前に出版されたものですが、ちっとも古びていません。むしろ今という時代に必要な寓話かもしれないです。高校の教科書にも載っています。1度手にとってみてください。
学び

【正岡子規・臨終の場面】悟りとはどんな時でも平気で生きることなり

正岡子規の臨終がどのようなものだったのかは、大変有名です。その様子をありありと描写してくれた文章がありました。俳人、長谷川櫂氏の『平気』というエッセイです。ぜひ読んでみてください。

【扇の的・平家物語】屋島の戦いで源氏の武将が射たものは【那須与一】

屋島の戦いで那須与一が射たものは扇だけではありませんでした。その場で踊った敵の兵士をも射殺したのです。なぜそのような命令を義経はしたのか。その背景を探っていくと、源氏の持つ怨念がよく見えてきます。

【赤壁の戦い・三国志】劉備・孫権連合軍は総攻撃に転じ曹操軍を大破した

赤壁の戦いというのは三国志のハイライトと呼べます。ここで曹操の軍は壊滅的な敗北を喫してしまいます。三国に分割した政治が行われる元になった戦さなのです。原文をぜひ、読んでみてください。