【小論文・不登校】多様化する原因と背景を探り対策を示すのがカギ

学び

不登校

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

最近は小、中学校での不登校が目立ちますね。

実感からすると以前よりかなり増えたような気がします。

もちろん、過去にも長欠の生徒は存在していました。

しかしその数が目立つようになったのは近年のことです。

それを助長したのがコロナ禍かもしれません。

元々登校拒否的だった生徒が、一連の騒ぎであぶりだされてしまったのです。

自宅待機がしばらく続くと、誰でもエンジンのかかりが遅くなりがちです。

学校が再開しても心と身体のバランスが崩れたままだったのでしょう。

登校を拒否する生徒の数が急激に増えました。

友人との関係も作りにくかったに違いありません。

他者と円滑にコミュニケーションがとれない生徒にこの傾向が強かったようです。

どうしてうまく対話の場を作り出せないのか。

それにはさまざまな要因があると考えられます。

そのケアをするのも容易なことではありません。

しかし行政ゃNPOなども解決への糸口を探る努力をしています。

あまりにも原因が多岐にわたるため、一朝一夕にうまくいくとは思えません。

とはいえ、何もしないワケにはいかないのです。

基本は親や教師がきちんと正対して生徒に向き合うことでしょう。

粘り強い対応が必要なことはいうまでもありません。

相互の信頼関係ができあがらない限り、この問題が解決することはないのです。

なぜ学校へ行けなくなるのか

基本をもう1度おさえておきましょう。

不登校とは生徒が学校にいけなくなった状態のことです。

最初は数日だけかもしれません。

しかしだんだん足が遠のきがちになります。

しばらく通わないうちに学習のレベルが下がってしまう不安も増すでしょう。

しかしそれ以上に大切なのは、社会性が育まれず、自己肯定感が欠落してしまうことです。

成人した後も社会生活を営めず、人生においても何をしたらいいのかわからずに取り残されがちです。

日常生活に生きがいをもって取り組めないということになったら本人にとってつらいことはいうまでもありません。

不登校になる人は組織ヘの適応力が欠落していると考えられがちです。

就職などにおいて不利になる傾向が強いのもそのためなのです。

それならば原因を探って対応すれば、解決するのではないか。

誰もがそう考えるに違いありません。

しかし言うは易く行うは難しなのです。

ポイントは学校へ行けない理由です。

深掘りしていくと、問題がいくつも重なっている実態がみえてきます。

何がネックになって、学校へ通えなくなってしまったのでしょうか。

その原因は実に多岐にわたっています。

最もよく言われるのが学校内における人間関係のあり方です。

有人との関係が構築できないことがもっとも多いとされています。

特に、けんか、いじめ、いやがらせは、不登校のきっかけとして最大のものです。

あるいは教師、先輩、後輩などとの関係がうまくいかないことも考えられます。

こじれた人間関係

不登校問題というと、すぐにいじめと直結させてしまう人が多いような気がします。

現場にいると、いじめとまでは言えないようなケースの方が圧倒的に多いです。

友達との関係がちょっと崩れた時に行きたくないと感じるのです。

もちろん、学業上の問題もあります。

学校の授業についていけないという深刻な悩みを訴える生徒もいます。

無理に椅子に座らせてみても、全くわからない授業を聞き続けることは苦痛以外のなにものでもありません。

どうしても行きたくなくなります。

頭痛、腹痛を訴え、そのまま家に閉じこもりがちになります。

不登校の原因としては大変わかりやすいパターンです。

しかしこういうケースは確実に減っているのです。

今はむしろ原因が家庭にある場合の方が深刻です。

格差社会の現実が子供の精神をむしばんでいます。

経済状況や、家庭内の不和が原因で登校拒否になるケースが圧倒的に多いのです。

親が子供に対して十分な愛情を示さないとか、子育てを放棄する二グレクトに近いケースもあります

あるいは親の精神的な不安の結果、子供の居場所がなくなってしまうというパターンも多いです。

その結果として外泊や夜遊びなどといった非行に走るのです。

友人の家を泊まり歩いたりしているうちに、学校はますます遠い世界になっていきます。

さらに最近増えてきたのが、心身の不調を訴える生徒が多いことです。

とくに低血圧や貧血の生徒をかなりみかけます。

朝起きられないとか、立ちくらみがするという体力では、教室に長くとどまれません。

いつの間にか、学校から足が遠のくということになるのです。

最後に考えられるのは、学習障害や発達障害のあるケースです。

他の人の話を聞いたり、ノートをとれないという場合や多動症などの傾向を持つ子供もいます。

成育段階に応じて、さまざまなパターンが重層的にあらわれるようです。

中学や高校になると、進路や将来への不安から、不登校になるケースもあります。

根本的な対策

不登校の子供がいる場合、やってはいけないことはなんだと思いますか。

それは無理やり学校へ行かせようとすることです。

不登校を悪いことのように扱うと、ますます子どもは身をひいてしまいます。

基本は子どもの気持ちによりそって尊重することです。

しかしこれが実は1番難しいのです。

どうしても原因をつきとめたいなど考えてしまうと、結果は最悪になります。

最善の方法は混乱し、不安になっている子供のそばで安心できる空間をつくるということに尽きるでしょう。

これは甘えとは違います。

解決には長い時間がかかります。

あるいは解決などという状況にたどり着かないことがあるかもしれません。

それでも子供の存在をそのまま認めてあげることです。

しかしこれが難しいのは、親や教師に世間体を気にする目があるからです。

そういう時は専門家によるアドバイスに頼りましょう。

学校カウンセラーが児童心理学に基づいた助言をおこなってくれるはずです。

しかしなんといっても教育の基本は家庭です。

学校になんでも任せてしまうという態度では、何も解決しません。

親は積極的に自分の人生を振り返り、反省すべき点をきちんとさせなければなりません。

その過程で成育歴が見えてくるはずです。

解決への具体策が見えたら、長いスパンでその課題に取り組むことです。

小論文では、この解決への糸口までどのようにしたら辿り着けるのかを聞くパターンの問題が多いです。

どのような態度で不登校に対応していくのかが問われるのです。

友人や自分自身のケースを振り返りながら、文章をまとめていくのも有効です。

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どうしたら「登校しよう」という気持ちになるのか。

そのための方法論をこの機会に是非考えておいてください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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